2016年12月15日

『鬼速PDCA』冨田和成・著 vol.4530

【気鋭の起業家が実践する鬼速PDCAとは?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4844377493

以前、BBMで高原豪久さんの『ユニ・チャーム式 自分を成長させる技術』をご紹介しました。

※参考:『ユニ・チャーム式 自分を成長させる技術』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478065063/

既にご案内の通り、土井が持っている本には、以下の部分に赤ペンチェックが入っています。

<今日のビジネス環境では「大きいものが小さいものに勝つ」のではなく、「速いものが遅いものに勝つ」>

では、一体どのようにして、「速さ」を実現するのか?

ヒントとなったのは、以下の部分でした。

<タイの農民は日本の3倍の速さで米作りを習得するそうです。なぜかというと、タイでは3毛作ができるからです。1年に3回、米をつくることができるから、1年で日本の3年分の経験が積めるというわけです>

フィードバックが頻繁にあれば、それだけ人は速く成長する。これは目からウロコでした。

事実、ユニ・チャームでは、週次マネジメントを行っており、年52回、PDCAサイクルを回しているそうです。

言われてみれば、土井が所属していたアマゾンも、毎週マネジャーたちと成果の振り返りミーティングがありました。

やはり、頻繁なフィードバックは、人を育て、良い成果につながるのです。

本日ご紹介する一冊は、このユニ・チャームやアマゾンを超える週2回の頻度でフィードバックを行っているという、気鋭のベンチャー企業経営者が、その独自の成長メソッド『鬼速PDCA』を紹介した一冊。

著者の冨田和成さんは、FinTech企業の一角として、月間250万人を集める金融メディア「ZUU Online」を主宰する、株式会社ZUU代表取締役社長兼CEO。

本書には、あの野村證券で最年少記録を出し続けたという著者の仕事術とPDCAメソッドが紹介されています。

さっそく、ポイントをチェックしてみましょう。

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ビジネスモデルで企業価値が測られる時代は終わったと考えている。そうではなく新しい仕組みやサービスを鬼速で生み出し続けられる組織力と、市場の変化に瞬時に対応できる柔軟性を持った企業こそ、激動の時代を勝ち残れるのである

人が不安や疑問を感じ、歩みを止めてしまう原因は3つしかない。
・「自分はどこへ向かおうとしているのか?」(ゴールが見えない)
・「果たしていまの努力は意味があるのだろうか?」(道が見えない)
・「この方法のまま続けていていいのだろうか?」(手段が見えない)

人は明確な基準が与えられない状況下では、常に「気楽さ」と「緊急性」の2つの基準だけで行動を決めてしまいがち

抽象的なアクションを「毎日、朝6時に起きて5キロ走る」「今日、夕食後の2時間を使ってネットで検索する」といった具体的なタスクとしてスケジュールを押さえてしまえば、もはややらざるを得ない状況に自分を追い込むことができる。加えて、やることが具体的だと、取り組む意欲が増すという大きな効果もある

PDCAはどのような対象でも回せるのでゴールは何でも構わないが、その際に注意してほしいポイントが3つだけある。期日を切ること。定量化すること。そして適度に具体的なものにすることだ

◆「やること」の優先度づけを行うための3つの基準
「インパクト(効果)」「時間」「気軽さ」

仮説精度を支えるのが『因数分解能力』である。数学で使う言葉になぞらえているが、要するに、「ゴール」と「現状」を構成する因子をどんどんリストアップしていく考え方だ

簡単な課題は「質×量」で切る

◆KPI(Key Performance Indicator)未達の4大要因
A.行動が伴っていなかった(KDIが未達)
  ※KDI=Key Do Indicator
B.行動は合っていたが不十分だった(DOの不足)
C.想定していなかった課題があった(課題が未発見)
D.仮説で立てた因果関係が間違っていた
 (KPIとKDIの連動性が取れていない)

◆課題が潜んでいる可能性が高いものを掘り出す質問
「この人だったから問題だったのでは?」
「この情報だったから問題だったのでは?」
「この地域だったから問題だったのでは?」
「この時間・時期だったから問題だったのでは?」
「このターゲットだったから問題だったのでは?」
「このコミュニケーションだったから問題だったのでは?」

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現役の起業家ならではの、きめ細やかかつ熱の入ったアドバイスが光る内容で、じつに読み応えがありました。

紹介されているメソッド、ツールも具体的で、参考になりました。

素早く変化するチームづくりのために、また自分の成長のために、ぜひ読んでおきたい一冊です。

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『鬼速PDCA』冨田和成・著 クロスメディア・パブリッシング

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http://bit.ly/2hnE9Tz

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◆目次◆

1章 前進するフレームワークとしてのPDCA
2章 計画初級編:ギャップから導き出される「計画」
3章 計画応用編:仮説の精度を上げる「因数分解」
4章 実行初級編:確実にやり遂げる「行動力」
5章 実行応用編:鬼速で動くための「タイムマネジメント」
6章 検証:正しい計画と実行の上に成り立つ「振り返り」
7章 調整:検証結果を踏まえた「改善」と「伸長」
8章 チームで実践する鬼速PDCA
付録 鬼速PDCAツール
10分間PDCA記入例

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