2017年4月9日

『一流の本質 20人の星を獲ったシェフたちの仕事論』 クックビズ・編 vol.4645

【ホリエモン推薦】
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本日ご紹介する一冊は、日本を代表する20人のスターシェフが、自らの修業時代や転機、仕事哲学を語った一冊。

カンテサンス・岸田周三氏、 梁山泊・橋本憲一氏、レストランHAJIME・米田肇氏、神楽坂 石かわ・石川秀樹氏、祇園さゝ木・佐々木浩氏、日本料理 柏屋・松尾英明氏、あやむ屋・永沼巧氏、KEISUKE MATSUSHIMA・松嶋啓介氏など、そうそうたるメンバーが名を連ねており、20人のオムニバスにしては読み応えがありました。

料理の世界なので、「お皿に指紋ひとつあるだけで、皿をたたき割られる、フライパンが飛ぶ」などの理不尽な経験をした方もいたようですが、みなさんの学びや、成功へと導いた考え方を学ぶのは、ビジネスパーソンにとっても有益だと思います。

最初の職場にこだわれ、というカンテサンス岸田周三氏のメッセージや、毎日献立を記録したという日本料理 柏屋・松尾英明氏のメッセージ、「チェックポイントが多いほど、クオリティを保てる」と喝破したあやむ屋のメッセージなど、仕事のクオリティを上げるためのヒントが満載の一冊です。

さっそくポイントをチェックしてみましょう。

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最初に「働かせてください」とお願いした時には、「空きがない」と断られてしまったのですが、僕は「空きさえ出れば雇ってもらえるよね」と楽観的に考えるタイプ。(中略)もしかしたら、「断られたら別のお店で働こう」と考える人の方が多いかもしれません。ただ、職場選びは、人生を変えるほど大事なことだと僕は思うんです(カンテサンス 岸田周三)

“旨い”だけではなくて、その先の働き手にお金が落ちるように考えないとダメ(梁山泊 橋本憲一)

クオリティを保つには喜びを知らなければならない(梁山泊 橋本憲一)

最初に入った店は一流店と言われるレストランでしたが、お皿に指紋ひとつあるだけで、皿をたたき割られる、フライパンが飛ぶ、というような厳しいところでした(レストランHAJIME 米田肇)

日本料理界のトップの一人とされている存在がすぐそばにいるわけですから、ある種のリアリティがあるんですよ。つまり、この人を超えることができたら、自分もトップになれるのかなと。妄想かもしれないけど、そこに突き動かされた(神楽坂 石かわ 石川秀樹)

毎日10組のお客様があれば、10枚の献立を記録していくのですが、その献立を書き写すのが若手の仕事として、とても勉強になりました。季節ごとの献立は基本的に同じですが、お客様に合わせて食材や調理法、包丁の入れ方、器の選び方などに微妙に変化をつけていて、それを毎日書き写していると、変わっているポイントが浮き上がるように見えてくるんです(日本料理 柏屋 松尾英明)

基本的なメニューは17年間同じシンプルなものなのですが、シンプルが逆に一番難しいかもしれません。うちの焼き鳥は、見た目はほぼ普通の焼き鳥屋と変わらないし、奇をてらったことはまったくしていないんです。見た目は一緒、けれど食べたら違いがわかる、をモットーにしています(あやむ屋 永沼巧)

同じものをつくるのに10のチェックポイントだと、1つ見落とすだけで90点の仕上がりになってしまいます。でも100のチェックポイントを持っていれば、1つ見落としても99点のものを提供することができるわけです。そういう項目をすべて言葉にしているわけではないのですが、日々のルーティンの中に、そのくらいの数の確認作業をしています(あやむ屋 永沼巧)

まずは、「はじめに素材ありき」なんです。「献立ありき」ですと、たとえば、大根が手に入らない時にカブを代わりに使おうということになったりします。でも、カブはカブであって大根ではない。材料には代用ということがなくて、僕は基本的に何でも主役にしてあげたいんです(西麻布 き久ち 菊池隆)

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オムニバスなので、どうしても一人一人の文量が限られてしまうのですが、各人の下積み時代がよく書かれていて、若手ビジネスパーソンのキャリア構築には、役立つ内容と感じました。

よく読めば、ビジネスにおけるヒントも見えてくるはずです。

ぜひチェックしてみてください。

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『一流の本質 20人の星を獲ったシェフたちの仕事論』
クックビズ・編 大和書房

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◆目次◆

カンテサンス 岸田周三 常に「一歩先の理想」を求めて
梁山泊 橋本憲一 「常識」はクリエイティビティの邪魔になる
レストランHAJIME 米田肇 ガストロノミーのAppleやGoogleを目指して
神楽坂 石かわ 石川秀樹 離職率の低さが3店舗すべて星付きにつながった
祇園さゝ木 佐々木浩 可能性は、自分次第でどこまでも広がる
日本料理 柏屋 松尾英明 正解のない道でベストを探し続ける
あやむ屋 永沼巧 チェックポイントが多いほど、クオリティを保てる
麻布 かどわき 門脇俊哉 料理人とは2時間で人を幸せにできる最高の職業
KEISUKE MATSUSHIMA 松嶋啓介 競争ではなくモノポリーを目指したい
老松喜多川 喜多川達 運も縁も、自分の行動次第でつかむことはできる
韓国料理 ほうば 新井正彦 さまざまな経験を融合するから「新しいもの」ができる
まき村 牧村彰夫 究極のスタイルを妥協せずにやりきる
ながほり 中村重男 感性を錆びつかせないために動き続ける
リュミエール 唐渡泰 毎日のトレーニングの先に「未来」がある
とよなか桜会 満田健児 疑うところから始めよう
寿し処 黒杉 黒杉章宏 変えることを恐れないから古くならない
龍吟 山本征治 媚びずに、最高のものをつくり続ける
玄斎 上野直哉 「知りたい」という欲求の積み重ねで、どこまでも成長していく
西麻布 き久ち 菊池隆 不安を自信に変えていく集中力
てんぷら 近藤 近藤文夫 イノベーションの種はどこにでもある

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