2015年12月1日

『99%の社長が知らない銀行とお金の話』小山昇・著 vol.4151

【できる社長のお金の殖やし方】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/486063828X

ビルを購入して初めて借金をしてから、借金をするにもコツがあるというのを、段々理解できるようになりました。

先日、業績好調を受けて、たまたま交渉して金利を下げていただきましたが、もっと早く誰かが教えていてくれたら、と思います。

そこで反省も含め、読んでみたのが本日ご紹介する『99%の社長が知らない銀行とお金の話』。

「日本経営品質賞」「経済産業大臣賞」「IT経営百選最優秀賞」などの受賞歴のある、株式会社武蔵野の小山昇社長が、借金のコツをまとめた、話題のベストセラーです。

小山社長は、ここに書かれたノウハウをもってクライアント企業に借金の指導をし、資金繰りや経営内容そのものを改善してきた実績を持つそうで、本書では、そのクライアントの実例とともに、銀行との付き合い方、借金のノウハウが説かれています。

通常の連帯保証と根保証の違い、社長の個人保証の外し方、無担保・無保証で16億円借りた方法、付き合う支店の選び方、1億円を定期預金にする際の注意点など、知らないと損する情報が満載で、じつに勉強になります。

なかでも、銀行から無担保・無保証で借りるために同社が実施しているという「3点セット」は、ためになりました。

この3点セット(経営計画書、経営計画発表会、銀行訪問)にも、それぞれノウハウがあり、具体的にまとめられている点が好感が持てました。

発売1週間で1万部増刷、1カ月足らずで3万5000部を突破したという絶好調の一冊ですが、その理由がよくわかる内容です。

さっそく、ポイントをチェックしてみましょう。

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無借金経営の会社ほど、いざというときに倒産しやすい

銀行のノルマに協力するのも、社長の仕事

「格付け3」であれば、1000万円借りるのに担保も個人保証もいらないはずです。それなのに根抵当がつけられたのは、社長が無知だからです

銀行は「儲けている会社」ではなく「確実に返してくれる会社」に、お金を貸す

お金の使い道を報告しない社長は、信頼されない

抵当権を設定するなら、「根抵当権ではなく、抵当権で借りる」

◆無担保・無保証で借りるための「3点セット」
1.経営計画書(長期事業構想書、長期財務格付け、長期財務分析表、経営目標、利益計画、支払金利年計表)
2.経営計画発表会
3.銀行訪問(3カ月に一度)

1行も融資が下りない新規事業は、やってはいけない

7000万円の借入れが必要なら、1億円の決済額を持つ支店と取引をしたほうが、資金を調達しやすい

資金に余裕があっても、繰り上げ返済をしてはいけない

1億円を定期預金にするときは、「1億円1本」にしてはいけません。「2500万円×4本の定期預金」に分けるほうが安全です(しかも、4本の定期預金を1月、4月、7月、10月と時期を分けて、それぞれ1年定期で持つ)。そうしておけば、1本を担保に差し出しても、残りの3本は自由に使えますし、追加で資金が必要になったら、残りの定期預金を担保にしてお金を借りることができます

給与振込口座も銀行との交渉材料になる

売上が5億円以下なら、「信金」がないとダメ

◆銀行が嫌う決算書
・仮勘定が多い
・社長貸付金(役員貸付金)がある

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銀行サイドの事情、意図をよく押さえており、経営者がどう振る舞えば銀行が喜ぶか、よくわかる内容です。

銀行が嫌う会社、決算書の条件なども書かれているので、融資で苦労している経営者は、読むとヒントが見つかるかもしれません。

クライアント企業のケーススタディは、経営者にとっては賢い借り方を学ぶ上で参考になると思います。

ぜひチェックしてみてください。

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『99%の社長が知らない銀行とお金の話』小山昇・著 あさ出版

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/486063828X

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◆目次◆

序章 借金をしたくないなら、今すぐ社長をやめなさい
第1章 銀行がお金を貸したくなる会社とは?
第2章 赤字の会社でも、融資を引き出す方法がある
第3章 徹底解説!「武蔵野」の「資金運用に関する方針」
第4章 「3点セット」で銀行の信用を勝ち取る
第5章 【“実例”銀行交渉術】あの会社はなぜ、お金に困らなくなったのか?
付録 小山昇の“実践”銀行交渉用語集

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