2019年6月6日

『アマゾン銀行が誕生する日』田中道昭・著 vol.5288

【未来の「金融4.0」】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822289664

本日ご紹介する一冊は、ベストセラー『アマゾンが描く2022年の世界』『GAFA×BATH 米中メガテックの競争戦略』などの著書で知られる立教大学ビジネススクール教授、田中道昭さんによる注目の新刊。

『アマゾンが描く2022年の世界』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569837336/

『GAFA×BATH 米中メガテックの競争戦略』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532322650/

今回は、アリババ、テンセント、アマゾンをはじめとするテクノロジー企業と既存金融機関の戦いを徹底分析。

来るべき、「金融4.0」の覇者は誰か、著者なりの分析を披露しています。

著者のウリは丁寧な取材に基づく膨大な情報量とデータですが、今回の本でもそれが遺憾なく発揮されています。

これまでの金融機関と、次世代金融プレイヤーの本質的な違いとは何か、次世代金融プレイヤーの本当の強みは何なのか。

その本質を知れば、そのあまりに力の差に、既存金融機関の関係者は絶望的になってしまうかもしれませんね。(まあ、これまでサボっていたのだから仕方ないですが)

あまりに巨大なビジネスで、今まさに下剋上が起ころうとしている業界、それが金融です。

気になるフィンテックの動き、さっそく、チェックしていきましょう。

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「キャッシュレス1.0」をクレジットカードの時代、「キャッシュレス2.0」を電子マネーの時代とするならば、まさに今、隆盛を極めんとするモバイルペイメントの時代は「キャッシュレス3.0」にあたります。そして来たるべき「キャッシュレス4.0」とは、顔認証決済、音声決済、IoT決済の時代になるでしょう

キャッシュレス化には3つの重要な潮流があります。それは、キャッシュレス化、無人化・自動化、シェアリング化・サービス化です

◆次世代金融産業を巡る戦いの構図
1.テクノロジー企業vs.既存金融機関の戦い
2.顧客接点、カスタマーエクスペリエンス、顧客との継続的で良好な関係性を巡る戦い
3.すべての産業の秩序と領域を定義し直す戦い

次世代金融産業はどれだけ親密で頻度の高い顧客接点を持っているかがモノを言う(中略)この点において優位なポジションにあるといえるのは、日本最大のコミュニケーションアプリを展開するLINE

今どこに資金需要があるかというと、中小企業、零細企業、あるいは個人です。では銀行は、彼らに対して十分な金融仲介機能を果たしているのでしょうか。答えはノーです。銀行は、自らの3大機能であるはずの金融仲介を果たすことができていません。なぜなら、零細企業や個人の真の信用力を審査する能力が、担保主義をとる銀
行には不足しているからです

銀行は、法人取引において従来通りの担保主義でお金を貸そうとします。対する次世代金融プレイヤーは主には商流を見てお金を貸すことができます

◆エクスポネンシャル企業(指数関数的に成長する企業)の「6つのD」
・Digitized(デジタル化)
・Deceptive(潜行)
・Disruptive(破壊)
・Demonetize(非収益化)
・Dematerialize(非物質化)
・Democratize(大衆化)

アマゾンが融資に際して審査しているのは、事業計画や不動産担保ではありません。端的にいえば、アマゾンが抱える商流、物流、金流に蓄積された膨大なデータが判断材料です。過去の販売実績や決済データなどを基にして審査しているのです

ユエバオとあわせて注目したいサービスに、2017年6月にローンチされたサードパーティ金融機関向けのマーケットプレイス「財富号(Caifu Hao)」があります。アントフォーチュンのユーザーは財富号を通して、アントフィナンシャルの金融商品だけでなく、サードパーティが提供する保険や定期預金などの金融商品も購入することができます

(ゴールドマン・サックスの)マーカスは従来型の金融サービスに対する市民の不満の声に応えるものです。固定金利、手数料ゼロ、返済日を自由に設定できる。また全プロセスをオンラインで行える簡潔さから、「消費者にやさしい」「返済しやすい」と評判を集めました

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経営者が税理士をなかなか変えないように(だから税理士は士業のなかでも比較的安定した仕事だったりする)、消費者も決済方式に慣れたプラットフォームはなかなか変えないもの。

そういう意味で決済、さらに金融は次代の覇者の主戦場となるわけですが、この戦いの行方が、周囲にまで影響を及ぼすと考えられます。

中小企業経営者としては、これから次世代金融プレイヤーがどんなサービスを展開してくるのか、楽しみですね。

これからの金融・ビジネスがどうなるのか、その行方を知る上でも、ぜひ読んでおきたい一冊です。

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『アマゾン銀行が誕生する日』田中道昭・著 日経BP社

<Amazon.co.jpで購入する>
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◆目次◆

序章 2025年4月の近未来
第1部 「金融のあるべき姿」を問い直す戦い
第1章 戦いの構図
第2章 新しい当たり前
第3章 金融実務経験に基づく自戒と問題意識
第2部 金融ディスラプターの戦略
第4章 アマゾン銀行が誕生する日
第5章 中国を世界最先端のフィンテック大国に変えたアリババ、テンセント
第6章 日本の金融ディスラプター
第3部 既存金融機関の反撃
第7章 ゴールドマン・サックスとJPモルガンの決断
第8章 邦銀のデジタルトランスフォーメーション
第9章 「世界一のデジタルバンク」DBS銀行
最終章 「金融4.0」は日本から生み出される

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