2019年12月25日

『ビジョナリー・カンパニー 弾み車の法則』ジム・コリンズ・著 vol.5425

【名著の最重要エッセンス】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822288609

本日ご紹介する一冊は、ジム・コリンズの名著『ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の法則』の中の最重要エッセンスのひとつである、「弾み車の法則」を徹底解説した一冊。(発売は、来年1月です)

※参考:『ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の法則』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822242633/

この法則を活用して成功したアマゾンをはじめ、大手投資ファンドのバンガード、インテル、新進気鋭のベンチャーであるジロ・スポーツ・デザインなど、さまざまな企業の「弾み車」を図説し、優れた「弾み車」の存在がいかに企業経営において重要なのかを説いています。

複雑なので、赤ペンチェックでは端折りますが、便利なのは、「自社の弾み車を明確にする手順」が示されていること。

この7つのステップに従って考察を進めれば、きっと強力な自社の「弾み車」が見つかることでしょう。

また、創業から10年以上経った会社であれば、「弾み車」が上手く機能しなくなることがあると思いますが、そんな時の対処法も示されています。

既に『ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の法則』を読んだ方でも、新たな示唆を得られる、そんな内容です。

さっそく、ポイントをチェックしてみましょう。

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◆アマゾン・ドットコムの弾み車
→より多くの商品の価格を下げる
→サイトの訪問客数が増加する
→サードパーティの売り手が集まる
→品ぞろえが広がり、配送網が充実する
→固定費あたりの売上が伸びる

優れた弾み車の力を侮ってはならない。とりわけ非常に長い期間にわたって勢いを蓄積したときの威力は、途方もないものになる。ひとたびまっとうな弾み車が構築できたら、何年、何十年もその刷新や拡張を続けていくべきだ

◆バンガードの弾み車
→低コストの投資ファンドを提供する
→顧客のために高い長期リターンを実現する
→強固な顧客ロイヤリティを醸成する
→運用資産が増加する
→スケールメリットが生じる

◆インテルの弾み車
→顧客が熱望する新たなチップを設計する
→競合企業が追いつく前に高価格で販売する
→単位あたり原価を下げる
→価格が下落しても利益を確保する
→利益を研究開発に再投資する

真に偉大な会社において、成功をもたらす要因が特定の事業、製品、アイデア、あるいは発明であることはまずない。それはきちんと考えられた、根底にある弾み車のつくりである。弾み車を正しく設計すれば(そのうえで刷新や拡張を加えることで)、少なくとも一〇年、たいていはそれよりはるかに長い期間にわたって事業を正しい方向に導き、勢いを強める効果が期待できる

ジェンテスはナイキを研究し、重要なヒントを得た。スポーツ用品の場合、社会的影響力の階層がある。たとえばツール・ド・フランスの勝者があるヘルメットをかぶれば、熱心なアマチュア・サイクリストがそれを欲しがるようになり、それが徐々に下の階層へ降りていき、ブランド力が高まる。ジェンテスはこの気づきを立証する
ため、なけなしの資金をはたいてアメリカ有数の自転車選手、グレッグ・レモンのスポンサーとなり、ジロのヘルメットをかぶらせた

弾み車が失速あるいは動かなくなる理由は二つ考えられる。一つは、根底にある弾み車に問題はないが、一つひとつの構成要素の革新、完璧な実行ができていないことだ。この場合、弾み車に新たな息吹を吹き込む必要がある。もう一つは、根底にある弾み車がすでに有効性を失い、大がかりな変更が避けられなくなっていることだ。ど
ちらが当てはまるのか、正しく見きわめる必要がある

企業規模が大きくなると、それぞれ微妙に異なる複数のサブ弾み車がまわるようになる

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おそらく、幹部研修用に作られたものだと思いますが、『ビジョナリー・カンパニー』シリーズの重要コンセプトをコンパクトにまとめ、学びやすくした、便利な一冊です。

既に同シリーズを読んだ方が講師を務め、本書を使って研修をするとベストでしょう。

経営コンサルタントの方も、便利なツールですので、ぜひ、読んでみてください。

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『ビジョナリー・カンパニー 弾み車の法則』ジム・コリンズ・著 日経BP

<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822288609/

<Kindleで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B082PF8825/

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◆目次◆

弾み車をまわす
優れた弾み車には永続性がある
自社の弾み車を明確にする手順
CEOだけの問題ではない
実行と革新 弾み車に新たな命を吹き込む
弾み車の拡張
弾み車をまわしつづける「衰退の五原則」から何を学ぶか
歴史の判断
[付録]ビジョナリー・カンパニーの枠組みと弾み車
[第一段階]規律ある人材
[第二段階]規律ある思考
[第三段階]規律ある行動
[第四段階]永続する組織
10X型企業
偉大さのアウトプット

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