2019年6月11日

『動線思考』原マサヒコ・著 vol.5291

【動線の「ムダ」をなくして生産性を上げる】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4396616902

本日ご紹介する一冊は、トヨタの「技能オリンピック」で最年少優勝を果たし、さらにカイゼンのアイデアを競う「アイデアツールコンテスト」でも2年連続全国大会出場を果たした原マサヒコさんが、トヨタの『動線思考』を紹介した一冊。

トヨタの現場にはいわゆる「ムダ取り」の技術がたくさんあるわけですが、本書はそのなかでも、「動線」に着目した、注目の内容です。

「なんでそっちに歩くんだ!」なんて言われたらちょっと窮屈な感じもしますが、現場のモノの配置を変えることで、自然に動線が変えられるなら、ぜひやってみたい。

本書では、どのように現場の動線のムダをチェックするか、何をどう配置すれば効率的なのか、原理原則と具体例を示しています。

先日ご紹介した、『アウトルック最速仕事術』でも、指の動線のムダを指摘した箇所がありましたが、本書も負けず劣らずマニアックな内容です。

※参考:『アウトルック最速仕事術』森新・著 ダイヤモンド社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478106770/

「定置・定品・定量」の「3定」はじめ、知っておくと便利なトヨタの知恵が詰まった一冊。

さっそく、ポイントをチェックして行きましょう。

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たとえば車の後ろに立っていて、車の前に置いてある工具箱に向かう際、「右から行くか左から行くか、どっちから行けば歩幅が短く済むのか」という話

トヨタには昔から「時間は動作の影だ」という言葉があり、日々の動きひとつひとつを意識する文化があるのです。それだけ、時間への意識が強いということです

働き方改革でまず見直すべきは、「動線」である

◆動作経済の原則
1.仕事をする時には両手を常に同じ業務に充てること
2.必要な基本動作の数を最小にすること
3.個々の動作の距離を最短にすること
4.動作を楽にすること

仕事の時間をストップウォッチで計る

夜に片づけをすることで、翌朝はスムーズに仕事をはじめることができます。朝は仕事をはじめる前に机の上を軽く掃除することで、気持ちよくスタートを切ることができるようになります

仕事に取り掛かる前にデッドラインを決める

コピー機やシュレッダーの位置で動線が変わり、職場が変わる

3定とは、「定置・定品・定量」のことで、「決められた置き場に決められた品を、決められた量だけ置く」ということ

トヨタでは、「仕事に必要なモノは、目をつぶってでも取れるようにしろ」と言われていました

人が少ない時間に行動するだけで、無駄な時間を余計に過ごさなくて済む

会議のムダをなくすために、まず開始時間を見直す

よく使う書類は利き手の近くに

自分が日々使っている書類や備品を10秒以内に見つけ出せるかどうか

「再起動」でパソコンの動きそのものを速くする

コツは「流れ」の設計です。1つ1つの動きはバラバラであっても、大きな動きの流れを設計しそれを繰り返しできるようにすることで、自然と行動が定着するようになるのではないか

ホーム画面のアイコンの基本は「よく使うアプリは片手で操作しやすい範囲に配置する」

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後半では、スマホのアプリの配置についても触れており、確かに動線を意識するだけでムダは相当防げる、と思った次第です。

ちなみに、本書を読んでからエリエスの職場を見回したら、なぜかコードのつながっていない電話器がずっと家具の天板の上に鎮座していて、みんな電話機以外の限られたスペースを頑張って使っていることが判明しました(苦笑)。

どんな職場にもムダがあり、生産性アップのチャンスは常にある。

ぜひ本書を読んで、自分自身の働き方や職場をチェックしてみてください。

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『動線思考』原マサヒコ・著 祥伝社

<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4396616902/

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◆目次◆

はじめに トヨタの現場で叩き込まれたのは「正しい動線」だった
第1章 さあ、ムダな動きを減らそう
第2章 職場の動線を極めよう
第3章 スケジュールの動線を極めよう
第4章 机の上の動線を極めよう
第5章 パソコンの動線を極めよう
第6章 頭の中の動線を極めよう
おわりに 動線を減らすための投資をしよう

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