2016年1月12日

『「バカ?」と言われて大正解』 リッチー・ノートン、ナタリー・ノートン・著 vol.4193

【出た!掘り出し物】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4775941348


長く書評をやっていると、「どうしてこんなに良い本がこんなに売れていないんだ?」と驚く本にしばしば出合います。

その多くはタイトルが間違っていたからで、事実、本田健さんと土井が絶賛していたにもかかわらず絶版となった『箱』は、『自分の小さな「箱」から脱出する方法』と改題されてから10万部を超えるベストセラーとなり、最近ではラグビー選手の五郎丸歩さんも絶賛し、話題となっています。(ちなみに、装幀家の寄藤文平さんは、「これまで装幀した本の中で一番面白い本かも。」と述べています)

※参考:『自分の小さな「箱」から脱出する方法』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4479791779

編集者にとっては苦い思い出でしょうし、事実タイトル付けは本当に難しい作業ですが、それでも良い本が売れないのを見ると、胸が痛みます。

だからこそ、そんな本に出合った時は、声を大にしてその良さを伝えたい。それが書評家の務めでもあると思うのです。

ということで本日ご紹介する一冊は、『「バカ?」と言われて大正解』。

アマゾンでダウンロード数トップを飾った電子書籍『Resumes Are Dead and What to Do About It』の著者であり、人気ブログ「Start Stuff」の作者でもあるリッチー・ノートンとその妻が、「バカげたアイデア」を実行して成功した偉人たちのエピソードや言葉を集め、充実した人生を歩むためのヒントを示しています。

本書によると、<偉大な成功には共通点がある。それは「バカバカしさ」だ>。

そして、愚か者が成功する理由として、アインシュタインがこんな言葉を残しています。

<天才と愚か者の違い、それは、天才には限界があるということだ>(アルバート・アインシュタイン)

われわれの多くは、本当はリスクを冒してやりたいことに挑みたいのに、その挑戦を避けて一生を終えてしまいます。

それは「後悔する人生」であり、その後悔する人生を送る人には、共通の言い訳がある。それが、以下の3つです。

1.時間が足りない
2.必要な教育も受けていないし、経験もない
3.十分な資金がない

本書では、これら3つの言い訳を退ける考え方が示されており、成功した偉人たちのエピソード、言葉がそれに説得力を添えています。

言い訳の多い人生にさよならをする珠玉の言葉を、さっそくご覧ください。

———————————————–

ビジネスに関連してよく出る質問は、「なぜ?」である。いい質問だけれど、これと同様に有益な質問がある。それは「なぜ、そうでないのか」だ(ジェフ・ベゾス)

「リッチー、経験というものは過大評価されているよ。自分は20年の経験があると言う人がいるけれど、実はその人たちはわずか1年の経験を20回くり返してきただけだ」

◆バカなアイデアの着手から継続的な行動へ進んでいける4原則
・恐怖を克服する ・プライドを克服する
・先延ばし癖を克服する ・本気で取り組む

◆ニュー・スマートになる5つのアクション(START)
・奉仕する Serve
・感謝する Thank
・求める Ask
・受け取る Receive
・信頼する Trust

自分が怖いと思うことを、毎日必ずやりなさい(エレノア・ルーズベルト)

私たちの直面する最大の脅威は、脅威を感じる対象について考えているうちに自分でつくりだしてしまう恐怖だ

高い目標には、同じように高い目的意識が必要だ

「小さな勝利」を手にすることだ。小さな勝利とは、心理学者のカール・ワイクが命名した言葉で、恐怖を打ち消し、恐怖に自由を奪われ無為に陥らないための手段である

何よりも大事なことが、重要でないほかの何かに左右されてはならない(ヨハン・ウルフガング・フォン・ゲーテ)

自分にウソのない人生を積極的に生きようとすると、他人にはバカだと思われる行動を頻繁にすることになる。それでいい

人に尋ねること、頼むことのパワーを過小評価してはいけない。行列から抜けだして誰かに聞こう。それが成功への近道だ

信頼を得ようとするのではなく、信頼の上に立って行動することだ(エデルマン社長兼CEO リチャード・エデルマン)

◆信頼を築くための4つの方法
1.まず、自分を信頼する 
2.自信を持つ
3.先に相手を信じる 
4.言行一致

私たちの周りにはテコ(レバレッジ)がたくさん隠れている。それを見つけること。そして利用すること

———————————————–

本書のなかから見つけた、一番のお気に入りは、以下の言葉でした。

<自分にウソのない人生を積極的に生きようとすると、他人にはバカだと思われる行動を頻繁にすることになる。それでいい>

これまで数多くのバカな行動を繰り返してきましたが、本書を読んで、最近はちょっと賢いことが多かったなと反省しています。

大胆に生きる。後悔しない。

そんな人生を歩みたい人は、今すぐめくって欲しい珠玉の一冊です。

ぜひ読んでみてください。

———————————————–

『「バカ?」と言われて大正解』リッチー・ノートン、ナタリー・ノートン・著

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4775941348

————————————————-

◆目次◆

I章 「バカ」こそ新しい賢さ(ニュー・スマート)
II章 バカなアイデアの見つけ方
III章 「バカ」なビジネスが流行るわけ
IV章 バカなアイデアを実現するには

この書評に関連度が高い書評

この書籍に関するTwitterでのコメント

同じカテゴリーで売れている書籍(Amazon.co.jp)

NEWS

RSS

お知らせはまだありません。

過去のアーカイブ

カレンダー