2016年12月21日

『わがセブン秘録』鈴木敏文・著 勝見明・取材・構成 vol.4536

【「コンビニの父」鈴木敏文、大いに語る】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4833422123

本日ご紹介する一冊は、突然の退任劇で話題となったセブン&アイ・ホールディングス名誉顧問、鈴木敏文氏が、自らのキャリアを振り返り、人生訓と経営論を披露した一冊。

著者は、83歳まで現役の経営者として活躍し、辞める日までまったく衰えを感じさせませんでしたが、その秘訣は、衰えを知らない「発想力」にあったようです。

その発想力とは何かというと、未来を起点にした、「跳ぶ発想」。

以前、『マエカワはなぜ「跳ぶ」のか』という本をご紹介したことがありますが、あれは「ジャンルを跳ぶ」発想。

※参考:『マエカワはなぜ「跳ぶ」のか』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478015120/

一方、鈴木敏文氏の発想は、未来を起点にして「跳ぶ」発想です。

いわく、<反対論は「過去の延長線上」から出てくる>もののようですが、大事なのは、<未来を起点にした発想>。

<過去がいまを決めるのではなく、未来がいまを決める>という発想は、行き詰まっている日本の経営者に、ぜひ読んでいただきたいところです。

どんな視点・思考が説かれているのか。

さっそくポイントを見て行こうと思います。

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計画的に生きるだけが人間の生き方でしょうか。そのときそのときに直面するものごとに懸命に取り組んでいく生き方もあるのではないか

反対論は「過去の延長線上」から出てくる

楽なことほど危険なことはない

タンスのなかが服でいっぱいならば、タンスのなかを空ける仕かけを考えればいい。そこで思いついたのが、現金下取りセールでした

過去がいまを決めるのではなく、未来がいまを決める

「未来を起点にした発想」は、「こうありたい」「こうあるべきだ」
という思いが根底にあるため主体的な生き方になります

制約条件固定型の人には、新しい挑戦はとうてい不可能でしょう。制約を排除すれば、多くのことが不可能から可能に変わります

「完売」は「売り手の満足」「買い手の不満足」

もし、水道光熱費がオーナー負担になると、オーナーは少しでも経費を削減し、利益を増やそうとして、電気代を節約しようと考えるでしょう。その結果、夜、店舗は照明が不十分になり、集客力が下がってしまう。一方、八〇%を本部が負担するなら、電気代はさほど気にせず、照明を必要十分な明るさに保とうとする。これが人間の心理です

大切なのはお客様にとって、何が正しいかです。「真のプロフェッショナル」とは、過去の経験をその都度、否定的に問い直し、常に「判断の尺度」を「お客様」に合わせられる人です

人間は何かにしがみつくと本当の力は出せない

ネット販売の特性を活かせば、お客様の潜在的ニーズにこたえる少量生産も可能になる。そのなかでヒットすれば、リアル店舗での展開も可能になる。それがお客様を起点とした「顧客戦略」の発想です。だからこそ、オムニチャネルにおいては、商品開発力が問われる

「明日のお客様」が求めるものは目に見えなくても、その答えはお客様の心理のなかに潜んでいる。そして、売り手やつくり手も、一歩仕事を離れれば、誰もがお客としての心理を持つ

誰もが「未来」と「お客様」から「宿題」を与えられている。それにきちっとこたえていくことができれば、必ず、「自分で満足できる働き方」ができるはずです

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本書には、意図せずして出版業界から小売業界に転身した著者が、どうやって仕事で成果を出してきたか、その鍵となった考え方が書かれています。

マーケター必読なのは言うまでもありませんが、氏の半生を語った著作ということもあり、ノンフィクションとしても興味深く読むことができるでしょう。

今回も、ジャーナリスト勝見明氏とのコラボレーションにより、細かいところまでよく書けています。

これはぜひ、おすすめしたい一冊です。

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『わがセブン秘録』鈴木敏文・著
勝見明・取材・構成 プレジデント社

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◆目次◆

はじめに
第1章 懸命に「行き当たりばったり」に生きてきた
第2章 「無」から「有」を生むには「飛ぶ発想」を鍛える
第3章 「できない理由」」をあげるより「実現する方法」を考えよう
第4章 「仕事の分母」には「売り手」ではなく
     常に「お客様」を置くと真実が見える
第5章 「判断の尺度」を「お客様」に合わせれば迷わず一秒で決断できる
第6章 ものごとの「本質」を見抜けば仕事はうまくいく
おわりに

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