2016年7月29日

『超一流になるのは才能か努力か?』 アンダース・エリクソン、ロバート・プール・著 土方奈美・訳 vol.4391

【超一流研究、30年の成果とは?】
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一流になりたければ、一流に学ぶのが一番。

ということで、このBBMでもこれまでに天才研究、一流研究の成果をまとめた本を紹介してきましたが、本日ご紹介する本も、そのなかの一冊。

『超一流になるのは才能か努力か?』は、フロリダ州立大学心理学部教授で、30年にわたり超一流研究を続けてきたという著者、アンダース・エリクソン氏が、超一流の共通点、超一流の育て方を論じた注目の新刊です。

氏の一連の研究は、超一流になる方法を初めて明確に解き明かしたものとして、『タイム』『ニューヨーク・タイムズ』等のメディアで取り上げられ、話題となったようですが、本書ではそのエッセンスが紹介されています。

・「天才」の練習時間は抜きん出ていた
・心的イメージが大事
・目的のある練習、限界的練習が大事
・どれだけ知識があっても技能がなければ意味がない

などなど、超一流を育てる上でヒントとなる言葉がたくさん紹介されており、また事例として天才を育てた親や教師が何をしていたのか、その共通点が紹介されています。

文章を書く人にとっては、ベンジャミン・フランクリンの文章訓練法がきっと役に立つと思います。

本文のなかから、気になったポイントを他にも抜き出してみましょう。

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壁を乗り越えるのに一番良いのは、別の方向から攻めてみることで、教師やコーチの存在が役立つ理由の一つはここにある

目的のある練習あるいは限界的練習の最大の特徴は、できないこと、すなわちコンフォート・ゾーンの外側で努力することであり、しかも自分が具体的にどうやっているか、どこが弱点なのか、どうすれば上達できるかに意識を集中しながら何度も何度も練習を繰り返すことだ

先生がいなくても効果的に技能を高めるには、三つの「F」を心がけるといい。フォーカス(集中)、フィードバック、フィックス(問題を直す)である

長期的に体重を減らすことに成功するのは、成功を脅かすさまざまな誘惑に抗い、体重減少につながる行動を続けるような新たな習慣を身につけるなど、ライフスタイルをそっくり見直した人だけだ

たゆまぬ訓練を可能にする意欲を維持できるかは、二つの要素にかかっている。続ける理由とやめる理由だ

社会的意欲を生み出し、維持する最適な方法の一つは、あなたの努力を勇気づけ、支援し、檄を飛ばしてくれる人で周囲を固めることだ

エキスパートとなる子供の親は、子供の成長においてきわめて重要な役割を果たす。まず子供にたくさんの時間と目と励ましの言葉をかける。さらに成果にとことんこだわり、子供に自己規律、努力、責任、時間を生産的に使うことの大切さを教える

ブルームのチームが研究したエキスパートの多くは、親が興味を持っていたものを、自身の活動に選んでいた(中略)そうすることで親と過ごせる時間が増え、興味を共有できるからだ

最高の教師というものは、特定の問題の解き方を教えるのではなく、生徒に一般的なパターンやプロセスを考えさせる。つまり「どうやって解くか」ではなく「なぜそうなるのか」に目を向けさせるのだ

さまざまな能力が年齢とともに衰えていくのは、トレーニングを減らす、あるいはやめてしまうのが原因であることが多い

最先端で努力する者だけが新たな地平を切り拓く

IQが低いエリートプレーヤーのほうがたくさん練習する傾向があり、それによってIQが高いエリートプレーヤーよりチェスの腕前が上達した

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以前にご紹介した『非才!』や、『成功する練習の法則』に書かれていた内容と重複する部分もありますが、じつに興味深く読むことができました。

※参考:『非才!』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4760138382

※参考:『成功する練習の法則』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532318882

ぜひチェックしてみてください。

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『超一流になるのは才能か努力か?』アンダース・エリクソン、ロバート・プール・著 土方奈美・訳 文藝春秋

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◆目次◆

序 章 絶対音感は生まれつきのものか?
第一章 コンフォート・ゾーンから飛び出す「限界的練習」
第二章 脳の適応性を引き出す
第三章 心的イメージを磨きあげる
第四章 能力の差はどうやって生まれるのか?
第五章 なぜ経験は役に立たないのか?
第六章 苦しい練習を続けるテクニック
第七章 超一流になる子供の条件
第八章 「生まれながらの天才」はいるのか?
終 章 人生の可能性を切り拓く

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