2016年7月23日

『社長、あなたは人に甘すぎる!』木子吉永・著 vol.4385

【小さな会社が成功するための仕組みづくりとは?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4860638913

最近、こてこての中小企業経営本を読む機会が減っていましたが、ここに来て、いくつか良い本が出ているので、ぼちぼちご紹介して行こうと思っています。

本日ご紹介するのは、中小企業経営の本をいくつも書いている著者であり、東亜食品工業の代表取締役社長、木子吉永(きし・よしなが)さんによる一冊。

2004年に同じ出版社から出されていたものを改訂したものですが、驚くことに、今も古くならない、経営の原理原則が書かれています。

先日ご紹介した、『「考える」は技術』という本にも書かれていましたが、大きいものは小さいものの拡大版では必ずしもないし、小さいことは大きいことの縮小版では必ずしもない。

※参考:『「考える」は技術』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478067406/

『「考える」は技術』のなかから、気になった部分を再読していただきましょう。

<エンジニアによく見られる誤謬は、あるレベルで好適なモデルが規模を拡大しても同じく通用すると考えてしまうことだ>
<技師たちの架空のチームが、普通の馬より2倍の背丈がある「強化馬」をつくることにした。ところが誕生したのは、欠陥だらけの非効率的な獣だった。背丈だけでなく、横幅も全長も2倍なので、重量は8倍以上になった。しかし、動脈と静脈の断面積は普通の馬の4倍しかなく、心臓に2倍の負担がかかった。足の裏の面積は普通の馬の4倍だが、単位面積当たりでは普通の馬の2倍の重量を支えなければならない。結局、強化馬は処分するしかなかった>

つまり何が言いたいかというと、中小企業には中小企業経営のノウハウが必要だということ。

そこで参考になるのが、本日ご紹介する『社長、あなたは人に甘すぎる!』なのです。

さっそく、本文中から気になった部分をピックアップしてみましょう。

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「人を大事にする」のと「人に甘い」のとは違う

人に甘い社長は、もちろん社員にまず甘い。言うべきことをきちんと言わない。社員に対して不満があっても、「本人にしてみれば、あれで一生懸命やっているのだから」と遠慮してしまう。すると社員は、本来発揮できる能力の半分も使わないまま、ずるずると毎日を過ごしてしまう

会社を経営している限り、人に甘いだけでは済まされない。なぜ、これを売らなければならないのか。なぜ、この商品はこう直さなければならないのか。それを社員自身に理解させ、考えさせ、実行させなければならない

「社員なんかいらない」と考えてみることから始める

同じ仕事がこなせるなら、人数は少ないほうがいい

ある社員一人に、月50万円のコストがかかっているとしよう。人件費のほかに社会保険料などの間接費も込みとする。するとこれは、リースで月間50万円、年間600万円かかっているのと、コストとしては変わらない。5年リースとすると、なんと3000万円の機械を入れたのと同じことなのだ。この機械をフル稼働させようと思わない経営者がいるだろうか

会社を回していくのに必要な、社員一人あたりの粗利は月80万円である。つまり一人ひとりが80万円は稼がなければならない

肝心なのは、社員を使わなくても、他社を使う方法があるということだ

いかに自社の強みに集中することができるか

人材の条件は「返事がよくて、朝に強くて、社長との相性がよい」こと

その会社についての知識を得るということは、5年、10年社内にいて初めてできるのだ。辞められて困るのは、実はこのタイプの社員である

相手の頭の中身を引き出すには、書かせてみるのが一番いい。そうすることで、どこまで社長が言ったことを理解しているかも分かる

辞める人に直接社員との引き継ぎはさせない。理由は簡単だ。引き継ぐ社員にいい影響を及ぼすはずがないからだ

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極めて現実的に、泥臭く、中小企業経営の要諦を説くのが著者の真骨頂。

紹介されているマネジメントツールも、続けられそうなリアリティのあるものでした。

中小企業経営者、マネジャーはぜひ読んでみてください。

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『社長、あなたは人に甘すぎる!』木子吉永・著 あさ出版

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◆目次◆

第1章 中小企業は「定数精税主義」がいちばん
第2章 人材の条件は「返事がよくて、朝に強くて、社長との相性がよい」こと
第3章 社員に本気で「知恵」と「やる気」を出させるための管理術
第4章 独自のツールを使って社員を「イヤでもやる人」に変えていく
第5章 「書かせる」だけで社員はこんなに変わる!
第6章 固定観念を壊したければ「真逆」のことをやってみよう

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