2021年1月21日

『革命はいつも、たった一人から始まる』 藤原和博・著 vol.5679

【人生後半の挑戦に。】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4591168956

本日ご紹介する一冊は、元リクルートの東京営業統括部長、新規事業担当部長で、メディアファクトリーの創業も手掛けた藤原和博さんが、世の中を変えるための「物事の進め方」を教えてくれる一冊。

著者は、リクルート社のフェローを経て、教育改革、うで時計やかき氷機、学生服、ランドセルのプロデュース、ラオスの学校建設、奈良市立一条高校の新講堂のプロジェクトなど、さまざまな「改革」に挑戦していますが、本書はその事例とともに、「改革者」が知っておくべき発想術と巻き込み術、物事の進め方を紹介した一冊です。

常識外れの発想をするための考え方、どんな人をどう巻き込めばいいか、行政を動かすための現実的な視点、上手いモノ作り、PRをするための物語の作り方など、実務家にとっては、とても勉強になります。

なかでも、隈研吾さんの設計で一条高校の新講堂を作るプロジェクトが頓挫しかけた際、著者が放った起死回生のアイデアは、本当に目からウロコでした。(なるほど!こうすれば行政は動くのか)

著者も認めているように、本書で紹介されているプロジェクトは、いずれも著者の豊富な経験と人脈があってこそ実現したもの。

だからといって参考にならないということではなく、むしろ、知識や経験、知名度、人脈、お金がある人が人生後半でどう自分のストックを活かして活躍するかを教えてくれる、人生後半の参考書です。

さっそく、本文の中から、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。

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1割の生活を「バカげたこと」に賭け続けよう

「YES」と「NO」が目の前にあったときに「YES」を選べる人がいて、この人となら失敗しても後悔しないと思えるのであれば、多少の無理難題でも全部任せてしまっていい。腕のある人たちに自由に遊んでもらうことで、物語が増殖し、大きなエネルギーのうねりを生み出すからだ

世の中の常識や当たり前を疑おう。「コトなかれ」ではなく「コトあれ」主義で、動いてみよう。そうすれば、まず自分の中にある「ちょっとした狂気」が目覚めるはずだ。すると、あなたの狂気に「相手の狂気」も共鳴する

普通の人なら、このあたりで音を上げてもおかしくない。でも、私が「新しいかき氷マシンの開発について、一条高校の『よのなか科』でプレゼンしてほしい」と頼んだから、プレッシャーを感じたのか、上田さんは意外なほどの馬力を見せ、授業当日、なんと氷を削る機構をつくって持ってきた。それは、従来の「氷を回して削る」機構ではなく、上田さんが雨の日に車のワイパーを見て思いついたという、「刃を左右にスライドさせて固定した氷を削る」独自の機構。しかもブロックアイスを2列に入れて、異なる味を一緒に削り出すことができるという非常にユニークなものだった。例えば、コーヒー味の氷とミルク味の氷を入れたら、コーヒーミルク味になる

革命はいつも、たった一人から始まる。その革命はまず、あなたの内側に生じる革命でなければならない

組織ではなく「自分の時間割」を見直す

奈良市に「隈研吾が設計を担当してくれる。奈良で最初の隈研吾建築になる」と話をしたところ、もともと「今までの校舎は機能性のみだから、もう少し遊び心がある校舎にできないか」と考えていた市長は喜んでくれた。しかし、市の建物の建築に関して、入札なしで隈さんの事務所と随意契約することはできないと告げられた。そう指摘されるまでうかつにも気づいていなかったが、確かにそうだ。私は一瞬、「これは行き詰まったか……」と感じた。しかし今、諦めるわけにはいかない。そこで、一計を案じた。設計にかかわる費用は一条高校が負担する。そして、隈さんの設計図を奈良市に寄贈する。奈良市は建て替え工事のコンペをして、正式な手順で業者を決める

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序章と第1章は、著者の本をこれまでに読んでいる方なら既知の内容が多いと思いますが、第2章<1台350万円超。奈良で生まれた「型破り」なかき氷マシン>あたりから、俄然面白くなります。

2章以降を表現すると、さしずめ「人生後半戦の挑戦マニュアル」といったところでしょうか。

著者は本書の281ページで、ビジネスパーソンの人生後半戦の「幸福」のタネを、以下の3つに集約しています。

1.なんでもいいから「現役」であること
2.自分が「成長」している実感があること
3.勤め先の組織とは別の「コミュニティ」における居場所が確保されていること

本書は、知識やスキル、人脈、お金などのストックを、多少なりとも持っているベテラン層が、人生後半戦をどう生きればいいか、ヒントを与えてくれる貴重な一冊です。

ぜひ、読んでみてください。

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『革命はいつも、たった一人から始まる』
藤原和博・著 ポプラ社

<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4591168956

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◆目次◆

第1部 己に眠る「狂気」で、沈滞を突き破れ
第1章 「ないのなら、つくればいい」藤原和博は、時計も“編集”する
第2章 1台350万円超。奈良で生まれた「型破り」なかき氷マシン
第3章 「子どもたち」の未来をつくろう。大金持ちでなくてもできる世界貢献
第2部 僕らがSNSから自由であるための「幸福論」
第4章 スマホから発注できる学生服「ichijo」
第5章 史上初、隈研吾が設計した「公立校の新講堂」
第6章 「背負える」キャリーバッグでつくる新しい常識

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