2017年11月16日

『最高の話し方』矢野香・著 vol.4866

【これで話が上手くなる!】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4046019425

本日ご紹介する一冊は、ベストセラー『その話し方では軽すぎます!』の著者、矢野香さんによる注目の新刊。

※参考:『その話し方では軽すぎます!』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4799101161/

著者はNHKで報道番組のキャスターを17年務め、現在は長崎大学准教授、スピーチコンサルタントを兼任。「他者からの評価を高めるスピーチ」研究で博士号を取得し、その知見を有名政治家、経営者に伝える、話し方指導のプロフェッショナルです。

今回の新刊では、上手い話し手が必ず使っている「間の技術」を、名スピーチの分析を交えながら紹介しています。

「間の技術なんて、書籍で伝えられるの?」と疑問に思う方もいらっしゃると思いますが、そこはしっかり間の秒数とかわいい犬のアイコン(犬一匹が一秒)を入れ、望ましい間の秒数を教えてくれます。

なるほど、こうやってホセ・ムヒカ元大統領や孫正義社長、マーク・ザッカーバーグのスピーチを分析すると、名スピーチはコンテンツではなく、「間」によってもたらされているのだということがよくわかります。

いずれも文字だけ見たら、何のことはないスピーチですが、望ましい秒数の間を入れて黙読すると、確かに感動させられるのです。

漫画家・赤塚不二夫さんの葬儀の際、タモリさんが読んだ弔辞は、わかっていても泣かされました。

本書のなかでもドル箱は、著者が他人のスピーチ指導をする時にチェックするという「10項目」。(詳細は本文で確認してください)

◆著者がチェックする10項目
1.話の内容
2.PREP法になっているか
3.「一文一息」で話せているか
4.声の大きさや滑舌
5.話すスピード
6.「間」の取り方
7.話の内容にふさわしい表情か
8.目線の配り方
9.身振り手振り
10.姿勢

PREP法、一文一息、目線の配り方など、人前でスピーチする人なら、読んでおいて損はないと思います。

さっそく、ポイントをチェックしてみましょう。

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ほんのひと手間を加えるだけで、それまでいまひとつだったものが「最高」のものに劇的に変わることがあります。仕事で資料作成や段取りをするとき。料理の仕上げでもステーキにかける塩のひとふり、パスタにかけるチーズのひとけずりといった、ひと手間が効いてきます。そして「話し方」にも、このひと手間にあたるスキルが存在するのです

「余白の時間=間」は、無言で何かを伝える時間

「聞き手に反応してもらいたい場面」で、積極的に自分から「間」をつくる

キーワードの前に「間」を入れることで文字を変更したときと同じような強調効果が出ます。さらに、話の中でキーワードを何度も繰り返し、繰り返すたびに「間」を入れるとより強く心に残ります

数字の前後に「間」を入れる

◆デール・カーネギーが教えた、人前で話す時の4つのポイント
1.重要な言葉を強調し、重要ではない言葉を軽く言う
2.声の調子を変える
3.話す速度を変える
4.重要なポイントの前後に「間」を置く

タモリ氏は、全体的にゆっくりとしたペースで時折涙声で読んでいます。歌舞伎「勧進帳」のごとく何も書かれていない用紙を即興で読み上げていたのです。これが自分を芸能界に送り出してくれた育ての親である赤塚氏に対する、最後で最高のギャグだったわけですね。ほとんどが目線を用紙に落として話していますが、最後を締めくくる言葉「私もあなたの数多くの作品の一つです」の部分で、遺影に向けて目線を上げています。この言葉が、実は一番伝えたかった言葉なのではないでしょうか

ザッカーバーグ氏が締めくくりの直前にしたのは、不法移民の少年の話。本人も大学に進学できないかもしれないのに、周りにいる友人を助けたいという目的意識を持っている少年のエピソードを紹介します。「もし未来に何が起きるのかわからない高校生が、世界を前に進めようとしているのなら、僕らも世界で役割を果たすべきではないでしょうか?」と涙ぐみながら訴えかけ、このあとたっぷり10秒以上の、このスピーチで最長の「間」をとりました。その間拍手がなり
やみません

一番大事なことは3番目に伝える

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正直、話し方にはそれなりに自信があり、もう学ぶことなどないと思っていましたが、これは本当に勉強になります。

自分が思っているよりも、ずっと長く間を取った方が効果的であるということや、「あー」「えー」がなくなる「一文一息」の技術など、いろいろ試してみようと思いました。

人前で話す仕事の方には、絶対オススメの内容です。

ぜひ読んでみてください。

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『最高の話し方』矢野香・著 KADOKAWA

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◆目次◆

1章 なぜ、あなたの話し方は相手に伝わらないのか?
2章 「間」をとれば「最高の話し方」になる
3章 世界の一流に学ぶ「最高の話し方」
4章 人を動かせる「間」のコントロール法
5章 「間」をつくりだす最高の伝え方、「一文一息」
6章 「間」を使った最高の聴き方
7章 「最高の話し方」のためのメンタル

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