2017年2月5日

『一瞬で人生が変わる!幸せをつかむ脳の使い方』中野信子・著 寝猫・漫画 桜小路むつみ・シナリオ vol.4582

【人生を変える脳科学?】
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本日ご紹介する一冊は、横浜市立大学客員准教授であり、脳科学者の中野信子さんによる、マンガでわかる脳科学。

とは言え、マンガは一部分で、ほとんどが脳を知るための解説です。

マンガの主人公・朝倉渚(27歳)は、元々営業事務だったのに、急遽、創造性や発想力が求められる企画開発課に移動になった人物。

ストーリーは、彼女が、なぜか脳科学を知り尽くしているスマホアプリの力を借りて成長していくという話で、楽しく読むことができました。

本書には、われわれが意思決定をしたり、人間関係を構築する上で知っておきたい脳科学の知見が詰まっています。

なぜ職場で軽んじられてしまうのか、どうすれば周囲の評価を変えられるのか、どうすればリーダーにふさわしいとみなされるのかなど、興味深いノウハウがたくさん紹介されています。

また、間違った判断を生む「ハロー効果」や「クラスター錯覚」、「サンクコストの錯覚」など、知っておくと便利な知識がいくつも紹介されています。

脳科学をうまく使って成功した先人の例も紹介されており、興味深く拝読しました。

さっそく、ポイントをチェックしてみましょう。

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人間には「秩序の乱れがあるとそれに同調してしまう」という性質がある

世界的な大富豪であるエドモンド・ベンジャミン・ジェームズ・ロスチャイルド男爵の夫人となった、ナディーヌ・ロスチャイルドは、著書のなかで、こんなふうに語っています。「あなたがまず心を配るべきなのは、自分自身です」「もしあなたがひとり暮らしなら、部屋は常にきれいに片づけるべきです。ひとりでお茶を飲むとしても、縁の欠けたカップなどではなく、一番、上等なカップを使ってください。家でひとりで夕食をとるなら、帰りにお花とおいしいデザートを自分に買ってあげましょう」

すでに秩序が乱れている場所があると、さらに秩序を乱すことへの心理的抵抗が少なくなる

強いポーズをとってもらうと自信が出てきたり、喜んでリスクをとったりするようになることがわかりました。生理的な変化としては、リスクをとる行動を促すホルモン、テストステロンの値が上昇し、ストレスホルモンであるコルチゾールのレベルが激減しました

自分に当てはまる否定的な固定観念を思い出させるだけで、テストの点数が悪くなってしまうということも明らかになりました。逆に、肯定的な観念が成績をアップさせるといううれしい結果も! 自分に当てはまる固定観念とは、性別、年齢、人種、社会的経済的状態などに関する情報のこと

優秀な人 正しい意見を述べる人がリーダーになるのではなく 確信のある人がリーダーになる(中略)脳は『正確さ』よりも『確信』を好む傾向があります

実験の結果、街中に上を見上げている人をひとり配置したとき(見上げている先にはとくに何かあるわけではない)、そこを通りがかる人のうち、4割が、つられて上を見上げてしまうということがわかりました。さらに、4人の人間が上を見上げていた場合は、8割近くの人が、つられてしまうということも明らかになりました

まったく関係ない出来事がまとまって起きたとき、それがまるで意味のあるもののように感じられてしまう錯覚のことを「クラスター錯覚」と言います

『ハロー効果』による期待が大きすぎるがゆえに 些細なミスや小さな瑕疵でも大きな『期待外れ感』を生んでしまう これが『ロス効果』です

大きく発達した人間の脳は 『個体のリスク』を犯すような判断はなかなかしてくれなくなりました

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個人的に勉強になったのは、女性の方がセロトニン濃度が低下しやすい、という事実。

そのため、女性はうつになりやすいが、将来のリスクを男性よりも正確に予測して備えられる性質を持っているというのです。

脳を正しく知り、使いこなすために、ぜひチェックしておきましょう。

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『一瞬で人生が変わる!幸せをつかむ脳の使い方』中野信子・著
寝猫・漫画 桜小路むつみ・シナリオ KKベストセラーズ

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◆目次◆

プロローグ 脳をコントロールできる自分になろう!
第1章 自分も周りも変えられる<なりきり>の効果
第2章 脳に騙されるな! 錯覚のメカニズム
第3章 脳は勝手に妄想をつくり出す!?
第4章 男と女の脳は別物!
エピローグ 脳はどこまでコントロールできる?

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