2017年11月18日

『バカ売れ法則大全』行列研究所・著 vol.4868

【大ヒット商品、54例徹底紹介】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4797394544

本日ご紹介する一冊は、「ITmediaビジネスオンライン」の中にある、「行列研究所」のメンバーが、最近売れまくりのヒット商品54例を研究・分析した事例集。

商品開発のヒント、マーケティングのヒントが満載の一冊です。

出版業界ではすっかりおなじみの『うんこ漢字ドリル』や、「ナイトワンダーアクアリウム」で大成功した新江ノ島水族館、引き算の発想で大ヒットとなったアイリスオーヤマの掃除機「超軽量スティッククリーナー」、パッケージが立つように工夫し、工場フル稼働でも発売休止になった大ヒット商品、湖池屋「プライドポテト」、13万円もする大人のオシャレランドセル「リューク」、煙が出にくい焼肉専用コンロ「やきまる」など、成功事例がたっぷり載っていて、じつに良い刺激になります。

本書が優れているのは、最近のヒット商品だけではなく、ずっと売れ続けているロングセラー商品にも言及している点。

改良して4倍売れた「チョコモナカジャンボ」や「崎陽軒のシウマイ」、累計13億冊売れた「ジャポニカ学習帳」、発売から半世紀経っても愛され続ける「チョコボール」など、さまざまなロングセラー商品と、売れる理由が紹介されています。

男の「破壊したい」欲求に応え、大ブレイクとなった新しい「ベイブレード」(現代版のベーゴマ。ぶつかると安全に壊れるようになっている)をはじめ、消費者の心のツボを上手に解説しており、実践的な内容だと思います。

気になる内容、さっそくチェックしてみましょう。

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学習参考書を発刊している出版社が一社として「うんこ」のドリルをつくることができず、初参入の文響社がつくることができたのはなぜか。「当社は2010年創業で、若く自由な会社のため、他社と比べて“タブー”が少ないからではないでしょうか」(谷さん)

えのすいでは常時、さまざまな企画展などを行っているが、「お客さまが増えた最大の理由は『ナイトアクアリウム』(現在は『ナイトワンダーアクアリウム』)」(広報室長の高井純一さん)だという。2014年7月にプロジェクションマッピングを使った夜のイベントを開始。夜の来場者だけで2014年は33万人、2015年は40万人が来場した

◆アイリスオーヤマ
当社はプラスチックの成型を得意としているので、自分たちで形を設計して、その中に機械を入れれば『家電』をつくることができるのではないか、と考えました。つまり、『家電は自社の得意分野ではないか』というところからスタートしました」(広報担当の村越滋幸さん)

湖池屋プライドポテトをパッと見て、気になるのはやはり“立っている”こと(中略)「デザインや袋の形状で何か新しくできることはないかといった話になり、いろいろなアイデアが出てきました。そうした中で、コーヒー豆が入っている袋に注目しました」(ブランドマネジャーの野田幸宏さん)

「エルメスのデザイナーや、セリーヌのマネージャーなどは自分で使うために買ってくれました。彼らはほとんど自転車通勤なので、背負うこともできるし、肩にかけてもおしゃれなランドセルが相当気に入ったようです」(大峽さん)

アシックス商事が2009年に発売した「テクシーリュクス」「革靴なのにスニーカーのような履き心地」

岩谷産業が2016年8月に発売した焼肉専用コンロ「やきまる」が、発売から1年経っても品薄状態が続いている。発売前の販売目標は年間3万台だったが、1年間で15万台を突破。目標の5倍も出荷している(中略)やきまるの最大の特徴は“煙がほとんど出ない”こと

◆タカラトミーの玩具「ベイブレード」
悩み抜いた末、たどり着いた答えは「相手のコマを破壊する」というコンセプトだ(中略)もちろん本当に“壊れる”わけではない。取り外し可能な部品と本体の接続部分に繰り返し衝撃を与えることで、コマが分解されるという仕組みだ。「相手の武器を破壊するって男子のロマンですよね。どんな勝ち方よりも爽快感があると思うんです。漫画やゲームの世界ではよくある話ですが、それをリアルの遊びでも実現できれば売れるかもしれないと考えました」(堀川さん)

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時折マニアックな事例も載っていて、本当に目からウロコでした。

「YAMAHAのプール」が、国内シェアNo.1だなんて、関係者じゃないとなかなか知り得ないですよね…。
(ボートを作っているから、FRP素材に優位性がある。今のプールはコンクリートよりもFRPが主流。2015年の市場シェアはFRPが54%で、そのうちYAMAHAが92%のシェアと圧倒的)

これは経営者、マーケター、商品開発の担当者に、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

あえて難点を挙げると、紹介されている商品がすべて欲しくなってしまうこと(笑)。

これはいろんな意味で、衝動買いを誘う一冊ですね。

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『バカ売れ法則大全』行列研究所・著 SBクリエイティブ

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◆目次◆

第1章 最新バカ売れ事情から「いまどきの売れる法則」が見えてくる!
第2章 お客限定のヒット商品は「未来のバカ売れ」のヒントになる!
第3章 今も昔も変わらず売れる「ロングセラー」の秘密を解明せよ!
第4章 商品の勝ち組と負け組「勝敗を分けるポイント」はどこにあるのか?
第5章 準備万端で販売開始「次に来るバカ売れ」はここが違う!

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