2020年11月9日

『これからのお金の教科書』 田端信太郎・著 vol.5634

【田端信太郎さんによるお金論。】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4815607230

本日ご紹介する一冊は、リクルートでフリーマガジン「R25」の立ち上げに携わり、その後ライブドア、コンデナスト・デジタルを経て、NHN Japan(現LINE)の執行役員、ZOZOのコミュニケーションデザイン室長を歴任、現在はオンラインサロン「田端大学」塾長を務める田端信太郎さんが、お金とキャリアについて語った一冊です。

『これからの会社員の教科書』、『ブランド人になれ!』など、著者の本は、これまでにも何冊か読んでいますが、本書がサラリーマンにとって一番「リアル」なのではないかと感じました。

※参考:『これからの会社員の教科書』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4815602433/
※参考:『ブランド人になれ!』
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4344033175/

必ずしもお金ではない形で資本を形成する、自己犠牲によって好循環の歯車の一回転目を回す、「情報の非対称性」を考えた副業、PLではなくBSで考えるなど、お金持ちになるための考え方が述べられていて、興味深く読めます。

お金のリアルな話に関しても、「分譲vs賃貸」より大事なこと、金利の話、著者が買ったタワマンの話など、経験をもとに大事なことが平易な言葉で書かれています。

投資や副業でもしない限り、サラリーマンはお金のリアルに疎くなりがちですが、そんな人にこそ、おすすめの内容です。

既にある程度資産を持っている、十分高い年収がある方にとっては、今後の良いお金の使い方の指針になるでしょう。

さっそく、本文の中から気になった部分を赤ペンチェックして行きましょう。

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何が「資本」たり得るのか? これからの時代の資本は、必ずしも、お金や貨幣の形態でなくてもいい。ツイッターやインスタグラムのフォロワーだって資本だし、自分が書いたプログラムのソースコードだって資本。その気になれば何だって資本にできる時代です。そう考えれば、「資本家」の道を目指すことに、なにかリスクってあるのでしょうか?

ぼくの経験から考えられるのは、いわゆるサラリーマンの安定というのは、退屈なものだということです。会社から貰う給料が「安く定まる」と書いて「安定」

「貨幣とは鋳造された自由である」という言葉を残したのはドストエフスキーですが、すごくいい言葉だと思いませんか。お金があることの良さの本質は、自由をもたらすことです。お金があれば幸せになれるかはわかりません。でも、お金があれば、嫌なことや不愉快なことを避けるための拒否権を持てるようになる

両親と同じような暮らしをしたいといっても、その暮らしにどれぐらいのお金が掛かっているのかをわかっていないことには、それもできません。お金に対する解像度が高いかどうか。ビジネスマンとしての優秀さを判断しようとして面接等で話すときに、ぼくはそこを重視します

ある人間が何に対してモチベートされるかということ自体は、あとからそんなに変えられない

どれだけその人が持っていても、他人のためにお金を使えない、自己犠牲ができない人に対して、周りの人もその人のために自己犠牲しようとは絶対思いません。突き詰めて言えば、ビジネスをするということは、他人の力を良くも悪くも利用させてもらうことです。だからこそ、まずその人が自分から自己犠牲できる姿勢を見せないと、好循環の歯車の一回転目が回らない

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著者は、本書の冒頭で、<状況設定に数字の入った定量性と、固有名詞の入った具体性がなければ、ただの一般論です>と述べていますが、その言葉通り、自分の体験から数字を交えて説明することで、読者にお金のリアルを伝えています。

ストックオプションは給与所得として課税されるから案外おいしくないという話や、豊洲のタワーマンションを7500万円で買っていくら儲かったかという話など、経験から語られる数字が、本書に説得力を与えています。

キャリアや人生に関するアドバイスも有用で、氏のこれまでの著書の中で一番良い印象を持ちました。

ぜひ読んでみてください。

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『これからのお金の教科書』
田端信太郎・著 SBクリエイティブ

<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4815607230

<Kindleで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B08F2LDYHV

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◆目次◆

Chapter1 「お金」に支配される人生を抜け出す
Chapter2 「使い方」を変えてお金への主導権を握る
Chapter3 「給料」だけでは永遠にお金持ちになれない
Chapter4 「資本」を増やして資本主義社会を乗りこなす
Chapter5 「稼ぐ」ための視点を手に入れろ
Chapter6 「ローン・保険」で後悔しない判断軸を持て
Chapter7 「投資」の思考法で人生にレバレッジをかける
Chapter8 「転職」をしてお金が勝手に集まる場所に立つ

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