2017年10月1日

『活きる力』稲盛和夫・著 鹿児島大学稲盛アカデミー・編 vol.4820

【稲盛和夫、母校・鹿児島大学の講演録】
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本日ご紹介する一冊は、京セラの創業者であり、JALの再生も成功させた稀代の経営者、稲盛和夫氏が、母校・鹿児島大学で行った講演の記録。

おなじみの稲盛哲学に加え、学生の質問に対する答え、経営の秘訣、そして生き方までが説かれています。

これまでに氏の書いた啓発書はたくさん読んできましたが、母校での講演だからか、氏の若い頃が垣間見える、興味深い内容でした。

人生では必ずといっていいほど辛いことが起こり、やり直さなければいけない場面が訪れる。

そんな時に紐解けば、きっと良いヒントが見つかる一冊です。

・「思う」ことは、「考える」ことよりも大事
・利他的な心を発揮するには「手入れ」が欠かせない
・最後に残るのは世のため人のために尽くしたもの
・心は「苦労」という磨き粉を使わなくては磨けない

素晴らしい名言のラッシュで、個人的にも、もやもやしていた気持ちがスカッと晴れました。

さっそく、ポイントをかいつまんでご紹介しましょう。

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現代の日本社会が、そんな闘争心、ハングリー精神を育むのが難しい状況にあるというなら、未来を担う若者は、自ら進んでハングリー精神を発揮せざるを得ない環境を求めていかなければなりません

人の心に浮かんださまざまな「思いつき」が、発見・発明の原動力となり、今日の科学技術を生み出してきた

「思う」ということがなければ、人間は何も行動を起こすことができません

強烈な願望を抱き「思い」を「信念」に変え、「胆識」にまで高める

それが「世のため人のために尽くす」といった純粋で美しい「思い」であればあるほど、自分の能力を超えて、周囲の人々、さらには自然の力をも得て、実現していく可能性はさらに高まっていきます

結局、人生で成功された方を見ますと、これは一般の大工さんにしても、エンジニアにしても何にしても、本当に脇目もふらないで、一生懸命やった人がどの社会でもみな成功しています

人は頭が優秀でなければなりませんが、同時に人間性も立派でなければならない

判断をするときに、損か得かという判断基準で物事を考えるのではなくて、善悪で考える。たとえば、これは人類にとって、みんなにとってよいことなのか、悪いことなのかという善悪で判断をするのです

「ありがとうございます」「もったいのうございます」「かたじけのうございます」という言葉は大きな力を持っています。これらの言葉は自分自身の気持ちをよりすばらしい境地へと導いてくれると同時に、それを聞いた方々も含めて、周囲の人々をも優しいよい気持ちにする万能薬です

「大善は非情に似たり」と言われるように、大善というのは短期的に見ると非情をなしているように見えます

人生で何が一番の勲章かというと、一生をかけてつくり上げた美しい心なのです。では、心が美しくなる最大の方法とは何か。それは、私は「一生懸命働く」ことだと思います

心は、「苦労」という磨き粉を使わなくては磨けません。だから人生ではいろんな苦労をさせられる。人生波瀾万丈、災難にあったり、病気になったり、悪いことも起こります。しかし、それはすべて、心を磨くために自然が我々に与えた試練なのです

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鹿児島大学稲盛アカデミーの宣伝が余計でしたが、なかなか読み応えのある講演録でした。

成長を前提としない時代に、何を目標に生きればいいのか、明確な指針が得られる内容です。

ぜひ読んでみてください。

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『活きる力』稲盛和夫・著 鹿児島大学稲盛アカデミー・編 プレジデント社

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◆目次◆

第1章 今、君たちに伝えたいこと
第2章 人は何のために生きるのか
第3章 自分の道を切り拓くための六つの精進
第4章 仕事には哲学を持ち込め
第5章 20代で知っておくべき経営の12ヵ条
第6章 稲盛フィロソフィの力(鹿児島大学稲盛アカデミーより)

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