2020年10月16日

『一生使える「自信」をつくる本 きみはスゴイぜ!』 マシュー・サイド・著 竹中てる実・訳 伊沢拓司・解説 vol.5619

【読むべし。】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4864107599

本日ご紹介する一冊は、卓球全英チャンピオンに4度輝き、オリンピックに2度出場、現在は英「タイムズ」紙のコラムニストとして活躍中のマシュー・サイド氏が、子どもたちにエールを送った一冊。

著者は、名著『非才』で、自分の成功の理由を分析していますが、その理由とは、

・家に卓球台があったこと
・兄がライバルだったこと
・熱心な先生がいたこと
・近所に卓球クラブがあったこと
・努力したこと

などでした。

※参考:『非才』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4760138382/

自らの成功を振り返った時、そこに環境的要因と教師、努力の存在があったわけですが、本書ではその体験をベースに、子どもたちに成功するための「自信のつけ方」を教えています。

<夢を達成するカギは1にも2にもやりぬく力(グリット、とも呼ばれる)であって、天からあたえられた才能じゃない>

<練習が、ぼくの自信を築いてくれたんだ。生まれつき自信があったわけじゃない>

という著者の主張には、多くの子どもたちが励まされるに違いありません。

親が読んだ場合には、わが子の成長のために何を与えればいいのかがわかるはずです。

また、本書153ページにまとめられたメソッド「マージナル・ゲイン」を使えば、短時間の練習で目覚ましい効果を上げられるはず。

【マージナル・ゲイン】
大きな課題を取りあげる

それを小さなパーツに分ける

それぞれのパーツについて調べ、改善の余地があるものに取り組む

すべてのパーツを合わせて、パフォーマンスの大幅な改善につなげる

文体は子ども向けに書かれていますが、大人が読んでも、子どもが読んでも、ためになる一冊です。

さっそく、本文の中から気になったポイントを赤ペンチェックして行きましょう。

—————————-

なんでまた卓球台(それも金色のロゴが入ったデラックスモデル)をガレージに置こうと思ったのか、両親はいまだにうまく説明できない。ともかく、卓球台が家にある子はまずいなかったので、ぼくは一歩先んじることができた

あらゆるゲームで勝とうとした兄は、卓球もいちばんじゃなきゃ気がすまなかった。だから、兄はぼくにとって「いつでも対戦OK」の便利な練習相手になった

地元の小学校のチャーターズ先生もそんないい先生で、とりわけ僕が影響を受けたのは、先生のスポーツに対する情熱だった。黒い口ひげと輝く目が印象的で、いつも生徒が全力を尽くせるように励ましてくれる名人だ。「人生で大切なのは、可能なかぎり最高の自分になることだ」というのが先生の口ぐせだ

先生は、ちょっとでも卓球への関心を示した者には、地元の卓球クラブへ行くように勧めていた──そのクラブの名は「オメガ」だった

1度でもフォアハンドでカット(ラケットを振り下ろして球を逆回転させながら返す打ち方)ができた者には、最高の名誉である「オメガの鍵」があたえられた。ただ鍵がもらえただけじゃない。昼でも夜でも好きなときに、わが町の卓球の殿堂(「殿堂」と書いて「ボロ小屋」と読む)が使えたんだ

自分だけのユニークな目標に取り組み、それによって集まる視線を気にしないでいられるには、自信が必要なんだ。そしてその自信はどこから来るかというと、結局のところ、ありのままの自分でいる満足感によってもたらされる

ほんとうに効果がある練習、つまり、脳内に強力で長続きする神経のつながりをつくりだす練習は、きみにとって難しいけどやり甲斐がある練習だ

世界的に有名なサッカー選手リオネル・メッシは少年のころ、フットサルと呼ばれるスポーツをしていた。フットサルは、小さいピッチで行われる5人制のミニサッカーで、とても難しい。ピッチが狭いから、素早い動きが求められ、巧みなボールさばきを身につけられる。フットサルを経験した選手がサッカーグラウンドに出ると、試合のテンポがゆっくりになったように感じる

—————————-

<神童たちは遺伝によって成功するわけじゃない。ただ成功への旅を、人生のとても早い時期にスタートさせているだけなんだ>という著者の結論は、教育者、親は心しておくべきでしょう。

そして、本来子どもの成長を願うべき自分自身がドリームキラーになっていないか、考えることです。

著者が書いたもう一つの名著、『非才』と併せて、ぜひ読んでみてください。

※参考:『非才』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4760138382/

———————————————–

『アンコンタクト 非接触の経済学』
キム・ヨンソプ・著 小学館

<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4864107599/

<Kindleで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B08BRR73CN/

———————————————–
◆目次◆

日本語版序文
はじめに スゴイ子になるためのすべて
CHAPTER1 ふつうの子がスゴイ子になる方法、知りたい?
CHAPTER2 きみの心にブレーキをかけているものの正体
CHAPTER3 脳ってすばらしい。どんどん変わるし、とにかく最高なんだ
CHAPTER4 練習すれば「スゴイ」レベルになるよ
CHAPTER5 「天才」ってどんな人?
CHAPTER6 人生を変えちゃう「マージナル・ゲイン」って?
CHAPTER7 大事な本番で役立つ!プレッシャーを消す技術
CHAPTER8 もうだれにも止められない。きみはスゴイぜ!
解説

この書評に関連度が高い書評

この書籍に関するTwitterでのコメント

NEWS

RSS

お知らせはまだありません。

過去のアーカイブ

カレンダー