2017年4月11日

『2050年の技術 英『エコノミスト』誌は予測する』 英『エコノミスト』編集部・著 土方奈美・訳 vol.4647

【2050年の技術予測】
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本日ご紹介するのは、未来予測のためのとっておきの一冊。

英『エコノミスト』誌が、2050年の技術を予測し、これからどんな経済社会が到来するのか、未来の姿を描き出しています。

扱っているのは、AIや自動車、バイオ、農業、医療、エネルギー、軍事、VR、拡張現実などの20の分野で、それぞれ今言われていることがどこまで真実味があるのか、専門家の視点で検証しています。

予測の一部をのぞいてみましょう。

・VRの未来はスマートフォン・ベースのメディア
・本物の動物を使わない細胞培養によるステーキが登場する
・牛のインターネット
・都市の車両数は90%減少する
・自動車事故やそれによる死亡者は激減する
・政府が「脳」に侵入する
・アーバン・マイニングが一大産業になる

興味深かったのは、<AIが人間の知性を追い抜くことはない>と言い切っていること。

<チューリング・マシンから魔法のように意識や知性や意図を持った存在が生まれてくることは今後もありえない>とのことです。

もちろん、紹介されているのはあくまで「予測」であり、現実が大きく異なることもあるでしょう。

ただ、どんな社会が実現するかある程度当たりがついていれば、ビジネスチャンスや生き方のヒントも見えてくるというものです。

他にも、気になった部分をピックアップしておきましょう。

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都市部で魚を養殖することによって、魚が主要な動物性タンパク源になる可能性がある。ただ、本物の動物を使わない細胞培養によるステーキ、牛乳、殻のない卵などの動物性タンパク源の大量生産がそれを上回るペースで進めば、また話は変わってくる

患者が顧客として扱われるようになるなど、医療がふつうの産業に近づいていく

再生可能エネルギーの台頭や「破砕」技術のもたらす新たな石油や天然ガス資源によって、将来はむしろエネルギー余剰が見込まれる

コンピューティングは電気や水道のように公益サービスになる

ユーザー・インターフェースも改善の機が熟している領域だ。今日使われている技術は、かなりの年代物である。キーボードは機械式タイプライターの直系の子孫であり、マウスが最初に登場したのは一九六八年である。ウィンドウズやiOSのような「グラフィカル・ユーザー・インターフェース」も同様で、初期のコンピュータが使っていた難解なテキスト・シンボルを親しみやすいアイコンとウィンドウに置き換えたにすぎない

現在の経済指標はテクノロジーの変化に追いついていない

人間の脳はインターネットに接続され、図書館、スーパーコンピュータ、宇宙望遠鏡と直結する。だが当時に、スパムやマルウェア、ウイルスも一緒に取り込んでしまう

まもなく、病気になったり老朽化した組織を新しいものと交換し、メンテナンスできるようになるだろう

生物と無生物を組み合わせたハイブリッド方式のメリットに、酪農家はすでに気づいている。たとえば、乳牛とロボット工学的搾乳機を組み合わせると、すばらしい生産性と収益性を兼ね備えたシステムができあがる。世界では今、二万五〇〇〇個以上のそうしたシステムが稼働している。牛はすぐさま、好きな時間に搾乳場に来ることを学習し、その健康と生産性は首輪に埋め込まれた電子タグで追跡管理される。つまりは「モノのインターネット(IoT)」ならぬ
「牛のインターネット」だ

家が私たちの健康状態に関するデータを集めてくれる

公共バスに情報を表示する必要はなくなる。バスを待っている人々のメガネに、近づいてくるバスの番号、目的地、ルートと予想到着時刻が好きな言語で表示されるからだ

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起業家・投資家目線では、どんなテクノロジー、ジャンルが有望なのかを見極めるための本、生活者目線では、どんな暮らしが待っているのか、どんなサービスが利用可能になるのか、想像してワクワクする本です。

反対に、どんなテクノロジー、デバイス、エネルギー源が衰退するかも見極められる、良いヒントとなるでしょう。

見出しを見るだけでも、刺激的な内容です。

ぜひチェックしてみてください。

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『2050年の技術 英『エコノミスト』誌は予測する』
英『エコノミスト』編集部・著 土方奈美・訳 文藝春秋

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◆目次◆

はじめに 破壊的で大規模な記述の変化「メガテック」
第一部 制約と可能性
第1章 日本のガラケーは未来を予測していた
第2章 ムーアの法則の終わりの先に来るもの
第3章 第7の波、AIを制する者は誰か?
第4章 なぜデジタル革命では生産性向上がみられないか?
第5章 宇宙エレベーターを生み出す方程式
第6章 政府が「脳」に侵入する
特別SF1 傷つく自由
第二部 産業と生活
第7章 食卓に並ぶ人造ステーキ
第8章 医療はこう変わる
第9章 太陽光と風力で全エネルギーの三割
第10章 車は編まれ、住宅は印刷される
第11章 曲がる弾丸と戦争の未来
第12章 ARを眼球に組み込む
特別SF2 博士の救済
第三部 社会と経済
第13章 人工知能ができないこと
第14章 プライバシーは富裕層だけの贅沢品に
第15章 一〇億人の経済力が解き放たれる
第16章 教育格差をこうして縮める
第17章 働き方は創意を必要とされるようになる
最終章 テクノロジーは進化を止めない
謝辞
訳者あとがき

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