2018年4月23日

『頭のいい説明は型で決まる』犬塚壮志・著 vol.5016

【教師は必読。】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569837980

本日ご紹介する一冊は、元・駿台予備学校のカリスマ講師で、化学の季節講習会集客数日本一を取ったこともある(3000人動員)、犬塚壮志さんの説明のノウハウ書。

著者はこれまでに500人以上を東大に合格させ、2000人以上を医学部合格に導いたそうですが、本書には、その説明の「型」である、「IKPOLET(イクポレット)法」が紹介されています。

IKPOLETとは、以下の略語の頭文字のことです。

Interest(興味をひく)
Knowledge(聴き手のもっている知識や認識にアクセスする)
Purpose(目的を示す)
Outline(大枠を見せる)
Link(つなげる)
Embodiment,Example,Evidence(具体化、事例、証拠を示す)
Transfer(転移)どこで使えるか

7つすべてを覚えるのは大変ですが、ひとつひとつの技術を見て行くと、なるほど、デキる講師は確かにこうやって聴き手のモチベーションを高めているなと感銘を受けました。

極めて真面目な本で、遊びなどはありませんが、理論、具体例がきちんと書き込まれており、「使える」本だと思います。

人に教える人は、必読の内容ではないでしょうか。

さっそく、ポイントを見て行きましょう。

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あなたと相手の知識や理解度にギャップがあるとき、その格差に対して相手は“難しい”と感じる

◆あなたの説明がわかってもらえない「3つの原因」
1.相手が聴く態勢をとれていない
2.そもそも自分自身が内容をよく理解していない
3.相手のもっている知識を自分が把握していない

“わかる”とは「自分がすでにもっている知識(情報)と、新しい知識(情報)とがつながること」

「相手がどの程度の知識を持っているのか?」「相手はどんな認識をしているのか?」──こういったことを、説明する側があらかじめ知っておかなければならない

興味をひく(Interest)
「これがわかると、こんなことができるようになるんです!」
「これをわかっていないと、こんな悲惨な結果になってしまうかもしれません」

◆相手を食いつかせる2つの方法
1.一文に“矛盾”を入れる
2.“秘密”を醸し出す

「これまで誰にも話したことがないネタなんだけど……」

◆相手の理解度を知る「7つの質問」
1.これ、どういうものか教えてもらえないかな? ~現状把握~
2.そもそも、これって何? ~定義や分類・フレームの明確化~
3.これはどこに位置する? ~全体と部分の把握~
4.なんでそうなったの? その結果、どうなるの? ~因果関係の理解~
5.なんのためにやるの? どうやってやったの? ~目的と手段の判断~
6.つまりは? 具体的には? ~抽象化と具体化~
7.証拠は? しくみは? ~エビデンスとメカニズムの提示~

「“理解の階段”の段数が、到達ラインまであといくつか?」ということを見積もる

あるルールや法則で、相手のもっている知識と新しい知識を一括りにすることができるのなら、それは積極的にあなたの説明に取り入れるべきだ

価値の高い「遠い転移」は、他のフィールドから引っ張ってくるか、他のフィールドに移していくかという作業が必要

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情報の発信者と受け手に知識や理解度のギャップがある時、というのは、書籍では必ず起こること。

言ってしまえば、ベストセラーノウハウ書とそれ以外の違いとは、そのギャップを埋められたか否か、と言ってもいいでしょう。

人気講師が書いた本なので、書かれているのは話でギャップを埋める方法ですが、このノウハウは書籍でも使えると思いました。

ぜひ読んでみてください。

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『頭のいい説明は型で決まる』犬塚壮志・著 PHP研究所

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◆目次◆

第1講 なぜ、あなたの説明はわかってもらえないのか?
第2講 わかってもらう説明の黄金フォーマット「I」
第3講 わかってもらう説明の黄金フォーマット「K」
第4講 わかってもらう説明の黄金フォーマット「P」
第5講 わかってもらう説明の黄金フォーマット「O」
第6講 わかってもらう説明の黄金フォーマット「L」
第7講 わかってもらう説明の黄金フォーマット「E」
第8講 わかってもらう説明の黄金フォーマット「T」
第9講 できる人だけがもっている3つの極意

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