2019年8月23日

『農業に転職!』有坪民雄・著 Vol.5342

【これぞ脱サラ就農の教科書】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4833423200

ビジネスの基本は「需要と供給」ですが、そういう意味で今、急激に需要が増えている「観光」、急激に供給が減っている「農業」に注目しています。

需要が増えるビジネスには華がありますが、競合が多い分勝つのは難しい。

供給が減るビジネスは地味ですが、競合が減っているので、その分勝つのは容易です。

本日ご紹介する一冊は、現在急激に供給が減っている「農業」ビジネスへの参入を促す一冊。

今、農業にチャンスがある理由を、本書ではこう説明しています。

<農林水産省によれば、2000年に約233万戸いた販売農家数(経営耕地面積が30アール以上で、販売金額が50万円以上)は、2018年には約116万戸とおよそ半数に減っています>

ここまで供給が減っているとは知りませんでしたが、就農者の大半が高齢化していることを考えれば、ますますチャンスが広がります。

とはいえ、第二次産業や第三次産業に従事していたサラリーマンが農業生産法人に転職したり、農業で起業したりするのは、知識がないので怖い。

そこで本書では、これから農業転職、起業する人のために、どの分野にチャンスがあるのか、どんな作物を育てればいいのか、どう経営すればいいのか、どこにどう相談すればいいのか、詳しくまとめています。

さっそく、内容をチェックして行きましょう。

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ラーメン屋やカフェをやるよりも、農業を目指すべきです。農業のほうが生き残れる確率は格段に高いうえに、就農はかつてないほどに容易になりつつあるからです

新規就農する方法は、大きくわけて次の3つがあります。
(1)就農支援機関と相談しながらやる
(2)農家に嫁入りする・婿入りする
(3)独力で就農する

イチゴで年収400万円を得ようとすると、2人の労働力が必要

経営計画を作るうえで必要になるのは、「経営指標」です。かつて農林水産省は、主要作物について全国各地の多種多様な作物の経営指標を作っていましたが、2007年以降、一部の作物を除いて更新されなくなりました。(中略)しかし都道府県レベルでは、多くの自治体で経営指標を公開しています

連作障害を避ける輪作体系を考えてみよう

就農地の経営指標が見つからない場合は、気候的に似通った近隣の県のデータを探してみてください。たとえば、山口県で就農したいがデータがない場合、隣の広島県で探してみるわけです

養鶏の卵は、基本おすすめしません。卵は何十年と価格が上がっておらず、スーパーの目玉商品になるくらいで、コスト競争力を問われます

繁殖農家は比較的小規模で、肥育農家は大きくなる傾向にありますが、近年繁殖農家が減りすぎており、肥育農家の間で子牛の取り合いになり、繁殖子牛は大変高収益な仕事になっています。今ですと、50頭も母牛を飼っておれば普通に年収1000万円は軽く超えるでしょう

◆就農支援機関の主な窓口
・新規就農相談センター ・JA(農協) ・普及指導センター

農家として認められるには、その地域の農業委員会およびJAの基準で、農家の要件を満たせるだけの面積の農地を買うか借りる必要があります。市町村によって違いがありますが、一般に最低50アール以上必要とされます。北海道では最低2ヘクタールは必要です

露地にせよ施設にせよ、農地はまとまっているほど有利です。移動の時間が少なくてすむからです。作物の生長を監視するだけといった場合でも、一度に見られるので面倒がありません。移動時間を軽視しないでください。農機は軽トラックを除いて自動車よりもはるかに速度が遅いのです

(直売所で)トクをすることが多いのは、地域の名産品などで供給が少なく、需要のほうが多い場合

(加工食品の分野で)一番儲かるのは、少品種大量生産です。伊勢の名物、赤福のあんころ餅のように1つの商品を大量に売ると儲かります

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農家歴25年、元船井総合研究所のコンサルタントだった著者が書いているだけに、農業の実際、経営面の知識が丁寧に書かれています。

実際にサラリーマンから就農した方々の体験談や相談者のQ&Aも載っているので、リアリティがあると思います。

次なるビジネスチャンスを探しているビジネスパーソン、投資家はぜひ読んでみてください。

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『農業に転職!』有坪民雄・著 プレジデント社

<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4833423200/

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◆目次◆

第1章 新規就農に「経営計画」が必須である理由
第2章 経営計画書を作ってみよう!
第3章 新規就農者が知っておくべき9のこと
第4章 経営計画ができたら次にするべき12のこと
第5章 移住希望者必読! 農村社会で生きるための必須知識
第6章 よくある質問「Q&A集」
第7章 20年後の農業の姿

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