【画期的!】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478066841
先日、自社主催のセミナーで、これからの経済の行方について持論をお話しました。
それは、「われわれの社会は省資源化に向かっている」ということ。
今流行りの「Uber」も「Airbnb」も、その価値は、資源の有効活用にあると言っていいでしょう。
これからの社会では、モノを所有することの価値は薄れ、持つことよりも持たないことが豊かさになってくる。
捨てることへの罪悪感が高まり、資源を有効活用しよう、再利用しようという動きが生まれる。
無印良品が世界中の都市で人気なのも、こんまりさんの『人生がときめく片づけの魔法』が世界的ベストセラーとなっているのも、その根底にあるものは、同じと考えています。
※参考:『人生がときめく片づけの魔法』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4763131206
これだけ価値観が変わってくると、いよいよ企業には環境に対する責任・配慮が求められ、ビジネスモデルも変容してくる。
そんな流れの中で、これまでの常識を破るリサイクルビジネスが登場しました。
それが、「日本環境設計」が手掛けている、着なくなった服からもう一度新しい服をつくるビジネスです。
同社は、消費者が持つ服や携帯電話、プラスチック製品から資源を取り出す技術を有しており、具体的にはこんな技術を開発しています。
・綿製品からエタノールをつくる(バイオエタノール)
・プラスチックから再生油をつくる(熱分解)
・ポリエステルからポリエステルを再生する
既に、同社の取り組みには、良品計画をはじめ、イオンリテール、丸井グループ、エドウィン、アメリカ屋、ジェイアイエヌ、タカラトミー、スターバックスコーヒージャパン、らでぃっしゅぼーや、パタゴニアなどが参加しており、同社はリサイクルの「ハチマーク」ブランドのライセンス事業で、収益化に成功しています。
環境ビジネスで、ここまで強固なポジショニングと美しいビジネスモデルを実現している企業があるとは、正直驚きました。
さっそく、「日本環境設計」のビジネスの秘密、そこから得られる学びに迫っていきましょう。
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ものを売るだけの商売は立ち行かなくなる
私たちは、携帯電話という「都市鉱山」から金属を取り出し、資源に戻すことができた
NTTドコモとの二人三脚が始まってから3年のあいだに、1500万台以上の携帯電話をリサイクルしてきました
石油を新たに使わずに、服から服をつくる
「炭素の循環」を可能にする技術を突き詰めれば、その先には、新たに石油を必要としない社会が訪れます。そうすれば、資源をめぐって起こる戦争すら止められる可能性があります
技術があっても、それを活かせる事業モデルをつくれなければ、宝の持ち腐れ
結論。消費者はリサイクルしたがっている
消費者の気持ちにスイッチを入れる役割を果たすものは何でしょうか。それこそが、店頭にある「回収ボックス」です
メーカーは消費者に対して、あるいは社会に対して、「環境配慮」や「循環型社会」に向けて取り組んでいることをアピールしたい。でも、自社単独では難しい。であるならば、すでにあるリサイクルインフラとブランドを活用したい。こうして、私たちのところに訪ねてくるメーカーが増えています
付加価値があるものに、値段がつくのは経済の常です。リサイクルリサイクルインフラの使用権と、「環境付加価値」──。この2つの意味を兼ね備えたものとして、「ハチマーク」のブランドライセンス事業を行っています
「ハチマーク」の使用料は、金額にすれば商品1つ当たり数円と少額ですが、商品のボリュームが大きくなれば、小さなベンチャーである当社にとっては、大きなインパクトがあります
「FUKU-FUKU」をブランドとして育てていくうえで大きかったのは、広く名の知れたブランド企業が最初から参加してくれたこと
店頭回収によって店舗のオペレーションが少し増えるのは事実ですが、それによって集客にも売上にもプラスの効果
小さな資本と少ない人数でも事業が回るのは、会社の外に、さまざまな支援をしてくださる応援団がいるから
「営業」とは、顧客企業の「経営」を支えること
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環境意識の高い企業が増えれば増えるほど、同社の売上も増えるしくみになっており、これはすごいモデルだと思いました。
「石油を一滴も使わずに済む社会」
「戦争をなくすために地上資源を循環させよう」
大企業を動かした素晴らしいビジョンと、小さな会社でも社会を動かす方法論が書かれており、本当に勉強になりました。
ひさびさに、新しいビジネスモデルを見た気がします。
これは、ぜひ読んでみてください。
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『「捨てない未来」はこのビジネスから生まれる』岩元美智彦・著 ダイヤモンド社
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◆目次◆
第1章 ごみを「資源」に戻す、すごい<技術>
第2章 消費者と企業をつなぐ、すごい<ビジネスモデル>
第3章 誰もが参加したくなる、すごい<ブランディング>
第4章 お金を回しつづける、すごい<マネタイズ>
第5章 小さくても戦える、すごい<アイデア>
終 章 「地上資源」がめぐれば世界は回る
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