2020年1月21日

『Think Smart』ロルフ・ドベリ・著 安原実津・訳 vol.5438

【ベストセラー著者、待望の最新刊】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4763138022

本日ご紹介する一冊は、ベストセラー『Think clearly』著者の待望の最新刊。

※参考:『Think clearly』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4763137247/

前作の時も紹介しましたが、この著者、経歴がじつに面白い。

元々スイス航空会社の子会社数社で最高財務責任者、最高経営責任者を歴任した人物ですが、本が好きで、ビジネス書籍の要約を提供する世界最大規模のオンライン・ライブラリー「getAbstract」を設立。35歳から執筆活動を始めたそうなのです。

前作は、スイスの「ノイエ・チュルヒャー・ツァイトゥング」紙と、ドイツの「ハンデルスブラット」紙に連載されていたコラムをまとめたもので、内容は、「よりよい人生を送るための思考法」。

原書は、2017年10月にドイツで刊行されるとすぐにベストセラーになり、5カ月にわたって実用書部門のトップ10を果たしました。

現在、著書累計は何と250万部を突破。

今回の本は、そんな著者が、間違った思い込みを避けて、賢く生き抜くための思考法を書いた内容。

さっそく、ポイントをチェックしてみましょう。

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ローマ教皇がミケランジェロに尋ねた。「あなたの才能の秘密を教えていただけないでしょうか? あなたはどのようにしてダビデ像をつくり上げたのですか──
この傑作中の傑作を?」ミケランジェロはこう答えた。「とても簡単です。ダビデではないものを、すべて排除したのです」

「すべきでないこと」は、「すべきこと」より、はるかに影響力があるのだ

ミケランジェロよりさらに以前、アリストテレスもこう言っている。「賢人が目指すべきは、幸福を手に入れることではなく、不幸を避けることだ」

理由が書かれているだけで、私たちの気持ちは落ち着く。逆に理由がないだけで、いらいらさせられる

「○○なので」というちょっとした言葉は、人間同士の潤滑剤の役割を果たす。こまめに使おう

ポジティブな「ブラック・スワン」にうまく乗ろう

企業は「外部から提案された解決策」よりも、「社内のアイデア」のほうを重視し、高く評価する傾向がある

標準設定(デフォルト)は、思わず倒れ込んでしまいたくなるような柔らかな枕のように、抗いがたく心地よい。私がハウスワインを選んだり、iPhoneの設定を変えたりしていないのと同様に、たいていの人は標準的な選択にとどまるもの

大きな危機に瀕しているときほど、事実を誇張する傾向が強くなる

相手の発言ではなく、相手の「過去の実績」に注意を払うようにしよう

結論。ベッドサイドテーブルの上に、ノートを一冊用意しておこう。そこにあなたを煩わせている課題への対処法を細分化して書き留めるだけで、あなたの頭のなかの耳ざわりな声を黙らせることはできるはずだ

「プラス面」の数値をすべて足したものから「マイナス面」の数値をすべて足したものを引いた値が、正味の期待値だ

好きだと感じると「リスクは少なく利益は大きく」確信する

選択するときは「次善の選択肢」と必ず比較する

規模が小さいほど「変動」が大きく見える

「目立つもの=重要なもの」ではない

誰もが「自分の得意分野」に偏ったものの見方をする

「最低限の情報」で生活すると、判断力が高まる

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正直、意思決定にまつわる学術研究を寄せ集めた内容で、ある程度勉強している人にとっては、既知の内容が多い印象です。

ただ、学術理論をひと通り説明した後、著者から人生のワンポイントアドバイスがある点がちょっと面白い。

普段の意思決定に本書のポイントを入れるだけで、余計なしくじりがなくせるかもしれません。

ぜひチェックしてみてください。

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『Think Smart』ロルフ・ドベリ・著 安原実津・訳

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◆目次◆

1 新年の抱負が達成できないわけ
【先延ばし】
2 「理由」がないといらいらしてし
まうわけ【カチッサー効果】ほか

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