2017年5月3日

『やりたいことがある人は未来食堂に来てください』 小林せかい・著 vol.4669

【「超合理的な食堂」の経営論】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4396615981

本日ご紹介する一冊は、「カンブリア宮殿」「ガイアの夜明け」「WBS」などでも話題となった、「未来食堂」店主、小林せかいさんによる、風変わりな経営論。

東京工業大学数学科を経て、日本IBM、クックパッドでエンジニアとしてキャリアを積んだという著者が経営する「未来食堂」は、「誰でも50分手伝うと1食無料(『まかない』)」「メニュー1種類」「飲み物持ち込み自由。ただしお店に半分寄付」など、とにかく不思議な制度がたくさんあるのですが、じつはこれらは、超合理的な考えのもとに成り立っています。

『まかない』制度により人件費が削減できる、メニューを1種類にすることでオーダー不要=提供までの時間が短縮できる、10円以下の勘定をしないため小銭が最小限で済む、漆のご飯椀を使うことで食器が割れなくなる…。

とにかく合理的で、驚きました。

お客様のためになることをする、ためにならないことは徹底的に排除する、そのために常識を疑う、という著者の思考法は、まさにビジネスパーソンが学ぶべき思考法だと思います。

さっそく、内容をチェックして行きましょう。

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未来食堂には『まかない』という仕組みがあり、一度来店されたお客様なら誰でも50分手伝うと1食無料になるのです。この『まかない』のおかげで、多くの方が日々の営業を手伝ってくれている、というわけです

メニューが1種類しかないため、オーダーを取る必要がありません。このため、お客様は着席してすぐに食事をとることができ、使い勝手が良い店としてリピートしてくださる方が非常に多いです

夜以降は『あつらえ』というシステムがあり、おかずのオーダーメイドができます。通常の飲食店で見るようなメニュー表の代わりに『冷蔵庫の在庫リスト』を用意してあり、2点ほど食材を選んで「炒め物で」など希望の調理法を伝えてもらいます

飲み物持ち込み自由。ただしお店に半分寄付

未来食堂では、10円以下の勘定はしません

スタート時点が低くても、どれだけそこから詰め込むかで結果は変わってきます

完成してからの過程をいくら公表しても、人は心を動かされません

私が未来食堂を運営する上で即断できる理由は、
1.お客様のためになるか
2.お店として大きな損失がないか
という2つの判断軸を事前に用意しているためです

漆のご飯椀──便利だけれど誰も使わない木製食器

『5倍ルール』とは『自分が提供したい内容の5倍の価格のものに慣れ親しむ』ことです(中略)800円ランチを出すシェフが他店の800円ランチしか食べないのは、私に言わせると正しくありません。真似は必ず劣化するからです

「来てください」という発言は相手を、店にお金を運んでくれる“お客様”として見ています。「来てください」とお願いして来てもらうのではなく、「行きたい!」と自発的に思ってもらえるレベルまで興味を惹きつけないといけません

人からもらったものをいかに還すかという意識があると、周りの人から喜ばれる確率が高くなります

環境が、あなたの行動にブレーキをかけるのではありません。あなたの行動にブレーキをかけるのは、ただ一つ、あなたの心だけなのです

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オビで、ライフネット生命保険会長の出口治明さんが、「久々に“まとも”なビジネス書に出会いました」と言っていますが、納得できる内容です。

本書に書かれている、<「当たり前」を解体する><誰も得していない“当たり前”を見つける>を実践すれば、きっと起業のアイデアや、業務効率化のヒントが見つかるはずです。

ぜひ、読んでみてください。

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『やりたいことがある人は未来食堂に来てください』
小林せかい・著 祥伝社

<Amazon.co.jpで購入する>
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◆目次◆

これから新しいことを始めるあなたへ──まえがきにかえて
序章 未来食堂とは
第1章 何かを始める前、知っておきたいこと ~考え方~
第2章 何かを始める時、やること ~アクション~
第3章 何かを始めた後、続けるために
第4章 始めたことを、伝えるために
第5章 人が心を動かす瞬間
第6章 注目を集めるということ
第7章 注目された時に気をつけること
特別対談──出口治明氏(ライフネット生命保険会長)×小林せかい
「常識を疑うということ」

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