2016年2月19日

『東京大改造マップ2016-2020』日経アーキテクチュア・編 vol.4231

【2020年の東京がわかる地図】
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2014年に『東京大改造マップ2020』を紹介してから、2年が経ちました。

この間、虎ノ門ヒルズがオープンし、東京の街並みはどんどん変わりつつあります。

本日ご紹介する一冊は、その『東京大改造マップ2020』の最新版。

日経の専門誌「日経アーキテクチュア」「日経コンストラクション」「日経不動産マーケット情報」が共同で最新の開発状況をまとめたもので、延べ面積1万平方メートル以上の大規模プロジェクトの概要調査を、今回も東京23区、横浜市を対象に行っています。

今回はとくに開発目白押しの渋谷をクローズアップしており、15年に就任した長谷部健氏(渋谷区長)とプロジェクトデザインの観点から渋谷の建築に携わっている広瀬郁氏の対談が載っています。

2012年までJR東日本の駅別乗車人員数で3位につけていた渋谷ですが、13年度、14年度は東京、横浜に抜かれて5位に後退。

予定されている新庁舎・公会堂の建設(19年予定)、NHKの新放送センター、パルコの建て替え、ヒューリック渋谷井の頭通りビルなどで渋谷がどう変わるのか、注目されるところです。

超高層ビルで日本最大級の展望台ができる予定の渋谷駅街区・東棟や、クリエイティブ産業を振興するための渋谷宮下町計画、20階建てビルに生まれ変わるパルコなど、見ているだけでワクワクします。

施設のパースがあり、かつ建設予定地が街の立体写真に落とし込まれているので、地図が苦手な方でも渋谷がどう変わるのか、一発でわかります。

渋谷以外では、鉄道3社の再開発が本格化する田町・品川・目黒、駅直結170mビルが完成間近の新宿などが取り上げられており、こちらも注目です。

気になるポイントをまとめて見てみましょう。

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駅から距離のある公園通り沿いでは、パルコが建て替え(宇田川町15地区開発計画)を発表。現在のパルコ・パート1、同3の敷地に地上20階のビルを建てる。19年9月に完成予定だ

◆渋谷駅街区・東棟
渋谷随一の高さ(地上約230m)となる駅直結の商業・業務棟の最上部に、屋外と屋内から成る展望施設を設置する。超高層ビルの屋上を全面的に活用したものでは日本最大級の規模という。スクランブル交差点を眼下に収め、新宿や六本木のビル群はもちろん、富士山までも望める。同ビルにはこのほか、渋谷エリアで最大級の賃貸面積約7万3000平方メートルのハイグレードオフィスや、店舗面積約3万平方メートルの商業施設、クリエイティブ産業やコンテンツ産業のイノベーションを促す交流施設を整備する

渋谷区は庁舎と公会堂の建て替えに向けて、旧庁舎を解体。16年6月に建設工事に入る。新庁舎・新公会堂を建てる区の敷地の一部には70年間の定期借地権を設定し、民間事業者がマンションを建てる。区はその権利金で庁舎・公会堂の建築費を賄い、財政負担をゼロにする計画だ

NHKは15年6月、老朽化した放送センターを現有地で建て替える方針を発表した。20年の東京五輪後に着工し、NHKの放送開始100周年に当たる25年にニュースセンターやラジオセンター、情報系スタジオなど一部施設の運用開始を目指す

品川エリア
車両基地跡地の開発は、投資額が約5000億円、延べ面積は約100万平方メートルという巨大プロジェクトになる見込み。オフィスや住宅をメインに、ホテルや商業・文化施設などの高層ビルを建設する計画。23年~24年頃の街開きを予定している

東京都は15年4月、白金一丁目東部北地区市街地再開発組合の設立を認可した。港区白金一丁目の約1.7haに、44階建て・高さ約160mのマンションと17階建ての生活支援施設を建て、両ビルをデッキで結ぶ。住宅は約1220戸を供給する。ファミリーを対象とした定住性の高い住宅形式を中心に、単身者や高齢者などの多様な世代にも対応する方針

新宿で今最も注目されるのが、JR新南口の駅舎跡地に完成が近付いているJR新宿ミライナタワーだ。オフィスを中心とする複合ビルで、高さは約170m。駅直結ビルに総貸室面積約5万5000平方メートルに及ぶハイスペックのオフィススペースが生まれる

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付属の「東京大改造でかマップ」を使えば、さらに東京の全容がわかるという、じつに便利な一冊。

不動産投資家はもちろん、これから自宅購入を考えている方も、ぜひチェックしておきたいところです。

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『社外プレゼンの資料作成術』前田鎌利・著 ダイヤモンド社
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◆目次◆

首都圏大改造カウントダウン
都内注目10エリアと横浜、その近未来像

注目エリア1 渋谷
大規模開発ラッシュで復権か

対談
長谷部健氏(渋谷区長)×広瀬郁氏(トーンアンドマター代表)
独自のカルチャー育み 多様さを受け止めるまちに

注目エリア2 田町・品川・目黒
日本のゲートウェイに

注目エリア3 新宿・神宮外苑・四谷
駅直結170mビルが完成間近

注目エリア4 虎ノ門・赤坂・六本木
国際拠点としての機能強化

注目エリア5 大手町
計186万平方メートルの巨大開発

注目エリア6 日本橋・京橋
歴史的建築物を保存・活用

注目エリア7 銀座・日比谷
数寄屋橋交差点に大型商業

注目エリア8 晴海・豊洲・有明
居並ぶ超高層、五輪施設も

【五輪施設】中心地の臨海部で着々と

注目エリア9 池袋
2つの拠点でにぎわい生む

注目エリア10 赤羽・十条
新旧が混在する「穴場」の街

注目エリア11 横浜
新庁舎などが20年目指す

【ホテル】東京駅東側や銀座で開発ラッシュ

対談 東京の新しいビジョン
保井美樹氏(法政大学現代福祉学部教授)×木下斉氏(エリア・イノベーション・アライアンス代表理事)
都市の成熟化とは何か? 問われる「ポスト2020」

ライフスタイル
これからの都心、住むべき場所

リポート 舟運+水辺整備
矢継ぎ早に進み始めた「水の都」の面影再生

歴史・地理
「過去」を問い 記憶を重ねる

家守再来
“民”の力で治める江戸の知恵

東京23区大規模プロジェクトデータ
横浜市大規模プロジェクトデータ

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