2021年11月5日

『お客様に嫌がられる接客喜ばれる接客』 平山枝美・著 キタハラケンタ・絵 vol.5873

【これは秀逸】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4534058829

商売において難しいのは、「お客様の気持ちに寄り添う」こと。

これができれば、商売繁盛は決して夢ではありません。

ですが、実際には会社本位、お店本位で商品開発や営業、接客をしてしまい、苦しくなってしまう会社が多いものです。

本日ご紹介する一冊は、接客のプロが、『お客様に嫌がられる接客喜ばれる接客』を教える、画期的な一冊。

お客の立場で嫌な接客を受けたことのある方なら、「嫌がられる接客」「喜ばれる接客」のイラスト解説を見るだけで、「そうそう!」「これこれ!」と思わず膝を打つに違いありません。

著者は、無印良品(良品計画)をはじめ、大型商業施設、インテリア小売店、美容室などで接客を指導する接客アドバイザーの平山枝美(ひらやまえみ)さん。

キタハラケンタさんの脱力系イラストとともに、接客のコツが一発解説されているので、教育用に接客現場に配るのにも最適です。

何よりもすごいのは、ダメ接客の理由が徹底してロジカルに解説されている点。

すべての会話がお客様を理解することにフォーカスされており、確かにこれならお客様の共感が得られるな、と納得しました。

想定されているのがアパレル、ジュエリー、コスメ、インテリアなど、女性向けのものが多いため、関係の販売員には即効性があると思いますが、それ以外の商品でも、本質が理解できれば応用できると思います。

さっそく本文のなかから、気になったところを赤ペンチェックして行きましょう。

—————————-

店の前をお客様が通りかかったとき、「お客様が来た!」とあわてて呼び込みをしていませんか? お客様が「ターゲット」にされているように感じてしまうと、販売員が呼び込みをしてもかえって入りづらいものです

◆お客様を観察する時のポイント
(1)どんなふうに商品を見ているか?
「商品のなにを気にしているのか?」を観察します。たとえば、かばんを上げ下げしている仕草は「重さを気にしているのかな?」などと推測できます。
(2)どんな小物を持っているか?お客様の持ちものから好みを想像します。たとえば服はシンプルでもスマホケースがキャラクターものだと、じつはかわいいものが好きなのかもしれません。「カラフルなものをすすめてみようかな」などと提案のヒントになります。
(3)どんなふうに商品を戻したか?
たとえば、手に取った商品が気になりながらも戻したのなら「保留」、どこか一部分(値札など)を見てすぐに戻したのなら「この値段ならいらない」などと想像できます

お客様は黒のパンツと紺のパンツを見比べていたわけですから、「色で悩んでいるのかな?」と推測できます。それをもとに、「どちらもいい色ですよね」などとストレートに声をかけ、「こちらの色のほうがお客様の肌色になじみそうです」とすぐに提案すればよかったでしょう

産地や素材については、特別なこだわりがあるお客様や商品は別として、たいていのお客様は興味が薄いものです。「自分が実際に使ったらどうなのか?」という商品のいちばんの魅力をまずは知りたいものです

「なぜですか?」といきなり質問するのではなく「○○だから(なの)ですか?」と質問すると、商品選びの基準がわかります。たとえば、「使い慣れているからですか?」「お仕事で使うから(なの)ですか?」「お好きだから(なの)ですか?」などと聞きます

買い替えは「いまの商品」について聞いてみる

商品を試しているお客様には「いかがですか?」と漠然と聞くのではなく、確認してもらいたいポイントを具体的に伝えましょう。お客様は「商品選びのポイント」を判断材料に、購入しやすくなります

—————————-

これまでにたくさん接客の本を読んできましたが、ここまでお客様の声を代弁できている本も珍しい。

接客業に携わる方、マネジャーの方は、世界を幸せにするためにも、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

———————————————–

『お客様に嫌がられる接客喜ばれる接客』
平山枝美・著 キタハラケンタ・絵 日本実業出版社

<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4534058829

———————————————–
◆目次◆

第1章 お客様に嫌がられる声かけ喜ばれる声かけ
第2章 お客様に嫌がられる質問喜ばれる質問
第3章 お客様に嫌がられる提案喜ばれる提案
第4章 お客様に嫌がられる言葉づかい喜ばれる言葉づかい
第5章 お客様に嫌がられる試着・試用喜ばれる試着・試用
第6章 お客様に嫌がられるひと押し喜ばれるひと押し

この書評に関連度が高い書評

この書籍に関するTwitterでのコメント

同じカテゴリーで売れている書籍(Amazon.co.jp)

NEWS

RSS

お知らせはまだありません。

過去のアーカイブ

カレンダー