2018年2月16日

『誰もが嘘をついている』セス・スティーヴンズ=ダヴィドウィッツ・著 酒井泰介・訳 vol.4958

【「恥ずかしい」検索履歴からわかることとは?】
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アマゾン在籍時代、膨大な購買データを眺めて、分析するのが大好きでした。

人は平気で嘘をつきますが、行動は嘘をつかない。なかでも購買データは、お金が絡むため、かなり信憑性がある。購買データから見える、人間の真実に好奇心を刺激されたのです。

本日ご紹介する一冊は、そんな土井がぜひオススメしたいビッグデータ本。

米大統領選をことごとく当てたネイト・シルバーの『シグナル&ノイズ』や、アマゾンの元チーフ・サイエンティスト、アンドレアス・ワイガンドの『アマゾノミクス』が好きな人は、間違いなく好きな内容だと思います。

※参考:『シグナル&ノイズ』
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※参考:『アマゾノミクス』
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本書の著者、セス・スティーヴンズ=ダヴィドウィッツは、グーグルのデータサイエンティスト、ペンシルバニア大学ウォートン校の客員講師などを経て、現在はニューヨーク・タイムズの寄稿者。

人種差別やヘイト、鬱病、児童虐待、性的嗜好などさまざまな社会現象の真相を探っている、データ分析の専門家です。

本書には、著者が突き止めた衝撃の真実、グーグルのデータを使ってわかるわれわれの行動を、まとめたもの。

われわれの考え方や行動に影響を与える、痛快な真実が書かれており、これは読まないわけにはいきません。

さっそく、ポイントをチェックしてみましょう。

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女性が緩衝的表現、たとえば「たぶん(probably)」とか「だと思う(I guess)」などと言うときには、おそらく相手に興味がない(中略)自分語りをする女性は、あなたに関心がある

フェイスブックのデータでは低俗なタブロイド誌は圧倒的に不利になっており、人々の本当の好みを知るうえで最悪のデータとなっている

データをもとに、共同研究者は政治的意見形成の重要期の中でもある最も重要な年齢を割り出すことができた。18歳である

金持ちが大勢暮らしている街では、貧乏人の寿命も延びるのだ

ニューヨーク出身者はジャーナリストとして成功する率が最も高く、同じくボストンの場合は科学者、ロサンゼルスの場合は著名俳優になる率が最も高い

成功に影響しない変数とは何か? 私が発見した中で少なからず意外だったのは、州がどれだけ教育費を支出しているかだった

教育費をたっぷりかけることは、子供たちを中の上の社会階層に至らせるためには効果的である。だが著名な作家、芸術家、実業人にすることにはほとんど役に立たない

チェッティらの研究によると、ニューヨーク市は子供に中の上の暮らしを送れるようにしてやりたいと願う親にとって、特に良い子育ての場所ではない。だが私の研究によると、著名人にしてやりたいなら格好の場所である

人気のある暴力映画が公開された週末には、実際には犯罪は減っていた

人を確実に暴力的な方向へと推し進めるものは、暴力的な人間とつるみ、飲むこと

ではこの2つの集団──いずれもハーバードに合格したが片やペンシルバニア州立大学を選んだ──のその後はどうなったか? 結論はスタイベサント高校の研究に負けず劣らず衝撃的だった。両集団とも、職業生活を通じておおむね同じ収入を得ていたのだ

研究の結果、借金希望者の言葉遣いが、返済率の強力な予言因子になることがわかった

◆借金の返済率が低かった人々がよく使っていた言葉
神(God) お返しします(will pay) 病院(hospital)
約束します(promise) ありがとうございます(thank you)

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困ったことは、本書が広まると商売あがったりな塾経営者やセミナー講師、借金を踏み倒す詐欺師、手法がバレたらまずいホストやナンパ師などが、本書の普及を妨げるだろうということ。

ビジネスで成功したい方、お金持ちになりたい方、子どもに豊かな未来を与えてあげたい親には、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

この後、アマゾンで「星一つ」がいくつ付こうとも(笑)、ぜひ買って読んでみてください。

真実はいつも「不都合」なものなのです。

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『誰もが嘘をついている』セス・スティーヴンズ=ダヴィドウィッツ・著
酒井泰介・訳 光文社

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◆目次◆

序文──スティーブン・ピンカー
序章 いま起きているビッグデータ革命
パートI 大きなデータ、小さなデータ
第1章 直感は裏切り者
パートII ビッグデータの威力
第2章 夢判断は正しいか?
第3章 何がデータになるのか──驚くべき新データの世界
第4章 秘められた検索
第5章 絞り込みという強力な手法
第6章 世界中が実験室
パートIII ビッグデータ、取扱注意
第7章 できること、できないこと
第8章 やってはいけないこと
結びに ここまで読み通して来た人は何人?

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