2020年4月14日

『WHO YOU ARE』ベン・ホロウィッツ・著 ヘンリー・ルイス・ゲイツ・ジュニア・序文 辻庸介・日本語序文 浅枝大志、関美和・訳 vol.5495

【ベン・ホロウィッツが企業文化を語る】
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アマゾンに在籍していた時、疑問だったのは、なぜこの企業には倹約の文化が根付いているのか? ということでした。

別にタクシーで移動しちゃダメ、と書いているわけではない。出張旅費の精算ができないわけではない。

でも、なぜかムダな経費は一切認められない気がする。そんな空気のなかでみんな行動していたのを覚えています。

もちろん、立ち上げ当初、幹部が打ち合わせしたというカラオケボックスの領収書が額に入れて飾られていたり、コスト削減した人を評価する「ドアデスクアワード」があったりするのですが、どうもそれだけではない。

強力な「企業文化」の存在を意識しながら、上っ面の理念よりも大事なのは「行動規範」や「企業文化」なのではないかと思うようになりました。

本日ご紹介する一冊は、名著として評判の『HARD THINGS』の著者であり、シリコンバレーの起業家たちに尊敬されているベンチャーキャピタリスト、ベン・ホロウィッツによる注目の新刊。

※参考:『HARD THINGS』
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人類の歴史上、唯一奴隷革命を成功させたハイチの指導者、ルーベルチュールや、日本の侍、今から1000年前に当時世界最大の帝国を築き上げたチンギス・ハン、殺人の罪で刑務所に入りギャングたちを統率したシャカ・サンゴールなど、ビジネス以外の事例から組織文化の大切さと構築法を説いた、画期的な論考です。

タイトルの『WHO YOU ARE』(自分は何者なのか)は、この組織文化を読み解く上で、鍵となるコンセプトです。

読者は本書を読み、自分を省みることで、より良い文化づくりのヒントを得るに違いありません。

さっそく、本書の中から気になったポイントを赤ペンチェックして行きましょう。

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「基準以下の行いを放置しておくと、それが新しい基準になる」と軍隊では言われる。企業文化も同じだ。文化に沿わない行いを見聞きしても対処しなければ、それが自分たちの新しい文化になる

黒人たちが白人や混血兵に従うつもりはないとルーベルチュールに告げると、彼はワインと水をグラスに注いで混ぜ合わせ、こう言った。「どっちがどっちだかわかるか? 私たちはみな一緒に生きるしかないのだ」

ルーベルチュールが使った7つのテクニック
1.うまくいっていることを続ける
2.ショッキングなルールをつくる
3.服装を整える
4.外部からリーダーシップを取り入れる
5.何が最優先かを行動で示す
6.言行を一致させる
7.倫理観をはっきりと打ち出す

革命的なプロダクトを思いついたとき、既存のコードを不安定にしても推し進めるべきかどうか自信がなかったら? そんな時に、前に進めとザッカーバーグは示したのだった。素早く動くのはいいことだ。その結果たとえ何かを破壊しても許される

外からリーダーシップを取り入れると、もともといた人たちはとても居心地が悪くなる。それがまさに文化の改革なのだ

組織文化と矛盾する行動をやむをえず取ってしまった場合、まずやるべきなのは間違いを認め、それからやりすぎなくらいに過ちを正すことだ

難しい判断を迫られたときに、「正しいこと」が具体的に何かはっきりしていなければ、社員はどうすべきかわからなくなる。そして難しい判断こそ、会社と文化を決定づるのだ

自分たちの文化を自分が尊重できないようなら、誰にも自分を信じてもらえなくなる

当時、ほとんどの軍隊では、リーダーは馬に乗り、兵士はみなぞろぞろとゆっくり歩いていた。一方、チンギスの軍では全員が平等に馬に乗り、みんなが素早く動いた。ほかの軍には物資供給専門の大部隊がいたが、チンギスの軍では一人ひとりが必要なものを運んでいた

征服者にはめずらしく、チンギスは部下の将軍たちを一度も罰したことはなかった。だからこそ、60年にもわたってチンギスを見限ったり裏切ったりした将軍はひとりとしていなかった

優れた文化をデザインするためにまず気をつけるべきことは、リーダーがありのままでいることだ

あなたの会社では、社員のどの性質が一番大切だろう? 社員に求める性質と企業理念をぴったり一致させることで、「徳とは信条ではなく行動に基づくべき
だ」という武士道が唱えた文化の原則が強化される

企業文化が成功するかどうかは、その会社でどんな行動が報われるかに大きく左右される

文化は、あなたが何に一番価値を見出すかを知ることからはじまる。その価値観を反映する行動を組織の全員が実践できるように、リーダーは努力し続けなければならない

自分の行動には一層注意しなければならない。あなたの行動は企業文化にどう影響しているか? あなたは自分のなりたい人間になっているか?

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個人的には、前回の『HARD THINGS』よりもグッと来ました。

結局、企業文化はリーダーから始まるもので、リーダーが自分と向き合い、正しい行動を取ることでしか、良い文化は築けないということだと思います。

読者が政治家であれ、経営者であれ、教師であれ、親であれ、人を率いる人なら全員が読むべき一冊です。

ぜひ買って読んでみてください。

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『WHO YOU ARE』ベン・ホロウィッツ・著
ヘンリー・ルイス・ゲイツ・ジュニア・序文
辻庸介・日本語序文
浅枝大志、関美和・訳
日経BP社

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◆目次◆

日本語版序文 辻庸介
序文 ヘンリー・ルイス・ゲイツ・ジュニア
イントロダクション 行動こそが君という人間だ
第1章 文化と革命 トゥーサン・ルーベルチュールの物語
第2章 ルーベルチュールのテクニックを使う
第3章 武士道
第4章 もうひとつの武士道 シャカ・サンゴールの物語
第5章 サンゴールのテクニックを使う
第6章 チンギス・ハン 多様性の達人
第7章 現代社会の多様性
第8章 自分らしい文化をデザインする
第9章 境界事例と見せしめ
第10章 まとめ
謝辞
訳者あとがき
参考文献

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