2019年12月18日

『タダでテレビに取り上げられる方法』石田章洋・著 vol.5420

【情報・報道番組に出るプロの技術】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4534057458

インターネットの時代、とりわけスマホ×SNSの時代になって変わったのは、情報の発信源が「専門家」から「現場の当事者」に変わったことだと思います。

本日ご紹介する一冊は、地上波キー局で30年間、「情報番組」「報道番組」を中心に放送作家をやっている石田章洋氏が、『タダでテレビに取り上げられる方法』を説いた一冊。

情報や商品が「おもしろおかしく」扱われ、さほど売上に結びつかない「バラエティ」よりも、「情報番組」「報道番組」を狙えという明快な主張で、ノウハウも細かく書かれています。

「主婦や高齢者が関心を寄せるテーマ=訴求ポイント」の一覧表、「テレビが飛びつく4原則」をまとめた上で、事例も紹介されており、じつに丁寧な内容です。

現場を知る著者ならではの情報提供テクニックも紹介されており、テレビ出演、紹介を狙う方ならぜひ読んでおきたい内容です。
(プレスリリース本の著者は、読んでおかないと著者生命が危ないかも)

ちょっとした話題を、著者ならどう表現するかといった演習問題もあり、良い頭の体操にもなります。

さっそく、内容のポイントをチェックしてみましょう。

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第三者から間接的に情報が伝達することによって、より信憑性や信頼感が増すことを心理学用語で「ウィンザー効果」といいますが、ウィンザー効果が発動するのは、第三者に対して利害関係がない場合のみです

どんな番組であろうと、その番組の「視聴者が面白いと感じる情報が採用される」

月曜日~金曜日の毎日、放送しているデイリーの「情報・報道番組」は、それほどネタに困っています。番組に穴を開けるわけにはいきませんから、どうしてもネタがなければ「ひまネタ」と呼ばれる情報で尺を埋めるしかありません。「ひまネタ」とは、とくに緊急性のないグルメ情報や動物の赤ちゃんの映像、季節に合わせた便利グッズの紹介といったVTRのことです。それらが流れていたら、「この番組、今、放送するネタがないんだな」と考えてよいでしょう

25年ぐらい前、私が初めて日中の「情報・報道番組」を担当したときのことです。プロデューサーから1枚の紙を渡されました。紙には「主婦や高齢者が関心を寄せるテーマ=訴求ポイント」の一覧表が書かれていました。その一覧とは、次の10項目です。
1.収入を増やす 2.お金を節約する 3.もっと健康に 4.医療対策 5.老後の安心 6.喜び(孫や趣味) 7.家事をもっと楽に 8.快適さ(暑さ・寒さ対策など) 9.脂肪をもっと減らす 10.心配から解放される

◆テレビが飛びつく4原則
1.「なぜ、今か?」がわかる
2.公共性がある
3.「なぜ、それか?」(差別的優位性)がわかる
4.画(映像)になる

気をつけていただきたいのは、「なぜ、今か?」が自社の都合で終わらないことです。「弊社が創業10周年だから」とか「今度、新しい商品を発売するから」「○月○日をもって××社と業務提携することになったから」といった、あなたにとっての「今」は、あくまで自社都合であって、視聴者にはまったく関係ありません

私が小さな会社やお店におすすめするのは郵送です。FAXではカラー写真が出力時にモノクロとなってしまいますが、郵送すればビジュアル資料がそのまま相手に伝わります

名前がわからない場合は、「番組名+○○コーナーご担当者様」でも大丈夫でしょう。なぜならテレビ局や番組内では、かなりの頻度で配置転換が行われています。間違って先任の担当者の名前を書くくらいなら「ご担当者様」のほうがよいからです

タイトルをまとめるうえで参考になるのは、「情報・報道番組」の画面の右肩部分に表示されているテロップ

プレスリリースには「取材項目」を添えてあげる

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テレビPRというと、つい「コネクションがある人が有利」と考えてしまいがちですが、大事なのはテレビマン&視聴者が喜ぶ情報。

当事者ならではの、現実的なアドバイスがキラリと光る良書です。

PRに関わる人はもちろんですが、出版関係者も全員読んでおきたい一冊ですね。

強く、オススメします。

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『タダでテレビに取り上げられる方法』石田章洋・著 日本実業出版社

<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4534057458/

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◆目次◆

第1章 メディア・リテラシーが高まった時代、「PR戦略」も変化する
第2章 テレビの「PR効果」は、やはりあなどれない
第3章 どうすれば、タダでテレビに取り上げられるのか
第4章 中の人だからわかる、「テレビ取材の確率」を高めるアプローチ術
第5章 テレビの取材を一過性のものにしないために

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