2019年7月2日

『社長の一流、二流、三流』上野光夫・著 Vol.5306

【あなたは一流の社長ですか?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4756920330

サラリーマン向けの自己啓発書、教養本がランキングをジャックしている昨今ですが、本日ご紹介する一冊は、珍しく中小企業経営者向けのコテコテ本。

JR品川駅の新幹線改札内にある、三省堂書店さんでビジネス書1位にランクインしていました。

『社長の一流、二流、三流』と言われると、つい経営者としてはドキッとしてしまいますが、本書でいう「一流」というのは、中小企業経営者のなかで一流、ぐらいの意味。

とはいえ、内容的には勉強になる(反省させられる?)ことだらけです。

著者は、日本政策金融公庫に26年間勤務し、主に融資の審査に携わっていたという、MMコンサルティング代表の上野光夫さん。

仕事を通じて3万人以上の社長と出会い、そのなかから長年にわたって収益を伸ばしている社長から聞いた経営の秘訣、心構えが書かれています。

「三流は」「二流は」と来るのはかつて流行ったフォーマットですが、「一流は」の後に「どんな行動をとる?」と答えを隠すのが憎いですね(笑)。

どんなことが書かれているのか、さっそく、ポイントをチェックして行きましょう。

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「利益を出して地域社会にも貢献することが大切」と、考えているだけの経営者は二流にすぎません。「会社が生き残るためにどうすべきか」というハングリーな視点が弱いからです

会社を長く繁栄させる一流の社長は、経営でもっとも大切なことは「倒産しないこと」と考えているのです

一流は、「妄想」の実現を目指す

会社に関係する人たちは、仕入先や外注先などの取引先をはじめ、株主、共同で研究開発する企業の人、仕事を紹介してくれる人、地域住民など、多岐にわたっています。会社をとり巻くすべての人たちを大切にしなければ、長く繁栄する会社にはなれません

一流は、「暗い未来もあり得る」と予測し、備えておく

一流は、30年後も見据えた経営計画書を作成している

繁栄している会社の経営者は、事業内容を説明するときの表現が単純明快です。例を挙げると、「うちは味噌ラーメン専門店です」といった表現です

特定の分野で高い専門性、独自性、強みをどんどん磨き上げていく必要があります。もちろん、必ずしも一つの事業に限定しなくてもかまいません。あるベンチャー企業は「当社の3コアテクノロジー」と題して、異なる技術に基づく3種類の事業を紹介しています

ある女性経営者は、美容院、エステサロン、ネイルサロン、ギャラリーカフェ、Web制作など、多くの店舗や事業を営んでいます。その根底にあるのは、「女性のスタッフによる、女性のお客様や経営者に対するサービス」というコンセプトです

一流の社長は、小さな自社だけの市場を確保することを意識

一流は、企業や事業を買収して新規事業を始める

お客様は「値段が安いから」ではなく「ここでしか買えないから」購入するのだと考え、自信をもってください

新規のお客様を増やすためには、本当に買ってほしいお客様はどんな人なのか、具体的なターゲットを想定したうえで経営する

一流は、「収益構造・資産負債状況・資金繰り」を注視している

一流は、3行以上と取引して「横から目線」で情報交換する

一流の社長は、子供の頃と同じように、純粋な気持ちで苦手なことを克服しようとします。本やセミナーだけではなく「当たって砕けろ」という強い意識をもって、実践の場で訓練するのです

一流は、自分でWebサイトの構築やシステムの構想ができる

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これから起業する人はもちろん、既に経営者として活躍中の方が読んでも勉強になると思います。

「妄想」といえるレベルの高いハードルを持つ…。確かにその通りですね。

競争戦略、マーケティング的な視点からも書かれており、思ったより実践的な内容でした。

ぜひ、読んでみてください。

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『社長の一流、二流、三流』上野光夫・著 明日香出版社

<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4756920330/

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◆目次◆

Chapter1 一流の「経営の基本姿勢」とは?
Chapter2 一流の「経営戦略」とは?
Chapter3 一流の「マネジメント」とは?
Chapter4 一流の「マーケティング」とは?
Chapter5 一流の「財務マネジメント」とは?
Chapter6 一流の「パーソナリティ」とは?
Chapter7 一流の「スキル・ノウハウ」とは?

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