2016年4月19日

『話がつまらないのは「哲学」が足りないからだ』 小川仁志・著 vol.4291

【話がうまい人の秘密】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4413044800

ここ数年は、『雑談力が上がる話し方』『超一流の雑談力』など、雑談本が人気です。

※参考:『雑談力が上がる話し方』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478011311

※参考:『超一流の雑談力』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4905073154

ただ、話の面白さというのは、本質的にはその「中身」にあるわけで、そこが面白くないことにはどうしようもありません。

土井は、そのことを経営合理化協会さんの経営者講演テープから学びました(いまならCD、DVDですね)。

会社を成功させた経営者は、話し方こそたどたどしいけれど、どの方も、話がべらぼうに面白いのです。

同様に、ソニー創業者・盛田昭夫氏の講演CDが付いた、以下の本も、英語表現より内容が大切なのだと確信させてくれました。

※参考:『ソニー創業者盛田昭夫が英語で世界に伝えたこと』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4806148261

このCDでは、どう聞いても日本語英語の盛田氏の話を、聴衆が熱心に聞き、時に大爆笑しています。

本日ご紹介する一冊は、あなたの話の内容を面白くするための、哲学的手法について述べた一冊。

志や信念を持つ経営者の話が面白いように、われわれも徹底して考え抜くことで、話を面白くすることができます。

さっそく、いくつかポイントを見て行きましょう。

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今必要なのは、言葉を吟味する訓練

哲学していない言葉は相手に伝わらない

◆ソクラテスの姿勢から学ぶこと
・知ったかぶりをしない。無知の知を貫く勇気を持つこと
・対話のなかで真理に到達していくという方法を信じること

当時、プロイセンでは私講師といって、学生が各々お金を払って講師を雇い、授業を受ける仕組みがありました。したがって、人気があればあるほど収入も増えるわけですが、ヘーゲルは教室をあふれさせるほどの人気講師でした(中略)「本当はこうだぜ」「本音はこうだぜ」じつはこれが人気の秘密でした。普通なら主著となっている本を読み上げるだけでも講義は成り立ちます。しかし、その場その場、時代状況に合わせて本音を語っては、学生たちを魅了していったのです。生の講義でしか聞けない「ここだけの話」だからこそ、みんなが聞きにやってきたわけです

私たちがサルトルに学ぶべきなのは、まさに次のひと言につきます。
「人に物を伝えるときには、生き方そのもので表現すること」

最初に質問することで「全員参加ですよ」というニュアンスを出す

一見ネガティブな表現をプラスの方向で使うと、そこに意外性が生まれます。意外性は言葉に力を与え、そのメッセージは相手に伝わりやすくなっていくのです

人に話を聞かせるためには、「ハッ」とさせる瞬間が必要

相手に物事を伝えたいという状況下では、主体や客体をはっきりとさせた表現を心がけるべき

話を迷子にさせないためには、自分の立場を明確にすること。つまり、自分の下部構造を知ることです

物事はカテゴライズすることで分類され、整理され、理解しやすくなります

「メリハリ」と「クライマックス」を用意する

ときには「無」のほうが雄弁になりうる

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言いたいことを述べる前に「4つのイドラ」に注意する、自分の下部構造を意識する、カテゴライズするなど、さまざまなヒントが詰まっており、人前で話す人にはいくつか気になる点がありました。

ただ、哲学と聞いて深いものを期待した人には、ちょっと物足りない本かもしれません。

話し上手になりたい方は、ぜひチェックしてみてください。

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『話がつまらないのは「哲学」が足りないからだ』小川仁志・著 青春出版社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4413044800

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◆目次◆

第1章 「話す力」は哲学で、身につく!
第2章 古今東西 哲学者はみな話し上手だった
第3章 話を面白くさせる「哲学用語」20
第4章 プレゼン・雑談…仕事で使える哲学テクニック
第5章 哲学を用いれば、誰もがあなたに好感をもつ

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