2020年10月15日

『アンコンタクト 非接触の経済学』 キム・ヨンソプ・著 vol.5618

【韓国で話題のベストセラー】
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本日ご紹介する一冊は、新型コロナウイルスによって、急速に進みつつある、「アンコンタクト(非接触)」経済の最新レポート。

サムスン電子や現代自動車といった、韓国を代表する大企業およびメディアで引っ張りだこのトレンドアナリスト、キム・ヨンソプ氏が、韓国および世界の非接触経済を論じたもので、今後のビジネスチャンスを考える上で、大いに参考になります。

非接触経済が進むことで、人間関係やビジネス慣行がどう変わるのか、サービスや配送がどう変わるのか、決裁がどう変わるのか…。

加えて、これから流行するであろうビジネスの兆しについても述べられています。

大きなトレンドは、概ね日本で考えられていることと重複していますが、具体的な企業名、サービス事例が書かれているのが、本書の最大の特長です。

今後の投資、ビジネスパートナー探し、転職の参考に、読んでおいて損はないと思います。

韓国経済に興味のある向きにとっては、韓国の有望企業のリストとしても読めるでしょう。

来たるべき「超連結社会」と「アンコンタクト社会」で、われわれはどう生きればいいのか、どこにビジネスチャンスがあるのか。

さっそく、本文の中から気になったポイントを赤ペンチェックして行きましょう。

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「不安」と「便利」という二つの要素がアンコンタクト・トレンドにおいて核になる

「モーテル」を検索した時の関連検索キーワードの中で、急上昇ワード1位になったのが「コロナ モーテル」だった。恋人とのスキンシップとセックスのためにモーテルに行くならば、できるだけコロナウイルス感染者の行動履歴から離れた、陽性患者が発生していない地域のモーテルに行くという人が相当数いるということだ

感染病の不安がある状況下では、万一発覚しても問題にならない範囲で私生活を過ごそうとする人が増えるだろう

会食文化はいつまで続くのだろうか?2018年1月、『東亜日報』と「ブラインド(会社員向けのソーシャルネットワークサービス)」が会社員7956人を対象に実施したオンラインアンケートでは、「会食によって日常生活に支障が生じることがある」という回答が69.8%に達した

皮肉にも超連結時代において重要になるのは断絶だ。人とのつながりで生じる不必要な葛藤や誤解、気苦労、疲労を拒否するのである

2015年、100億ウォンに過ぎなかった深夜配送市場の草創期を牽引したのは「マーケットカーリー」だった。2016年、340億ウォン規模に成長した市場にはクーパンの「ロケットフレッシュ」が参入し、その後、大手流通業者が続々と参入してきた

グッチが作ったAR試着サービス「トライオン」(Try-on)機能は、AR技術を応用するベンチャー企業ワナビー(Wannaby)が開発したもの

ホームファニシングブームが起き、誰もがより魅力的な部屋作りに積極的に投資している。(中略)ブランドバッグや外車には誇示的な傾向があるが、部屋作りは誇示というより自己満足のためのものである。(中略)私たちは、中心を「他人との関係」から「自分」に移し、自分自身に一層集中する文化への移行を望んでいるのだ

「ビッグベリーソーラー」(BigBellySolar)は、太陽光を利用してゴミを圧縮することで、同じサイズのゴミ箱より5倍も多く入れることができ、リサイクル収集箱付きで、収集の効率性を高めたゴミ箱を作った

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本書の原書は、2020年4月に出されたものですが、内容はそれ以前から進行しつつあった非接触経済の話なので、まったく今読んでも、問題ありません。

むしろ、普段あまり目にすることのない韓国の事例がたくさん盛り込まれており、とても新鮮な印象でした。

未来につながる最新テクノロジーと、それが社会・経済に与える影響が論じられており、社会学的な視点からも興味深い内容です。

ぜひ読んでみてください。

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『アンコンタクト 非接触の経済学』
キム・ヨンソプ・著 小学館

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◆目次◆

第1章 ヒトはつながりたい動物である
    ──生活・性愛・コミュニケーション
第2章 危機かチャンスか
    ──ビジネス・教育・医療
第3章 ディストピア化する世界
    ──共同体・宗教・政治

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