2019年1月8日

『1秒でつかむ』高橋弘樹・著 vol.5190

【圧倒的差別化を生む仕掛け人の方程式】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478106479

大企業にいても決して安定しない時代、みんなが個人事業主化する時代に豊かになるには、「いかに長く勤めるか」ではなく「いかに人生でヒットを飛ばすか」がカギになるかもしれません。

本日ご紹介する一冊は、そんな時代の「ヒット」のヒントを、テレビ東京の辣腕ディレクターがシェアしてくれる一冊。

著者の高橋弘樹さんは、低予算にもかかわらず、圧倒的人気を誇る『家、ついて行ってイイですか?』の仕掛け人です。

本書では、そんな著者の頭の中、心構え、面白いを作るテクニックが紹介されており、お腹いっぱいになるまでノウハウを学ぶことができます。

・新ジャンル開発力
・バランス崩壊力
・東野圭吾力
・不幸LOVE力
・3つの「崩す力」

など、興味深い見出しが並んでいますが、中身もプロレベルで見て面白い。

読者がクリエイティブな仕事に携わっている方なら、かぶりついて読みたくなるはずです。

さっそくポイントをチェックして行きましょう。

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1秒単位で消費者の気分と向き合う時代が来た

すでにあるジャンルの、もっとも根本的な価値の否定を企てる

「じっくり長期にわたって取材したものが良質なドキュメンタリーである」という、根本的な価値観の真逆を狙った

「じゃあ『超短期密着ドキュメンタリー』というジャンルを作っちゃえ」

予算書をじっくり眺め、予算のバランスを崩壊させる

こうすると、どうでしょう。ロケ予算が800万円になりました。やった。他局様の予算配分ではロケ予算は600万円。ロケのクオリティだけなら、こちらのほうが上を目指せる。ここで勝負すればいい

『家、ついて行ってイイですか?』では、すでに述べた通りノーナレーション・ほぼノーミュージック。スタジオも一切使いません。では、何に一番お金をかけているかというと、ロケ。中でも人件費です。この番組は、およそ70人のディレクターの皆さんが作ってくれています。日本で、おそらく世界を見渡しても、70人のディレクターを抱えている番組は1つもありません(中略)深夜に、その場でついて行くだけでなく撮影してテレビで放送させてくださいなんて無茶なお願いに答えてくれる人を見つけられるのはすべて、雨の日も風の日も灼熱の熱帯夜も頑張ってロケをしてくれる70名のディレクターの皆さんのおかげなのです

「立ち位置」1つ、「目線の動き」1つ、すべてに外からは直接的には可視化されていない、「心」のヒントが隠されています。これをつぶさに観察する作業が、ストーリー作りの出発点なのです

「市井の人」や、「何気ない街」などの魅力を描こうとする場合、「具体性」という武器なくしては、魅力的なストーリーを描くことは絶対にできません。これは、まだ誰も知らない商品をプレゼンしたりPRする際にも、同じことが言えるはずです

◆「見たい」と思わせる「設定」
「シチュエーションの設定」
「キャラクターの設定」
「行動パターンの設定」
「手段の設定」

一番極端な手法ですが、ストーリーの描き方で、「興味をもたせる」という意味で効果的なものに、「クライマックスから描く」という手法があります

「東野圭吾の作品は、犯人にもしっかり動機がある。だから、犯人でさえ愛せるんです」(東野圭吾が好きなディレクターの言葉)

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著者がやっているのは、小手先の制作テクニックではなく、戦略・マーケティングの基本。

戦略思考のある方がコンテンツを創るとこういうことになるのか!と目からウロコの内容でした。

予算がなくても、一番になることはできる。

本書には、そのための戦略が書かれています。

ぜひ、読んでみてください。

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『1秒でつかむ』高橋弘樹・著 ダイヤモンド社

<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478106479/

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◆目次◆

はじめに 「1秒たりとも、飽きないで観てもらいたい」
第1章 1秒でつかむ「見たことないおもしろさ」の作り方 第2章 コンテンツの魅力を引き出すためになぜ「ストーリー」が必要なのか?
第3章 より多くの人にストーリーの魅力を伝える技術
第4章 1秒も離さず 常に興味を持ってもらう12の技術
ラスト編 1秒も「ムダではなかった」と思ってもらうために
第5章 人の心に突き刺さる「深さ」の作り方
おわりに

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