2021年5月28日

『回想脳 脳が健康でいられる大切な習慣』 瀧靖之・著 vol.5764

【過去なんか振り返るな!は嘘?】
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「過去なんて振り返るな!未来を見ろ!」

イケイケのベンチャー企業社長や自己啓発家が言いそうなセリフですが、どうやらこれは、間違いだったようです。

人間の脳は、「未来」を思い悩むより、「過去」を思い出すことで元気になる

16万人の脳画像を見てきたという、東北大学加齢医学研究所の瀧靖之教授が、これまでの常識とは180度違う主張を展開しているのが、本日ご紹介する一冊、『回想脳 脳が健康でいられる大切な習慣』です。

これまでにも、認知症の進行を抑える方法として、写真や画像を見て積極的に過去を振り返る「回想法」というものがあったようなのですが、本書で書かれているのは、もっとパワフルでポジティブな方法。

多くの研究から、いくつになっても脳が健康な「生涯健康脳」の人は、「知的好奇心」「運動」「コミュニケーション」という3つの共通点が見つかっているらしいですが、本書では、この3つの要素と回想を組み合わせる方法を、「回想脳ワーク」として紹介。

生涯現役でいたい人はもちろん、変化の激しい時代、「前向き」にちょっと疲れてしまった人にも、生き方のヒントが見つかる一冊です。

さっそく、本文の中から気になった部分を赤ペンチェックして行きましょう。

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過去を振り返ることで得られる、脳への4つの効果
1.脳の健康を維持し、認知症の進行を抑える
2.未来に向かって生きる力をつける
3.ストレスを解消し、気分転換を助ける(メンタルヘルス)
4.幸福感が得られる(主観的幸福感)

過去を振り返るときに使われる脳内のネットワークと、未来のプランニングをしているときに使われる脳内のネットワークは、かなり重複している

脳医学的にいうと、ストレスがかかることで記憶をつかさどる脳の海馬の神経新生(神経細胞が分化して増えること)が低下して、記憶力が落ちることが知られています

ストレスがたまると、記憶力が落ちるうえに感情が平坦化して、喜怒哀楽を表現する力が弱ってしまう

主観的幸福感が高い人ほど、ネガティブな感情をコントロールする力が高い

何かを「懐かしい」と感じるには、「ある物事に親しみを感じること」と「しばらくその物事から遠ざかること」という2つのポイントが必要

私たちが「記憶力」と思っているのは、実はそのほとんどは「引き出す力」なのです。引き出す力が優れている人の脳は、情報が整理整頓されて格納されており、何か1つの刺激があれば、それに対応するデータが即座に探し出せるという仕組みになっていると考えられます

ものは大切な手がかりになる

昔を思い出すキューとして最適なのが「家」

昔住んでいた家の間取りを描いてみる

実物がなくても「懐かし本」で回想

かつて好きだったものに親しむ

学生時代の思い出の店に行く

未来の自分のために日記をつける

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個人的には、<過去を振り返るときに使われる脳内のネットワークと、未来のプランニングをしているときに使われる脳内のネットワークは、かなり重複している>と書かれた部分が刺さりました。

そのうち、自己啓発書でも、こういった知識を踏まえたアップデートがなされるかもしれませんね。

専門家が書いている割に、著者個人の話が多い印象ですが、脳を活性化させるヒントにあふれた一冊です。

ぜひ、読んでみてください。

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『回想脳 脳が健康でいられる大切な習慣』
瀧靖之・著 青春出版社

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◆目次◆

第1章 整理 「超・生産的な人」の頭の中
第2章 集中 シャットアウトで「完全集中」する
第3章 加速 「FAST」でブーストする

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