2016年11月13日

『お坊さんに学ぶ長生きの練習』藤原東演・ vol.4498

【お坊さんに学ぶ長寿の秘訣】
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以前、知人のお坊さんがテレビに出て、「(お坊さんの世界では)70歳、80歳はまだまだ若造。90歳でやっと一人前」という話をしていました。

これを聞いて、「お坊さんは随分と長生きなんだな」という印象を持ちましたが、どうやらお坊さんは本当に長く生きるようです。

本日ご紹介する『お坊さんに学ぶ長生きの練習』によると、1980~82年の国勢調査をベースにした報告では、平均寿命が長い職業の第一位が僧侶(宗教家)。

ちなみに、お隣韓国でも、1963~2010年のデータで、宗教家の平均寿命が一番長かったそうです。

お寺の中にいると交通事故に遭わない分平均寿命が伸びるとか、いろんな事情はありそうですが、確かに印象的にもお坊さんは長生き。それに、亡くなる直前まで仕事を続ける方が多いのです。

リンダ・グラットンの『ライフシフト』によると、これからは人生が100年の時代に突入するらしいので、その間、健康でいることは必須。

※参考:『ライフシフト 100年時代の人生戦略』
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しかし残念ながら、日本人は「寝たきり年数」が世界一の民族。男性は九・二年、女性は一二・七年の寝たきり年数という話もあるそうですから、気をつけたいものです。

そこで読んでおきたいのが、本日ご紹介する『お坊さんに学ぶ長生きの練習』。著者は、臨済宗妙心寺派宝泰寺住職の藤原東演さんです。

お坊さん自らが、仏教の教えや他のお坊さんの言動などを元に、長生きの秘訣を語っており、生き方の指針としても興味深く読めました。

さっそく、ポイントを見て行きましょう。

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老人は「寿命を引き延ばすにはどうすればいいか?」と良寛さんに聞いたのでした。ここぞとばかりに良寛さんはきっぱり言い切ります。「死なない工夫じゃ」

「真面目なる生涯を送ること」(内村鑑三)、「死の恐怖の克服」(岸本英夫)の二つが、永遠の命を感じるための秘訣。しかし、そのためには自我を滅する必要があり、それこそが良寛の語る「死な
ない工夫」なのです

良寛(七四歳)さんが知人に宛てた、当時起きた地震被害の見舞いの手紙があります。
「災難に逢う時節には、災難に逢うがよく候。死ぬ時節には死ぬがよく候。是はこれ、災難をのがるる妙法にて候。」災難が起きたときは、事実としてありのままに受け止めればよい。死ぬときも、事実としてありのままに受け止めればよい。災難に遭えばつらいが、そのつらさと一つになって生き抜く。死が迫ったとき、死と一つになって死ねばよい。苦悩に惑わされないよう生き、死ねばよいというのです

◆長寿の高僧たちが実際に行った「長寿の工夫」
(1)呼 呼吸を整えること
(2)食 食事の節度
(3)心 心の切り替え。感情のコントロール
(4)生 生活を整える。そのために毎日、決まったルーチンをセットして繰り返す
(5)経 お釈迦さまの教えを、声を出して読む

感情的になると、身体はどんどんダメージを受けます。イラつきや怒りの感情が起きると、血圧が上がり、心臓がどくどく早く打ち、身も心もストレスに支配されて疲れ切るだけです

沢庵は物に心を留めないことが肝心と教えました。雨を避けようという心を一切とどめず、さらりと雨と一つになる行動こそ沢庵の早業

紫山老師が一〇一歳まで長寿を保たれたのは、中年ごろから、何事に対しても「思い替え」をするようになったからだと、紫山老師のお弟子さんが言っています。どんなことにも感謝して合唱しました。
たとえば空が曇っていたときだって「いい曇りだな」、雨が降っていても「いいお湿りだな」と即座に思い返しました

仏教における遊戯(ゆげ)とは、何かにとらわれることなく、遊び楽しむ(自由に生きる)ことを言います。遊ぶことも遊び、働くことも遊び、どんなことも遊ぶのです。このように悟った高僧には、遊びと仕事の区別がありません。そしてこの「遊び」が長寿へ結びついているのです

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土井の父は66歳で亡くなりましたが、本書の「長生きの秘訣」と照らし合わせると、真逆のことをやっていたと思います。

「原因と結果」とはよく言ったものですが、長生きにもやはり「原因と結果」はあるのですね。

生涯現役でいるために、また子や孫に迷惑をかけないためにも、ビジネスパーソンには読んでいただきたい一冊です。

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『お坊さんに学ぶ長生きの練習』藤原東演・著 フォレスト出版

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◆目次◆

まえがき なぜ、お坊さんは長生きなのか?
序 章 お坊さんが長寿と死の意味について考えてみた
第一章 八〇歳まで生きたお釈迦さまが最も大切にした「呼吸」
第二章 お坊さんたちの「食事」の秘密
第三章 心が痛まない! お坊さんの「感情コントロール」のコツ
第四章 お坊さんの「日常生活」に長寿の秘訣を探る
第五章 「読経」で長寿を願い、自然治癒力を高める
あとがき 将来のために「貯健」はできる

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