2017年8月24日

『念のため思考』徳升笑子・著 vol.4782

【オノ・ヨーコから信頼されるNY一流アーティストの仕事とは?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4838729480

本日ご紹介する一冊は、オノ・ヨーコ、トランプ・ホテル、ブロードウェイなど、ニューヨークで超一流を顧客に持つ著者の、超一流に信頼されるための思考法。

土井は、ニューヨークに住んでいた関係で、個人的にもこの著者・徳升笑子さんを存じ上げておりますが、ニューヨークで実際、彼女の奇跡を何度も目撃しました。

予約不可能なニューヨークの名門ジャズ・クラブを団体予約したり、世界的ジャズドラマーであるジェフ・ワッツとノーアポで控室で話したり、ハーバード・クラブ・ニューヨークのスタッフと難しい交渉を成功させたり…。とにかくすごい方です。

本書には、この著者の、超一流をクライアントにするための仕事術、プロジェクトを成功させる秘訣、そして超一流と心の交流をするための心構えが書かれています。

・一流の人の「素」にフォーカスする
・相手のプライバシーには決して踏み込まない
・相手のスケジュールの「前」も「後」も知っておく
・相手のコンテクストに心を配る

なるほど、一流の人と深い関係になるにはこう考えるのか、と目からウロコが落ちる思いでした。

人間は、とかく打算や下心、効率主義に心を支配されがちですが、本書で言う『念のため思考』は、それとは真逆の「心から相手を思う」思考です。

ニューヨークの著名人とのエピソードが秀逸で、むしろそこを読んで欲しいのですが、表現の制約上、後のお楽しみにしておいて、ここでは要点だけをチェックしましょう。

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私がニューヨークの一流から信用を得ている最大の要因は「プライバシーを決して口外しない、明かさない」という点

ごく簡単な仕事でも、それに沿ったプランAに合わせてプランBはマスト。最低でもプランCまでは“念のため”に用意しておきます

そのプロジェクトが一流であればあるほど、大勢の人とチームで動くことが不可欠。それなのに、「このスタッフは力不足かもしれない」「この人はパートナーとして信頼できないかもしれない」と思っていたら、ゴールは遠ざかってしまいます。かかわるすべての人を信頼することが、成功の絶対条件と言えます

誰の責任かを追及するより、目の前の問題解決に集中

「フローラルデザイナーになりたい」といってホテルやレストランを見て回る学生はたくさんいましたが、朝の5時にオープンする市場に通うのは私くらいのものでした

私の目的は、市場を知ること。それには市場の人も知らねばなりません。言葉もたいしてできなかったので、まずは、「サンキュー」から始めました。狭い通路を歩いていて、前にある段ボールを市場の人が動かしたら「サンキュー」。相手は私のためではなく、作業の都合で移動させただけなのですが、「おかげで通りやすくなりました」という気持ちを込めて、笑顔で「ありがとう」と伝えます

一流の人は肩書きや地位、あるいは業績やお金というたくさんの“服”をまとっています。多くの人はその“服”の部分に注目し、そこに対してアプローチするのでしょう。しかしそれでは、相手の外側にいる、その他大勢で終わり、信頼関係を築くことはできません。しかし、念のため思考を巡らせて相手の“素”にフォーカスすれば、どんなに手の届かないような相手とも人間対人間の会話が始まり、人としての付き合いができるのです

シンク(流し台)には水滴は残さない、ゴミは残さない。家具を傷つけない。トイレは使わない、余計な会話はしない。プライバシーは一切明かさない。個人宅でのお仕事では特に気を遣います。アレンジメントを活けている最中はもちろん、その場を後にするまで、余計なものは決して見ないように注意しながら、淡々と作業をします。一定の距離感を保つこと。それがお客様すべてに対して私がしていることです。セレブリティであればなおさら、相手のプライバシーには決して踏み込まないと決めています

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本書を読むことで、超一流と付き合うために自分に欠けているものがよくわかりました。

すごいと思ったのは、自分の本を売る段になっても、有名人のプライバシーを決して公開しない、と宣言していること。

この方は、やはり本物だなと思いました。

後でゆっくり再読して、きっちり身に付けたいと思います。これはおすすめの一冊です。

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『念のため思考』徳升笑子・著 マガジンハウス

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◆目次◆

Prologue 一流の世界の扉は「実力」だけでは開かない
Chapter1 念のため思考とは何か?
Chapter2 念のため思考があれば、世界の一流に出会える
Chapter3 念のため思考が身につく10の習慣
Chapter4 一流の念のため思考でコミュニケーションする
Chapter5 最高の結果のために「念のため」を捨てる
Epilogue 101回目に受け取るもの

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