2020年7月14日

『心をつかむ超言葉術』阿部広太郎・著 vol.5556

【違いを生む言葉の技術。】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/447811014X

最初の仕事を1年で辞め、ライターになってからかれこれ22年、言葉にかかわる仕事をしているわけですが、この仕事をしていて、心の底から良かったと思えることがあります。

それは、物事の捉え方が柔軟になったこと。

優れた書き手の視点や思想に触れ、思考が自由になったおかげで、どんなに辛いことがあっても、乗り越えられるようになりました。

リベラルアーツという言葉の語源は、人間を自由にする技という意味らしいですが、そういう意味では言葉もまた、人を自由にする技なのだろうと思います。(事実、ギリシャ・ローマ時代の「自由7科」には「修辞」も含まれていました)

本日ご紹介する一冊は、その言葉を本職とするプロフェッショナルが、言葉の技術を語った一冊。

著者の阿部広太郎さんは、「今でしょ!」が話題になった東進ハイスクールのCMをはじめ、数々のクリエイティブを手掛けてきた電通のコピーライター。

本書には、2015年よりBUKATSUDO講座「企画でメシを食っていく」も主宰しているという著者のノウハウが、コンパクトにまとまっています。

コピーライティングに取り掛かる前に、「マイ定義」を作ること、語源を調べること、光の当て方を変えること…。

ネーミングの秘訣や記憶に残る言葉作りのポイントなども書かれており、じつに勉強になります。

さっそく、本文の中から気になったポイントを赤ペンチェックして行きましょう。

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「伝わる」に対する定義を持たなければ、「伝わる」なんてありえない。きっと伝わったら、相手はどんなリアクションをするだろうと想像する。いわゆる「ゴールイメージ」と呼ばれるものを、あれこれと思い浮かべながら、「伝わる」とは何かを定めていきたい

マイ定義を持とう。伝わるとは、思い出せることだ。

物事について考えを深める時、いつも語源をさかのぼる。歴史は英語でHistory。そのスペルにはStoryがひそんでいる

あなたには、よく使ってしまう言葉はないだろうか? 特定の状況になった時に、反射的にその言葉を選んでしまうというような言葉だ。「ヤバい」「すごい」「エモい」など、使えば何でもいい塩梅になる「味の素」のような便利な言葉。僕は「素敵」という言葉がそうだ。どうしても使ってしまう。だから「素敵禁止」というマイルールを設けている

自分がリズムよく読める文章は、相手にも心地よく伝わっていく。ちなみに小説家の絲山秋子さんの作品「沖で待つ」の書き出しが見事だ。「しゃっくりが止まら、ないんだ」句読点の打ち方一つでも、心をつかまれる

そう、アメリカには、魚の卵を食べるという文化がない。食わず嫌いと言うのだろうか。それゆえに美味しいイメージが湧かずに、敬遠してしまうというわけだ。美味しい明太子。どうしたらこの美味しさが、アメリカの方たちに受けいれてもらえるのか? オカジマさんの出した答えはこうだった。Cod roe→HAKATA Spicy Caviar

目指すべきは、言うの外にあると書いて「言外」の情報が豊かに含まれている言葉。言い換えるならば「情景が思い浮かぶ文章」だ

いい名付けには必ず「意志」がある

カメラで撮るように書く

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原則のほとんどは、類書にも書かれていることですが、さすが現場で言葉を作ってきた人の本。思考の深さと事例が違います。

著者がこれまでに課題に対しどのように思考し、言葉を紡ぎ出してきたか、その試行錯誤を追体験できる内容です。

ぜひ、読んでみてください。

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『心をつかむ超言葉術』阿部広太郎・著 ダイヤモンド社

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◆目次◆

はじめに 「I LOVE YOU」の訳し方
第1章 自己紹介をしてみよう
第2章 言葉の正体
第3章 言葉に矢印を込めよう
第4章 感動屋になろう
第5章 名付けの力
第6章 SNSで発信しよう
第7章 企画書はラブレターだ
あとがき 才能とは、掛けた時間である

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