2020年2月20日

『マンガでわかる世界の名著』NHK「100分de名著」制作班・著 斉藤的作・漫画 vol.5459

【12冊の名著エッセンスから得る人生訓】
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本日ご紹介する一冊は、NHK「100分de名著」の制作班がまとめた、大人必読の名著のエッセンス。

シェイクスピアの『ハムレット』、ドストエフスキーの『罪と罰』、サン・テグジュペリの『星の王子さま』、モンゴメリの『赤毛のアン』、ガンディーの『獄中からの手紙』、アドラーの『人生の意味の心理学』、アランの『幸福論』、フランクルの『夜と霧』、スタニスワフ・レムの『ソラリス』、メアリ・シェリーの『フランケンシュタイン』、ルソーの『エミール』、カントの『永遠平和のために』の計12冊が紹介されています。

いずれも有名な作品であり、ほとんどの方はそのあらすじはご存じかと思いますが、それぞれの作品に人生訓とも読める現代的解釈が付されているのが面白い。

かつて読んだ名著を、大人になってからまた違った解釈で読めるのが本書の魅力です。

個人的には、『赤毛のアン』のメッセージに心打たれました。

さっそく、気になる部分を赤ペンチェックして行きましょう。

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『ハムレット』
本書のテーマとは、「小さな自我を手放し、大きな運命に身をゆだね、引き受ける生き方」。シェイクスピア研究の第一人者、河合祥一郎先生によって提示された新たな読み方です。

「雀一羽落ちるのにも神の摂理がある。無常の風は、いずれ吹く。いま吹くなら、あとでは吹かぬ。あとで吹かぬなら、いま吹く。いまでなくとも、いずれは吹く。覚悟がすべてだ。生き残した人生など誰にもわからぬのだから、早めに消えたところでどうということはない。なるようになればよい」

『罪と罰』
おそらくドストエフスキーは、近代的自我が行き着く先の限界を感じ取っていたのでしょう。人間一人ひとりはちっぽけなものにすぎません。ソーニャなどさまざまな人たちや、大地に代表される自然のような、自我を超えた大きなものから影響を受け、包まれながら生きていくしかない。それを腹の底から理解しなければ人間は危うい。ドストエフスキーは、そう思っていたのではないでしょうか。

『星の王子さま』
王子は気づきます。自分が愛するバラは、ふるさとの星に残してきたあの一輪のバラだけだと。地球にたくさんのバラがあったとしても、それは自分にとって特別な存在ではない。自分が美しいと思い、心を込めて世話をしてきたバラこそ、かけがえのないものなのだと。

『赤毛のアン』
夢をかなえようとして、ここではないどこかを目指すことが、本当の幸せではない。いまの自分を「これでよし」と丸ごと受け止めて、いまの場所で何ができるかを考える。自分の役割を見出して、誰かの役に立てるよう力を尽くす。決して派手ではないけれど、底光りするような幸せーー。それが真の幸せではないか

『獄中からの手紙』
ガンディーは言葉でなく、行動で語りました。だから「塩の行進」は、庶民の心に響いたのです

『夜と霧』
人生から何をわれわれはまだ期待できるかが問題なのではなくて、むしろ人生が何をわれわれから期待しているかが問題なのである

『ソラリス』
誰によってつくられようが、まがいものであろうが、かけがえのないものであることには変わりがない

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一度読んだ本を再読することで、また違った気づきがある、というのはよくあることですが、本書の場合、どの本も読んでから随分と経っているので、解釈がじつに新鮮。

「そんなの、もうとっくに読んでいるよ」という方にこそ、おすすめしたい内容です。

読んでみてください。

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『マンガでわかる世界の名著』NHK「100分de名著」制作班・著
斉藤的作・漫画 SBクリエイティブ

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◆目次◆

第1章 人類必読のストーリー
01「ハムレット」
02「罪と罰」
03「星の王子さま」

第2章 対人関係に悩んだときに
04「赤毛のアン」
05「獄中からの手紙」
06「人生の意味の心理学」

第3章 いかに生きるか(人生論)
07「幸福論」
08「夜と霧」
09「ソラリス」

第4章 社会とどう向き合うか
10「フランケンシュタイン」
11「エミール」
12「永遠平和のために」

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