2017年5月22日

『投資の鉄人』馬渕治好、岡本和久、竹川美奈子、大江英樹・著 vol.4688

【4人の専門家からの投資アドバイス】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532263395

本日ご紹介する一冊は、4人の専門家が、個人投資家が成功するためのヒントを示した、注目の新書。

本書のまえがきによると、個人投資家を惑わす要因は4つあります。
「情報」「相場」「商品」「自分」です。

本書では、この4つのトピックを、4人がそれぞれ分担し、投資家へのヒントをまとめています。

4人の専門家をご紹介しましょう。

世界経済・市場アナリストであり、日本経済新聞夕刊のコラム「十字路」の執筆陣の一人でもある馬渕治好氏、投資教育家の岡本和久氏、ファイナンシャル・ジャーナリストの竹川美奈子氏、経済コラムニストの大江英樹氏の4人です。

「どんなもったいぶった推論より、事実は強い」「個人投資家でも取材の機会はある」と説く馬渕氏、ある著名な老ポートフォリオ・マネジャー、テンプル卿などの投資を例に投資の原理原則を説く岡本氏、「良い投信とは何か」を具体的に提案する竹川氏、投資の心理学をひも解く大江氏、それぞれに読み応えがありました。

章と章の間に、理解を深めるための「著者座談会」もはさみ込まれており、これで新書価格は安い、という印象です。

さらに、ポイントを見て行きましょう。

———————————————–

専門家の見通しについて、結論だけしか見ない投資家が多くいます。市場見通しなどの結論さえ当たればあとはいらない、とまで言う人も結構います。しかし、どういう分析や推論をもってその結論が得られたのか、という点が、結論よりもっと重要です(馬渕)

どんなもったいぶった推論より、事実は強いのです。アナリストが財務データをパソコンで分析して、この小売企業は良い会社だといくら力説しても、その企業の店舗に行くと、店は清掃が行き届いておらず、棚の商品が品切れしていて、品ぞろえが的確ではなく、従業員にやる気が感じられないのであれば、間違いなくひどい会社です(馬渕)

「道端に金貨が落ちていたとしよう。最初に通った人は見逃すかもしれない。2人目も気づかないかもしれない。しかし、本当に価値あるものは、必ず、いつか、誰かが発見するものだ」(グレアムの最初の弟子 ジェームズ・ローゼンワルド)

株式投資の失敗には、主に3つの原因があると思います。まず第一が、株価を追いかけてしまうことです。次に短期で儲けようとすること、そして、最後が業界構造の理解が足りないことです(岡本)

企業の価値は時間をかけて増加するものです。短期で売買をする場合、ふつうその期間に企業価値が大きく増加することはありません(岡本)

人生を通じての資産運用の目的は購買力を維持するということ(岡本)

購入時の手数料はもちろん大事ですが、より大事なのは保有中にかかる運用管理費用(信託報酬)です(竹川)

信託期間は「無期限」のものを選びましょう。最近は満期が決まっているものも増えているので注意してください(竹川)

陽や陰の極になると「今回だけは違う」という言葉が出てくるのでしょう。だとすれば、相場の天井や底値を知るのは意外と簡単かもしれません。「今回だけは違う」おじさんがたくさん出てきたときを見計らって、買うなり売るなりすればよい(大江)

テーマ型投信は買ってはいけない(大江)

「信託財産留保額なし」の投信は、長く持つ人ほど不利になってしまうということになりかねません。したがって、長期投資をする人にとってはデメリットである(大江)

———————————————–

これから高齢化社会に突入すると、ますます投資信託の重要性が高まると思いますが、本書はこの投資信託の解説が丁寧なのがポイント。

投資初心者がやってしまいがちな誤りをきちんと指摘している点も、好感が持てます。

これから投資にチャレンジしてみようと思っている人、今の投資信託がどうなっているのか知りたい人は、ぜひチェックしてみてください。

———————————————–

『投資の鉄人』馬渕治好、岡本和久、竹川美奈子、大江英樹・著 日本経済新聞出版社

<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532263395/

<Kindleで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B071CYPGDY/

<楽天ブックスで購入する>
http://bit.ly/2q1uU0N

———————————————–

◆目次◆

第1章 情報に惑わされない
第2章 相場に惑わされない
第3章 商品に惑わされない
第4章 自分に惑わされない

この書評に関連度が高い書評

この書籍に関するTwitterでのコメント

同じカテゴリーで売れている書籍(Amazon.co.jp)

NEWS

RSS

お知らせはまだありません。

過去のアーカイブ

カレンダー