2019年9月11日

『サードドア 精神的資産のふやし方』 アレックス・バナヤン・著 Vol.5355

【「3番目のドア」】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492046534

昔、頑固な父に「どんな美容室を選べばいいと思う?」と聞いたら、「センスに関するものは、若いヤツの方がいい」という、意外な答えが返ってきました。

本日の一冊を読んで今思うのは、「夢を見る方法について学ぶなら、若い人から学んだ方がいい」ということです。

人生において経験は重要ですが、時に経験は、行動しない言い訳を生むことがあります。

「どうせやったってできっこない」
「お前の実力ならこれぐらいが適当だ」
「才能のあるヤツにはかなわない」
「経験上、成功する確率は10%もない」

本書の著者は、これらの声に屈することなく、夢を実現しました。

著者は、人生には「3つのドア」があるとい言います。

ファーストドア(正面入り口)、セカンドドア(VIP専用入り口)、そしてサードドア(誰も教えてくれないドア)です。

多くの人は1つ目のドアと2つ目のドアを見て、「彼らと僕らは違う」と諦めてしまいますが、現実には彼らだって、サードドアをこじ開けることで、セカンドドアを使うことができるようになったのです。

著者の言葉を借りるなら、こうです。

<ビル・ゲイツが初めてソフトウェアを販売できたのも、スティーヴン・スピルバーグがハリウッドで史上最年少の監督になれたのも、みんなサードドアをこじ開けたからなんだ>

本書『サードドア 精神的資産のふやし方』は、医者になることを運命づけられていた著者が、どうやって家族の反対を押し切り、名立たる成功者にインタビューを成功させ、作家、ベンチャーキャピタリストとしての道を切り開くようになったのか、その軌跡を書いた、じつにエキサイティングなノンフィクションです。

「人生に必要な物は、勇気と想像力とサムマネーだ」とチャップリンは言いましたが、本書はまさにそれを身を以て体現した著者の軌跡。

読者が成功者であれ、発展途上であれ、本書はみなさんに、挑戦することの勇気とワクワクを与えてくれるでしょう。

さっそく、内容をチェックしてみましょう。

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◆スピルバーグ・ゲーム
1 ツアーバスから飛び降りる
2 インサイドマン(内部の関係者)を見つける
3 その人に中に入れてもらえるよう頼む

フェリスはまだ新人の会社員だったとき、「シリコンバレーのスタートアップ起業家の会」(SVASE)でボランティア活動をし、大きなイベントをプロデュースした。それで、成功者にメールを送る正当な理由を得た。「こんにちは、僕はティム・フェリスといって最近大学を卒業しました」ではなく、「僕はティム・フェリスです。SVASEで、イベントをプロデュースしています」と言えるようになったのだ。こうした後ろ盾があるかどうかが、大きな違いを生む

あの日曜の夜に雨が降らなかったら、チーは家族と過ごしていて教授に会うことはなく、何も起こらなかっただろう。一方でチーが5本のレポートを書いていたのは偶然なんかじゃない。運について尋ねると、運はあるとき突然訪れるようなものではないと彼は言った。「バスみたいなものさ」と彼は言う。「1台逃しても必ず次のバスが来る。でも準備しておかないと、飛び乗ることはできない」

24時間後、エリオットから返事が来た。
すばらしいメールだった。
明日か木曜、ロスに来れるかい?
僕はカレンダーをチェックした。木曜は会計の期末試験の日だ。
「どちらも空いています」

◆エリオットの5つのルール ※一部紹介
1.ミーティング中は決して携帯を見るな
2.メンバーとして振る舞え
3.神秘(ミステリー)が歴史(ヒストリー)を作る
4.決して約束を破るな
5.冒険好きな者にだけチャンスは訪れる

「いいか、大半の人たちは直線の人生を生きる」と彼は続けた(中略)でも成功する人間はそんな枠に収まらない。彼らは一足飛びの人生を選ぶ(エリオット)

脚注を読むのは天才でなくたってできるよね。選択の問題なんだよ。時間をかけて、努力に努力を重ねて、他の人がやりたくないことまで引き受ける。それを選ぶかどうかだ

アメリカ大陸の横断に初めて成功したルイスとクラークの作った地図があれば、誰だってここから西海岸までたやすく行けるだろ?だからこそルイスとクラークの名前は誰もが知るところとなったんだ。でもその地図を見ながら2番目に旅をした人の名前なんて、誰も覚えていない(ディーン・ケーメン)

起業家は前に進むだけで、転換なんてしないんだ(エリオット)

「Fを取るんじゃないかとびびっていたら、Aなんか取れやしない」(クインシー・ジョーンズ)

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本書が教えてくれるのは、どんな人でも「3番目のドア」をこじ開けることはできるということ。

そしてそれには、ちょっとした勇気と行動と人間的魅力が必要で、そのすべては学習することができるということ。

もしあなたが人生に不満を感じていて、今とはまったく違う人生を生きたいなら、本書ほど明快な答えとヒントをくれる本はないと思います。

訳者の大田黒奉之さんのおかげで、言葉の壁を感じさせないほど、ワクワクする本に仕上がっています。

これは、オススメの一冊です。

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『サードドア 精神的資産のふやし方』
アレックス・バナヤン・著 大田黒奉之・訳 東洋経済新報社

<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492046534/

<Kindleで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B07VN4XBWL/

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◆目次◆

STEP1 行列から飛び出せ
STEP2 裏道を駆ける
STEP3 インサイドマンを探せ
STEP4 ぬかるみを歩く
STEP5 サードドアを開けて

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