2017年3月23日

『ニュースリリース大全集』 山見博康・著 vol.4628

【有名企業のリリース実例+主要メディア担当からの助言】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4820759736

本日ご紹介する一冊は、かつて神戸製鋼所の広報部長を務め、以降経験を積んできた広報のプロ、広報・危機対応コンサルタントの山見博康さんが、ニュースリリースの最新事例210を一挙紹介した一冊。

広報のデスクに一冊置いておいたら便利なニュースリリースの見本(それも大企業の現物!)が、500ページ以上にわたって紹介されており、じつにバリューの高い一冊です。
(本書自体は、全部で600ページを超える大著)

冒頭わずか50ページ弱でメディアに取り上げてもらうための秘訣が紹介されており、時間をかけずに広報業務に取り掛かりたい企業にとっては、極めて実用的な内容です。

また後半では、日本テレビ、TBS、フジテレビジョン、テレビ朝日、朝日新聞、中日新聞、河北新報社など、主要メディアの担当者が実名入りでアプローチのコツ、リリースの書き方のポイントをアドバイスしています。

メディアによっては、リリース送付先の情報も載っているので、この一冊でいますぐリリースを作成・送付することが可能です。

まずは、赤ペンチェックでノウハウ部分を見て行きましょう。

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そもそも記者は基本的に、ニュースリリースが好きではありません。それは、ニュースリリースは横並びの情報だからです

注意を引くには、リリースの読み手に「おや?」と思ってもらう言葉が必要です。いきなり、「新製品◯◯◯を発売!」では興ざめですので、その新製品がいまの流行、例えば「働き方改革がすぐに実現する、これまでにない新商品発売」などと関心を引く言葉を入れるようにします

◆タイトルの付け方
(1)ニュースネタのキーワードを使え。心を打つ言葉で興味を惹く
(2)最も主張したいことをキャッチワードで
(3)サブタイトルを有効に、効果的に
(4)数字を入れるとインパクトが強くなる
(5)旬の言葉、流行語、流行りのキーワードを入れると目を引きやすい
(6)文章にせずにインパクトのある言葉で止める「体言止め」で
(7)字体を変える、枠で囲む、下線を引く、色を付けるなどパソコンを駆使して目立たせる

「日本一」「業界ナンバーワン」「専門家も絶賛」などの客観的事実には、それを証明するエビデンスを添えるのが基本です。数値の事実であれば、どの機関がどこで発表したものか、第三者の意見であれば、誰がどの場で述べたことなのかを明示します。出所や出典を示すということです

全国一般紙では企業関係は「経済部」の担当ですが、日本経済新聞では日銀などのマクロ経済担当で、通常の企業ニュースは「企業報道部」が担当です。同部の記者が書いた原稿内容によって日経「本紙」や「SS」「MJ」に振り分けられます

テレビは“映像”が勝負です。どんな面白いネタでも、“画(え)”にならなければ、取り上げられるチャンスはありません。そのキーワードは次の3つです。
(1)映像性 (2)ニュース性 (3)物語(ストーリー)性

◆テレビ向けニュースリリースの書き方のコツ
(1)端的に魅力を伝えるタイトル
(2)そのタイトルを如実に示す「画像」=写真and/or映像が不可欠
(3)要望に応じて、色々な「画(え)」になることを強調

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これはマスメディア系PRの宿命かもしれませんが、実際にどのリリースがどのような露出につながり、どれぐらい効果があったのか、という効果測定の部分が甘いのは否めません。

ただ、そういった点を差し引いても、どの企業がどんなリリースを出しているのか、実際にリリースを受け取る人間がどう見ているのかを知ることは、PR上、じつに有益な情報だと思います。

これだけ情報が詰まっていて、3800円(税別)。

お買い得品なのは間違いありませんが、個人にはちょっと高いため、社長さん、ぜひPR担当のために一冊、買ってあげてください。

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『ニュースリリース大全集』
山見博康・著 日本能率協会マネジメントセンター

<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4820759736/

<楽天ブックスで購入する>
http://bit.ly/2mSMRYT

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◆目次◆

第1部 ニュースリリースの基本実務
第2部 210の実例から学ぶニュースリリース大全集
第3部 ニュースリリースを受け取るメディアからの要望&アドバイス

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