2021年4月30日

『Makuake式「売れる」の新法則』 坊垣佳奈・著 vol.5747

【「売れる理由」が変わった】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532324017

本日ご紹介する一冊は、「アタラシイものや体験の応援購入サービス」、「Makuake」の共同創業者、坊垣佳奈さんによるマーケティング本。

新時代の到来ですっかり変わった「売れる理由」の本質を分析し、「Makuake」で実際に売れた、お金が集まった事例を、たっぷり紹介しています。

本書のなかで著者が解説しているのは、今の時代の消費のメインストリームである、「応援消費」。

なぜ人は経営者の「想い」にお金を払うのか、どうすれば応援される商品・サービスになるのか、その法則を明らかにしています。

部屋のどこにでも電気一つで「景色を映し出す窓」を作れる「Atmoph Window」(アトモフ ウィンドウ)、目標額に対して1823%を記録した「革裁ちナイフ」、町の歴史を織り込んだ関市の「名刀ペーパーナイフ」など、興味深い事例がてんこ盛りで、思わずぐいぐい読んでしまいました。

経営者、マーケターにとっては、今の消費者の「購買の動機」を知ることで、今後の商品開発、マーケティングを考えるヒントになると思います。

伝統産業に携わる方にとっては、どうやって自分たちをアップデートすれば良いのか、ヒントが見つかりますし、クラウドファンディングで資金を集めたい人にとっては、プロジェクトの見せ方の参考になると思います。

さっそく、本文の中から気になった部分を赤ペンチェックして行きましょう。

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各社は生き残るためにも「負」を生み出さないものづくりを進めてきています

◆ユーザーに売れやすい法則
1.作り手の「本気度」が伝わるか
2.独自性や話題性はあるか
3.ユーザーにとって魅力的か

「ファッション好き」を自称しているのに、「その服を選んで着ることによって、世界のどこかで泣いている子どもがいる」といった業界構造的な負に目を向けず、理解していないと思われてしまうと、その人が真に尊敬を集めることは難しい

「みんなと同じことが、自分の幸せではない」という感覚が社会に育ってきているように感じる

自分が熱意を持てる地域に根を張るのも、一つのストーリー性

うまくいくブランドは「2階建て」であることです。まず1階部分に来るのは、家であれば基礎や土台であり、そしてお客様を迎える玄関です。ブランドであれば基本的な構造部分、つまり食べ物であれば「美味しい」、サービスであれば「使いやすさ」といった、その商品に備わる基本的かつ根源的な資質となります。そして、2階部分に新規性、オリジナリティ、デザイン性、販売方法、愛着や好
感といったプラスアルファの要素が乗っかってきます

「若手の夜明け2020」というプロジェクトは、20代から40代まで、平均年齢30代半ばという若き世代の9つの蔵元が集い、それぞれが醸した日本酒をブレンドして届けるという前代未聞の取り組み

応援購入サービスのMakuakeや、その他のクラウドファンディングの仕組みで得た資金は、会計では何の項目で計上するかをご存知ですか?「寄付型」のイメージが先行しているせいもあり、寄付金扱いのように思われることもあるのですが、「売上高」とすることが一般的です。そして、売上高であるからこそ、銀行の与信判断の材料として考えられる

すでにある技術や文化を、従来と全く異なる文脈で「現代の生活」と結びつけることで新しいものを作り出していく

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どうしてもMakuakeの話・事例が多くなってしまいますが、そこはご愛嬌。

「富や権力が売れるものを決めてしまう世界は、もう終わるべき」と説いたエピローグには、正直感動しました。

商品開発、クラウドファンディングの成功事例を読んでいるだけでも、良いビジネスのヒントになると思います。

ぜひ読んでみてください。

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『Makuake式「売れる」の新法則』
坊垣佳奈・著 日本経済新聞出版

<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532324017

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http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B09228XPYD

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◆目次◆

法則1 旗をたて、やりたいことを宣言しよう
法則2 うまくいくブランドは「2階建て」である
法則3 素直に伝えよう
法則4 「伝統」をデザインで刷新する
法則5 ユーザーを巻き込んでうねりを作ろう
法則6 売れるのは「もの」だけではない!
法則7 本格化する、サステナブル
法則8 リスクを減らし、「スモール・スタート」で始めよう

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