2019年10月23日

『楽しくなければ仕事じゃない』干場弓子・著 vol.5381

【まさかあの人が執筆?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492046577

勝間和代さんを世に出し、「ミリオネ─ぜ」「婚活」などのバズワードを連発、『超訳 ニーチェの言葉』で100万部を達成した、ディスカヴァー・トゥエンティワンの干場弓子社長が本を出した。

これは、出版業界を震撼させるニュースでしょう。

なぜなら、誰もこの本を無視できないのと同時に、誰もこの本について正直なコメントができないから(笑)。

ということで、土井がリスクを取って、書評することにします。

本日ご紹介する一冊は、世界文化社「家庭画報」編集部等を経て、ディスカヴァー・トゥエンティワンの設立に参画。取締役社長として同社の経営全般に携わり、編集者としても累計1000万部を達成した、干場弓子社長が書く、仕事論&キャリア論。

自身の経験と問題意識、偉人の教訓などをベースに、「働く人を惑わす10の言葉」にひとつひとつ反論し、どうすればやる気がわくか、実行に移せるか、エピソード、メソッドを交えながら書かれています。

※章構成はこんな感じ
CHAPTER1 働く人を惑わす10の言葉1 キャリアプラン
CHAPTER2 働く人を惑わす10の言葉2 効率
CHAPTER3 働く人を惑わす10の言葉3 好きを仕事にする
CHAPTER4 働く人を惑わす10の言葉4 夢をかなえる
CHAPTER5 働く人を惑わす10の言葉5 ロールモデル
CHAPTER6 働く人を惑わす10の言葉6 ワークライフバランス
CHAPTER7 働く人を惑わす10の言葉7 嫌われてはいけない
CHAPTER8 働く人を惑わす10の言葉8 リーダーシップ
CHAPTER9 働く人を惑わす10の言葉9 自己責任
CHAPTER10 働く人を惑わす10の言葉10 自己成長

「キャリアプラン」「ロールモデル」「恩返し」「コスパ」「好きを仕事にする」などの流行のキーワードにひとつひとつメスを入れていくスタイルで、働き始めの若い人には良いヒントになるでしょう。

さっそく、内容をチェックして行きたいと思います。

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楽しいことがあるから楽しめるのではなく、何でも楽しむと決めているから楽しめるのだ。すなわち、楽しむのも能力である。

現実は、わたしたちが思うこと以上に可能性に満ちている

「迷ったらやる」のが編集者だ。そういう腰の軽いやつが編集者に向いている。石橋より吊り橋を渡りたがる人が向いている(とわたしは思う)

チャンスは自分の枠の外にある

社会人の勉強の目的は、アウトプットにあるはずだ。ではどうするか?といえば、ケチケチしないで、今あるものを全部出しきっちゃうこと。すると、自然に新しい知恵、技術、情報が、入ってくる。

「恩返し」がなかったからといって、その相手を恨んではいけない。そうすると、あなたは、ほとんどの人を恨まなくてはならなくなってしまう!! そう、たいていの人は恩返しをしないのだ。そもそも、恩だと思っていない。自分のおかげだと思っている。あなたと同様。

人生のお楽しみは、「余計な」ものの中にある!

注意したいのは、これまで一〇のコスト(時間)で一〇〇のパフォーマンスを上げていたものを、八のコストでできるようになったら、たしかに生産性は上がる。でも、六のコストで七〇のパフォーマンスを上げるようになった場合でも、生産性は上がったことになるのだ

クリエイティビティには、問題意識、目的意識が必要だ。

放っておけば、「WANT TO」は「HAVE TO」になるのが、凡人。
「WANT TO」のままでいられるのが、一流になれるかもしれない人だ。

ロールモデルがいない分野こそ、先駆者となれるチャンス!

愛とは、相手の自己中心性を想像すること。想像力とは愛だったのだ。

将来が不安なら、今の自分に投資する。節約するより稼いだほうがずっと早い。それだけじゃない。そのほうが、楽しいから。プロセスが。

今この瞬間、「幸せでいる」ことのほうが、遠い先に「幸せになる」ことより、ずっと必要なことなんじゃないか?

◆わたしなりの「視点を変える方法」
(1)もともと先入観のない領域のことをおこなう
(2)前提を疑う
(3)逆張り・反発・反骨

人のアイデアや同僚の業績を盗むのも、美しくない。
社内政治に明け暮れるのも、美しくない。
嫉妬から動機の悪口を言うのも、失敗を嘘でごまかすのも美しくない。
そういうことを重ねてきた人に染みついた表情も美しくない。

美しくなければ仕事じゃない。

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林真理子を彷彿とさせる自虐ネタは、正直、著者のキャラとの関係で上手く行っていない気がしますが、働く人の心構えとして、女性のキャリアの考え方として、またクリエイティブ職に就く人の仕事のヒントとして、読み応えある内容だと思います。

さすが敏腕編集だけあって、「クリエイティビティには、問題意識、目的意識が必要だ」「愛とは、相手の自己中心性を想像すること」など、刺さる言葉がたくさんあります。

ぜひ、読んでみてください。

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『楽しくなければ仕事じゃない』干場弓子・著 東洋経済新報社

<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492046577/

<Kindleで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B07YTPZWBH/

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◆目次◆

はじめに
CHAPTER1 働く人を惑わす10の言葉1 キャリアプラン
CHAPTER2 働く人を惑わす10の言葉2 効率
CHAPTER3 働く人を惑わす10の言葉3 好きを仕事にする
CHAPTER4 働く人を惑わす10の言葉4 夢をかなえる
CHAPTER5 働く人を惑わす10の言葉5 ロールモデル
CHAPTER6 働く人を惑わす10の言葉6 ワークライフバランス
CHAPTER7 働く人を惑わす10の言葉7 嫌われてはいけない
CHAPTER8 働く人を惑わす10の言葉8 リーダーシップ
CHAPTER9 働く人を惑わす10の言葉9 自己責任
CHAPTER10 働く人を惑わす10の言葉10 自己成長
おまけ 視点を変える 明日を変える
おわりに

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