2021年9月16日

『会って、話すこと。』田中泰延・著 vol.5840

【会話で大切なこと。】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478112622

本日ご紹介する一冊は、元電通のコピーライター、CMプランナーであり、ベストセラー『読みたいことを、書けばいい。』の著者、田中泰延さんによる待望の新刊です。

※参考:『読みたいことを、書けばいい。』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/447810722X/

前作は著者の専門である「文章」について、今作は「話し方」についてですが、今回も示唆に富む内容、切れ味鋭い文章に仕上がっています。

まずは、冒頭の2文でズッコケました。引用してみましょう。

<この本は『読みたいことを、書けばいい。』と密接に関連している。なにしろ、書いた人が同じなのだ。>

よくもまあ、こんな発想が出てくるなと、感銘を受けながら読み進めると、時折、とても大切なコミュニケーションの心構え、視点が出てくる。

共著者として登場する、編集者・今野良介氏との掛け合いもあり、何が気持ち悪い会話で、何が気持ち良い会話なのか、実感としてわかるように作られているのもいいと思います。

・話を逸らす力が会話の力
・人間は会話すると、必ず傷つく
・行為より、言葉のほうが重い

など、気になる言葉が並び、知的好奇心の赴くがままに一気に読まされてしまいますが、中身も勉強になります。

「8割ムダじゃねえか」と感じる方もいらっしゃると思いますが、それこそが著者らの言いたかったことなのでしょう。

さっそく本文のなかから、気になったところを赤ペンチェックして行きます。

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興味もないのに相手の話を聞くふりをしたり、聞いてもいないのに相槌を打ったり、理解してもいないのに相手の言葉を反復したり、そんな会話術が人間同士が正直に向かい合う態度といえるだろうか。あるいは、興味本位に相手に根掘り葉掘り質問を浴びせたり、自分を理解させたくて心の内面を相手にぶちまける、そんな姿勢が向かい合う二人を幸せにするだろうか。また、上手な世渡りのために相手を持ち上げたり、自分の利益のために相手に「イエス」と言わせる、そんなテクニックが誠実だと言えるだろうか

結局、人間は他人の話を聞きたくない

わたしのことではなく、あなたのことでもなく、「外部のこと」を話そう

ちょっとした「知っていること」を言えばいいのだ。相手を感心させようとか、知識をひけらかそうというのではない。それに応じて相手がもし、さらに「知っていること」を重ねれば、そこから話は転がっていく

人は「意見」をいくら述べても賢くならない。また、人の意見に意見をぶつけても賢くならない。これはだれでも意見を言いやすいネットの時代になって、みんなが間違えている点である

関係ありすぎる返しをする人は、偉そうと思われたり、喧嘩になったり、事態を面倒にする

相手と、自分の、「間に発生」したことをたのしむ。前ではない。上を向いて話そう。あさっての方向に話を持っていこう。そうすることで、あなたは対人関係の息苦しさや、話の続かない気まずさから少しだけ楽になれるはずだ

人間は会話すると、必ず傷つく

相手は、あなたの人生の目的を、哲学を感じたいのだ。エトスなき会話は虚しい。もし、あなたがだれかになにかを伝えようとするなら、世界をどう捉え、世界とどう向き合うか、つまり哲学を持たなければならない

辛かった場面を客観的に描写することで、相手は話を聞きやすくなるし、何より自分自身が少し救われるんです

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著者と編集者の漫才のような対話は、やや内輪ウケな感じで、好き嫌いが分かれると思いますが、会話において大切なことを思い出させてくれる一冊です。

個人的には、『読みたいことを、書けばいい。』の方が好きですが、人気作家の「話し方」に興味がある人は、ぜひ読んでみてください。

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『会って、話すこと。』田中泰延・著 ダイヤモンド社

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http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B099N7CCDN

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◆目次◆

序章 なぜ「書く本」の次に「話す本」をつくったのか?
第1章 なにを話すか
第2章 どう話すか(とっかかり編)
第3章 どう話すか(めくるめく編)
第4章 だれと話すか
第5章 なぜわたしたちは、会って話をするのか?

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