2016年5月10日

『MOVE YOUR BUS』ロン・クラーク・著 vol.4312

【「全米最優秀教師賞」の著者が教える、話題の組織論】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4797387033

先日ご紹介した『USJを劇的に変えた、たった1つの考え方』は、おかげさまで大反響でした。

※参考:『USJを劇的に変えた、たった1つの考え方』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4041041414

あまりに内容が濃く、すべてご紹介できなかったのですが、じつはこの本の中には、企業経営の本質を語る、とても重要な一文がありました。

それは、「成長する会社とは、人的資源を成長させ続けることができる会社のことです」という一文です。

著者の森岡さんは、この本のなかで6つの経営資源(カネ、ヒト、モノ、情報、時間、知的財産)を挙げ、このなかで「6つの経営資源の全てを増減させたり使いこなしたりすることができる」という点で、ヒトが一番大切と説きました。

企業であれ、国家であれ、「人的資源を成長させ続けることができる」組織は伸びるのです。

人的資源の成長に影響をおよぼす因子はたくさんあると思いますが、なかでも「教育」の役割は重要。

ということで本日は、教育のプロの主張に耳を傾けてみましょう。

本日ご紹介する一冊は、『MOVE YOUR BUS』。世界25カ国で100万部売れているという、話題のベストセラーです。

著者のロン・クラーク氏は、2000年にディズニー社主催の「全米最優秀教師賞」を受賞し、あの「オプラ・ウィンフリー・ショー」に出演、ホワイトハウスにも招待された人物。

著者の教育方法は全米に広まり、現在はRCA(ロン・クラーク・アカデミー)を通じて、年間数千人の教育関係者が、氏の教育方法を学んでいるそうです。

企業で働く人を「ランナー」「ジョガー」「ウォーカー」「ライダー」「ドライバー」に分けて論じており、じつに興味深い組織論、教育論でした。

さっそく、内容をチェックしてみましょう。

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彼らにどんな話をしているかというと、基本的にはハードルを上げること、つまり大いに期待するということだ。期待すれば、相手はあなたの期待に応えようとする

私は、各人がバスのためにどれくらい活力を注いでいるか(組織のためにどれくらい貢献しているか)によって4つのカテゴリーに分類してみた。それがランナー、ジョガー、ウォーカー、ライダーだ。貢献度を速度に置き換えているので──ランニング、ジョギング、ウォーキング、乗っているだけ──わかりやすいだろう。そしてもう一つ、ドライバーという分類も設けた。ハンドルを握る人、つまりそのグループのリーダーを意味する

ランナーには仕事に没頭するあまり私生活をおろそかにするという問題がある。だからあなたがドライバーなら、たとえランナーの仕事が順調で、幸せそうに見えても、彼らが仕事以外の場で問題を抱えている可能性があることを忘れてはいけない

ジョガーに「あなたはどのカテゴリーですか?」と尋ねると、ほぼ例外なく「ランナーです」と答える

ジョガーは認められること、ほめられることを“燃料”にして前に進むので、あえて目立とうとしなくても目立ってしまうランナーに敵意を抱くことがある

ウォーカーが仲間を増やすのは、「みんなで渡ればこわくない」からだ。みんなが走るのをやめて歩けば、自分も走らなくてすむと知っている

ウォーカーは新人が自分を追い越すことをもっとも嫌う。だから、新人をこちらの言うことをきく仲間にして、同じようにゆっくり歩かせようとする

ライダーを歩かせるために時間と労力を注ぎ込むのはやめて、その分をすべてランナーに向けたほうがいい。バスを動かしているのは彼らなのだから。一人のライダーを歩かせようとするより、ランナーの足を止めないことのほうがはるかに大事だ

職場での地位を上げたいなら、自分を高めたいなら、存在感のある人間になりたいなら、すでにそれを成し遂げた人とつながる方法を見つけることだ

ランナーではない人は、ランナーを応援し、もり立てよう。そうすればランナーが大きな分け前をくれるからだ

ウォーカーには手本を示す

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読み進めれば進めるほど、このバスの比喩と「ランナー」「ジョガー」「ウォーカー」「ライダー」「ドライバー」の5分類は有用だと思います。

著者によると、自分は「ランナー」だから大丈夫、と思った人は「ジョガー」の可能性が高いので、良く読むことが必要。

本当にデキる人(ドライバー)は、ランナーを支援するポイントがまとめてあるので、ぜひじっくり読み込んでください。

これは興味深い組織論ですね。

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『MOVE YOUR BUS』ロン・クラーク・著 SBクリエイティブ
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4797387033

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◆目次◆

パート1 メンバー紹介
パート2 パスを加速させる17のルール
パート3 ドライバーができること あなたができること

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