2020年3月3日

『言語化力』三浦崇宏・著 vol.5466

【人生を変える言葉の手法】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4815602735

本日ご紹介する一冊は、雑誌「ブレーン」が「2019年注目のクリエイター」に選んだという、クリエイティブ・ディレクター、三浦崇宏さんによる一冊。

どういうわけか、アマゾンのカスタマーレビューが荒れていますが、言葉を学ぶための本としては、丁寧に書かれていると思います。

本質をつかむためにあえて固有名詞や時系列を無視する方法、発信する前に言葉を整える方法、インパクトある言葉を提示するために相手目線で言葉のランキングを編集する方法など、勉強になりました。

もちろん、普段から言葉を学んでいる方には既知の内容が多いのですが、本書は、自己啓発書として得られる部分が魅力です。

なかでも役立つのは、人生の悩みを言葉で因数分解する方法でしょう。

「仕事がうまくいかない」を3つのレイヤーに分けて因数分解するやり方は、人生のさまざまな場面で使えると思います。

初歩的な部分ではありますが、コピーライティングの手法も学べるので、ビジネススキルも高まる一冊だと思います。

さっそく、いくつかポイントをチェックして行きましょう。

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『キングダム』は単なる漫画じゃない。「日本一売れているビジネス本」として再定義した。朝日新聞では「広告」ではなく「コンテンツ」として再定義することで、多くの人が喜んで手に取ってくれるようになった

プロの作る言葉は完成度が高く、情報を伝達するためには有効だが、今は、情報を正確に伝えるためだったら画像や映像といった手段を使えばいい。言葉が持つ最大の機能は「共感」と「速度」だ

共感を得るためには、一般の人の言葉を拾ったほうがいいというケースが増えている

ライムスターは「気づけば傷つく だが傷つくほど気づく」と言った。小林秀雄は「勇ましい者はいつでも滑稽だ」と言った。松本人志は「うわぁ、それはオイシイわぁ」と言った

周りと違う経験をすれば、必ず話すことはできる。今なら、なんてことのない経験でも世代が違えば特別な話になるだろう。「普通」の人生であったとしても、「別の世代の普通の人生」であれば特別になるのだ

◆自分の仕事の価値を説明する3つのステップ
1.チームにおける自分の役割を説明する
2.会社におけるそのプロジェクトの価値を説明する
3.社会におけるその企業(とプロジェクト)の価値を説明する

ある眼鏡会社がカラーコンタクト事業を始めるときに、他のメーカーが「印象が変わる」という効能で競い合っていた中で、そのメーカーはあんまり「印象が変わらない」ということを売りにした。それによって派手になりすぎることを嫌う20代後半以上の働く女性たちのニーズを押さえた

◆本質をつかむプロセス
・固有名詞を省いて
・時系列も無視して
・行為と現象と関係性だけを抜き出す

問題の本質をつかんだら、それを自分のスタンスと照らし合わせる。その上で、そのことに対して、自分がどんな感情を持ったかを丁寧にすくい上げるのだ

◆言葉を整える
・言い方を丁寧にする
「相手のせい」→「相手にも責任がある」
・ネガティブをポジティブに言い換える
「もう1つしかない」→「最後の1つになった」
・自分の責任にする
「電車が事故で遅れた」→「事故で遅れる電車に乗ってしまった」
・可能性を残す
「ゲームは一方的に終了」→「今回のゲームはあっという間に終わってしまった」

新しい名前をつける

「みんなが知っている」ものと並べる

◆言葉で人を動かすときの重要なポイント
1.目的を明確にすること
2.目的に向かうプロセスを明確にすること
3.主語を複数にすること

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『キングダム』を単なる漫画じゃなく、「日本一売れているビジネス本」として定義した、というのが著者の功績のようですが、この手法は、誰もが使えるので、ぜひ参考になさってください。

また、ネーミングの話や「みんなが知っている」ものと並べるテクニックなども勉強になります。

仕事で結果を出したいビジネスパーソン、自社の商品・サービスを売りたい経営者、マーケターにおすすめの一冊です。

ぜひ、チェックしてみてください。

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『言語化力』三浦崇宏・著 SBクリエイティブ

<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4815602735/

<Kindleで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B082XVC4BN/

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◆目次◆

序章 すべては言葉で変えられる
   ──仕事も人間関係も人生も
第1章 「言葉にする」方法
第2章 印象に残る言葉、一生残る言葉をつくる
第3章 言葉で人を動かす
第4章 言葉で未来を指し示せ

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