2017年2月23日

『GRIT 平凡でも一流になれる「やり抜く力」』 リンダ・キャプラン・セイラー、ロビン・コヴァル・著 三木俊哉・訳 vol.4600

【祝・4600号】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822251926

既に、アンジェラ・ダックワースの同名の書をご紹介していますが、本日は、もう一つのGRIT関連書をご紹介。

著者は、1997年に広告代理店キャプラン・セイラー・グループを共同創業したリンダ・キャプラン・セイラー氏とロビン・コヴァル氏です。

会社経営の経験などなかった女性二人が、マンハッタンのチェルシーにあるブラウンストーンの建物の70平米のフロアで、世界的企業を作った。本書によれば、いまや同社の売上は30億ドルを超えているそうです。

本書は、そんな二人が、成功の要因である「GRIT(日本語で言うなら努力と根性)」について述べた一冊。

自身の体験だけでなく、成功者たちのエピソードをふんだんに盛り込んだ、感情を揺さぶる内容です。

スティーブ・ジョブズ、コリン・パウエル、マイケル・ジョーダンにはじまり、数多くの成功者のエピソードがコンパクトにまとめられており、手軽に読めるのが魅力です。

カスタマーレビューで指摘されているように、学術的な研究をつぎはぎで紹介したもので、その点は学者じゃないので差し引く必要があるでしょう。でも、起業家の心に火を付けるには十分です。

さっそく、ポイントをチェックしてみましょう。

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「みなさんは特別な存在ではありません。……少年サッカーでトロフィーをもらったかもしれません。七年生のときに優秀な成績を収めたかもしれません。恐竜のバーニーやミスター・ロジャースやシルビアおばさん(約注※いずれもテレビ番組のキャラクター)がほめてくれたかもしれません。何かあるたびにお母さんが救世主になってくれたかもしれません。それでもあなたは特別な存在などではないのです」(ウェルズリー・ハイスクール 英語教師デイビッド・マッカロー・ジュニアの言葉)

「エア・ジョーダン」がその後ハイスクールの二軍チームをあっと言わせ、最終的にマイケル・ジョーダンになることができたのは、きっとグリットのせいだ。史上最高のバスケットボール選手になるために何が必要だったか? 本人はこう語っている。「私はこれまで九〇〇〇本以上のシュートを外しています。負けた試合も三〇〇近くあります。ゲームを決めるシュートを託されたのに外したのは二六回。私の人生は失敗に次ぐ失敗のくり返しでした。だから成功できたのです」

「結果的に、アップルをクビになったのは私にとってこの上ない幸運でした。成功者であるという重苦しさの代わりに、初心者であるという身軽さを得ることができました。何もかもわからないことだらけです。おかげで人生で最もクリエイティブな時期をもう一度経験することができました」(スティーブ・ジョブズ)

◆グリットの4つの要素
・度胸(Guts) ・復元力(Resilience)
・自発性(Initiative) ・執念(Tenacity)

「一生懸命働けば魂が救われます」「自分を哀れまなくてもすむの。なぜってそんな時間がないから」(ウェンディーズ創業者デイブ・トーマスの祖母の言葉)

必要なのは、目標や願望に優先順位をつけること。達成しやすいものから達成しにくいものへ、人生にとって大切なものからあまり大切でないものへ

ワレンダにとって安全ネットなしでのパフォーマンスは、それがないとどうなるかを想起させる恐ろしい事実というよりも、自分は恐怖の感情を支配しているという、ある種の主張である

達成可能な目標を持つ人(返済できる見込みがある人)は、期限までに返済できる見込みがほとんどない人よりも、きちんと支払いをする確率が高かった

ハードワークそのものが幸福をもたらすと知って、たいていの人はびっくりする。実際、幸福はめざして得られるものではなく、それは「無私の大義」に身を捧げたときにたまたま得られる副産物だと主張する人も多い。心理学者はこれを「幸福の逸脱」と呼ぶ

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本書によると、アメリカには日本の「ゆとり教育」に匹敵する「自尊心運動」というものがあったそうですが、やはり自尊心は自ら獲得していった方がいいようです。

「充実した人生、際立った人生、よき人生、それはみずからつかみ取るものであり、よい子にしていたから、あるいはお母さんが注文してくれたから舞い込んでくるものではありません」という、英語教師デイビッド・マッカロー・ジュニアの言葉は、多くの過保護な両親および教師に伝えてあげたいものです。

人を育てる人はもちろん、自らを成長させたい方にも、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

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『GRIT 平凡でも一流になれる「やり抜く力」』
リンダ・キャプラン・セイラー、ロビン・コヴァル・著
三木俊哉・訳 日経BP社

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◆目次◆

第1章 なぜ「グリット」が大切なのか
第2章 「才能」という神話
第3章 夢を捨て去れ
第4章 安全ネットなしで
第5章 ウェイトトレーニング=待つトレーニング
第6章 竹のようにしなやかに
第7章 期限は無限
第8章 グリットは善をめざす

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