2016年6月27日

『ユニ・チャーム式 自分を成長させる技術』 高原豪久・著 vol.4359

【マネジャー必読】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478065063

「アジアの時代が来る」と言われて久しいですが、以前インドネシアを訪れた際、スーパーの売場でひときわ目立っていたのが、ユニ・チャームの紙おむつでした。

紙おむつ売り場に行くと、そこにはユニ・チャーム製品があって、日本製を偽装した怪しげな現地生産の安おむつが並んでいる。これはつまり、日本製がブランドになっているということです。

価格にブランド力を反映させられている。おまけにマーケットは拡大基調、これは大きく伸びると確信しました。

事実、それからユニ・チャームは業績も株価も大きく伸ばし、現在に至っています。

現在の高原豪久氏が社長に就任してから、売上高は15年間で約3倍の伸びたそうです。

本日ご紹介する一冊は、そんなユニ・チャームの高原豪久社長が、ユニ・チャーム式のマネジメントについて述べた一冊。

どうすればグローバルで通用する人材を短期で育て上げられるのか、マネジメントのヒントと同社が実際に使っているツールが紹介されており、じつに読み応えがありました。

<今日のビジネス環境では「大きいものが小さいものに勝つ」のではなく、「速いものが遅いものに勝つ」>

だとすれば、組織もスピード成長できなければ、他社に太刀打ちできません。

さっそく、高原社長の書籍から、ヒントを拾ってみましょう。

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組織内で生まれた日々の工夫や知恵が、現場の社員と経営層の間を行ったり来たりすることで「振り子」のような共振を生むこと。それがユニ・チャームの目指す「共振の経営」です。現場の知恵を経営に活かすのと同時に、現場も経営の視点を学ぶことでそれが可能になります

豆は豆として、米は米として育てる

立ち直れないような失敗は絶対にさせません

たとえば尊敬している上司に「お前はすごい」と言われたとすると、おそらく生涯忘れることはないでしょう。そのくらいの成功体験となるのです。部下に成功体験をもたせてあげる存在が上司です。「お前にはかなわないなあ」という負け上手の上司は、部下の意欲を引き出します

週次マネジメントの最大の効用は、年52回、PDCAサイクルを回せることにあります

タイの農民は日本の3倍の速さで米作りを習得するそうです。なぜかというと、タイでは3毛作ができるからです。1年に3回、米をつくることができるから、1年で日本の3年分の経験が積めるというわけです

「ユニ・チャーム・ウェイ」
どの言語でも、同じページに同じ項目が書かれるよう工夫

ユニ・チャームでは、議論をしたり相手の提案に対して意見やアドバイスを述べたりする際には、必ず「PNI」の順で行うことをルールとしています。PNIとは、P=Positive/N=Negative/I=Interestingの略です

今後のグローバル全体における市場環境変化の共通のキーワードは、(1)都市化と、(2)先進国型消費へのシフトでしょう。世界には現在、都市人口が500万人を超える都市がすでに60以上存在し、2030年には100を超える見込みです。しかも、そのほとんどが中国、日本、インド周辺で増えていきます。これは、大きな事業機会です

◆人間の心を支える3つの軸
1「自分だけの世界」の軸
2「親しい人たちとの関係」の軸
3「目標に対する達成意欲」の軸

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赤ペンチェックでは紹介し切れませんでしたが、本書には同社が行っている「SAPS手法」と、それを支える4つのツールが紹介されており、ここまで読み込むと、よりマネジメントがうまく行くと思われます。

どうやって大きな組織を末端まで行動体質に変えるか。

本書には、そのヒントが書かれています。

ぜひチェックしてみてください。

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『ユニ・チャーム式 自分を成長させる技術』
高原豪久・著 ダイヤモンド社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492045945

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◆目次◆

第1章 日々の仕事の意義や、今やるべきことに意識を向ける
第2章 醍醐味を知れば仕事がもっと面白くなる!
第3章 成功するまで諦めないチームをつくる
第4章 チーム力を底上げするコミュニケーション法則
第5章 成長に欠くことのできない土台とは

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