2016年5月14日

『ビジネス英語ラインティング・ルールズ』 森田修・著 vol.4316

【これは使える!】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532113369

最近、ビジネス英語というのは、つまるところフォーマット(型)とボキャブラリー(語彙力)だということに気づいてきました。

日本語でビジネスをする際も同様で、相手方が通常ビジネスで使うのと違うフォーマットで文章を書いてきたら違和感を感じますし、通常使用する用語と違う用語を使ってきたら、やはり違和感を感じます。

問題は、英語ではなくてフォーマットとボキャブラリーなのです。

そこで本日ご紹介したいのが、森田修氏、マルコム・ヘンドリックス氏の共著、『ビジネス英語ラインティング・ルールズ』。

タイトル通り、ビジネス英語における書き方のルールをまとめたもので、これが新書とは思えないくらい内容が充実しています。

日本人がやりがちな「I think…」で始まる文、“I”が主語の文の多用を戒めるところから始まり、カンマやピリオド、コロン、セミコロン、丸カッコと角カッコ、ハイフン、引用符、エリプシス(…)などの使用ルールについて、じつに絶妙な解説をしてくれています。

どうすれば恥をかかないか、どうすればより丁寧な表現になるか、正しい表現、決まった表現はどれか、かゆいところに手が届く、素晴らしい内容です。

PC表現(Politically Correct)について、また最近SNSで多用される「BYOB」「lol」などの略語についても一覧が載っており、これ一冊でビジネスコミュニケーションのフォーマットはひと通りマスターできます。

さっそく、いくつかポイントをご紹介しましょう。

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ビジネスライティングでは、なるべく“I”を主語にしないほうがよいとよく言われます。これも、「主観」よりも「客観」という一般的傾向によるものです

何度かやりとりをして、お互いをファーストネームで呼び合う関係になっていたら、Thanks for…を用いるのが「当たり前」。Thank you for…では、「よそよそしい」感じになってしまいます

カンマをandの代わりとして用いることがあります。2つの項目を並列して示す場合に限られます。文の意味を強調することができるので、うまく使うと相手に強い印象を与えることができ、効果的です。
>Three people on our production team are out sick today and two more are wearing masks.
>Three people on our production team are out sick today, two more are wearing masks.

概要を述べた後で、その詳細をリストアップする場合にも、コロンでいったん区切ります。(中略)
>Garwood released three new products last month:OD903, BD812 and CH701.
「ガーウッド社は先月、新製品を3つリリースしました。OD903、BD812、そしてCH701です」

>My subordinates (George and Yuriko [who just transferred from a different division]) have their hands full with our current project.(中略)「丸カッコの中で補助的なカッコが必要になったときには、角カッコを使う」というのが基本

引用文中で、補足的説明などのためにカッコを使う場合、引用符の「内側」であれば角カッコを、引用符の「外側」であれば丸カッコを使うのが一般的です。
>During his presentation, she said, “We are seeking to increase our international B2B
[business to business] deals.”
>During his presentation, she said, “We are seeking to increase our international B2B deals.”
(business to business)

「エリプシス」とは、「省略符号」とも呼ばれるもので、ピリオドを3つ並べて示します(…)。文の一部が省略されていることを示すための記号です。日本語の「…」や「~」などの全角文字を使ってしまわないように注意しましょう。
>Her e-mail said, “…meeting will be cancelled until further notice….”(中略)
文末が省略されている場合、文末のピリオドを含め、ピリオドを4つ打つのが正式です

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本当はもっともっとご紹介したいのですが、スペースの都合上、このぐらいにしておきます。後は現物を見てご確認ください。

ずっと探していて、やっと出合った、納得のビジネス英語本。新書サイズなので、持ち運びも便利です。

日本の教育でひと通り英語は勉強したけれど、ビジネスで使われるフォーマットがいまいち理解できていない、という方におすすめの内容です。

ぜひ読んでみてください。

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『ビジネス英語ラインティング・ルールズ』森田修・著 日本経済新聞出版社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532113369

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◆目次◆

第1章 ライティングに対する心構え
01 客観的な書き方を心がける
02 丁寧さのレベル
03 同じ表現を繰り返さない
04 避けるべき構文
第2章 句読記号
01 カンマ
02 ピリオド
03 コロン
04 セミコロン
05 アポストロフィ
06 丸カッコと角カッコ
07 ハイフン
08 引用符
09 イタリックとアンダーライン
10 スラッシュ
11 大文字
12 疑問符
13 感嘆符
14 エリプシス
15 ダッシュ
16 インデント
第3章 文法・語法
01 冠詞の使い分け
02 代名詞の使い分け
03 自動詞と他動詞
04 時制に関する注意
05 受動態
06 助動詞のニュアンス
07 接続副詞
08 PC表現
付属資料
頭字語と略語
ビジネスEメールでよく使うタイトル例

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