2019年3月15日

『米国つみたて投資』太田創・著 vol.5236

【堅く増やす!ほったらかし米国つみたて投資のすすめ】
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1年間ニューヨークに住み、その後世界中の都市を訪問して、気づいたことがあります。

それは、やはりアメリカは強い、ということ。

というのは、アメリカは今や世界にビジネスを広げ、投資をしている国であり、それゆえにあらゆる成長パターンを持っているからです。

世界がバラバラだった昔であれば、アメリカもいつダメになるかわからないからいろんなところに分散投資、という話だったと思いますが、今はアメリカ自体がリスクヘッジしたポートフォリオのような状態になっており、今後、「結局、アメリカに投資しておけばいいんじゃないか」という認識が広がりそうな気がしています。

10年前、リーマンショックの時に、ニューヨーク、ハワイに不動産を買っておけば今はすごいことになっていますし、ニューヨーク・ダウはいまだに過去最高値を更新している。

こんな魅力的なアメリカに投資するとしたら、どうすればいいか。どうやったら賢いか。

本日ご紹介する『米国つみたて投資』は、その疑問に明快な答えを示してくれる一冊です。

著者は、三菱銀行、シティグループ、UBS、フィデリティを経て、現在CGIアセット・マネジメントのエグゼクティブ・マネジャーを務めている太田創さんです。

さっそく、ポイントをチェックしてみましょう。

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「米国つみたて投資」とは、世界最大の経済大国である米国の株式指数(ニューヨーク・ダウとS&P500)に、10~40年間という長期間つみたて投資をすることで、将来の備えとしての約3000万円のプライベート年金をつくる方法

◆「米国つみたて投資」をお勧めする理由
1.手間いらず(1つのファンドに投資するだけなのでストレスフリー。チェックも不要。積立購入の自動化も可能)
2.景気に左右されない(経済が強い米国にだけ投資するので、株価も見なくてOK)
3.ローコスト(販売手数料はゼロ。ランニングコストも限りなくゼロに近い水準)

米国株の代表的な指数であるS&P500指数は、リーマンショック後10年間で4倍近くになっています

預貯金の適用利率が今の年0.01%のまま続くと仮定すると、30年間で3000万円をつくるためには、毎月8万3000円という決して少なくない金額を積立に振り向けなければなりません

年平均5%で運用できれば、月々の積立額は3万6000円になります。こうなると「3000万円」という目標額が、かなり現実味を帯びてきたでしょう。30年という時間があれば、3000万円は十分、射程距離なのです

積立は取引口座からの自動引き落としが可能な商品にすること

積立投資においても投資対象の投資信託は運用途中で分配金(投資信託の収益から投資家に還元されるお金)を支払わない投資信託を選択すべきです

米国株式を積み立てていくうえで、iDeCoや企業型確定拠出年金を真っ先にお勧めするのは、両方とも半強制的に月々の掛金が積み上がっていくからです

世界の株式市場の5割超が米国

欧州、中国、日本株に分散投資する意味はない

バフェットも御年88歳(2018年現在)。そろそろ真剣に、自分が亡くなった後の遺族のことを考える時期になりました。バフェットは自分が亡くなった後の個人資産を引き継いだ人(基本的に妻)に対して、次のように言ったそうです。「資産の90%はS&P500指数。残り10%は政府短期国債に投資せよ」

ETFより投資信託のほうが積み立てやすい

◆米国つみたて鉄則
1.「無分配型」を選ぶ
2.基準価額をあえてチェックしない
3.コストが安いネット証券を使う
4.非課税制度(iDeCoとNISA)をフル活用する
5.購入時手数料や信託報酬率が安いものを選ぶ
6.純資産総額の水準、資金流出入に注意する
7.ダウかS&P500か、1つに絞る
8.3000万円つみたてた「後」を計画する

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出版の生徒さんで、年収400万円のサラリーマンながら、現在3700万円の貯金を持っている方がいますが、結局彼も、「毎月天引きでコツコツ積み立てて運用するのが一番」と言っていました。

本書『米国つみたて投資』は、そのコツコツ積み立てをグローバルにした内容。

ズバリおすすめ商品が具体名で書かれており、毎月コツコツ積み立てて老後資金を作りたい、まとまったお金を5%ぐらいの利回りで運用したい、という方におすすめの内容です。

唯一の弱点は、30年という長期間を見込んでいることですが、今の時代、60歳から積み立てても90歳までに30年間あるので、「今からでも遅くない」の精神があれば、本書が提案する資産形成法は十分可能でしょう。

ぜひ、チェックしてみてください。

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『米国つみたて投資』太田創・著 かんき出版

<Amazon.co.jpで購入する>
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◆目次◆

第1章 なぜ資産運用が必要なのか?
第2章 なぜ米国なのか?
第3章 こうやって積み立てよう
第4章 「米国つみたて投資」8つの鉄則
第5章 買うべき投資信託はこの4本
第6章 iDeCoとNISAの活用法

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