2015年12月2日

『BCGの特訓』木村亮示、木山聡・著 vol.4152

【プロコンサルタントを作るBCGの特訓とは?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532320267

以前、元ボストン コンサルティング グループの方に、「BCGって、じつは体育会なんですよ」という話を聞いたことがあります。

言われてみれば、土井の周りの元BCGはほぼ全員酒豪で、体育会系のノリの人が多い。

外資系コンサルティングファームといえば、頭脳派集団のイメージが強かったので、意外だった記憶があります。

何事も成果を出そうと思えば、泥臭い努力や訓練が必要ですが、それが表に出ることは滅多にない。

本日ご紹介する一冊は、その訓練、それも一流コンサルティングファーム、ボストン コンサルティング グループの特訓を大公開した一冊です。

著者は、BCG東京オフィスのパートナー&マネージング・ディレクターである木村亮示氏と、同中部・関西オフィスパートナー&マネージング・ディレクターである木山聡氏。

人事/人材チームでコンサルティング・スタッフの育成に携わる二名が、BCGに伝わる「徒弟制」の実際を明らかにし、知的プロフェッショナルの心構えと仕事術を指南した興味深い一冊です。

「これぞBCG」という個性あるやり方があるわけではありませんが、仕事術として基本的な考え方がまとめられており、新人教育にはピッタリの一冊だと思います。

いくつかポイントを見て行きましょう。

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◆成長を加速し持続するための3つの要件
1.マインドセットを持つこと
2.個別のスキルを習得すること
3.スキルの使い方を磨くこと

成長したいのなら、まず「自分のことしか変えられない」という意識を持つことが大切だ

一流の料理人は、すべての手順に“理由”がある

「観客席から見る」のではなく、「ネクストバッターズサークルから見る」

せっかく学びがあったとしても、自分のやり方を変えないと、成長のスピードはそのやり方の範囲でしか高まらない

「任せてもらう」ためには、積極的に上司とコミュニケーションをとることが必要なのである

課題は指摘せず気づかせよう

とにかく、答えを与えないようにすることである。相手が言ったことを言い換えて整理する以外は、「なぜ?」(理由を聞く)、「どんなふうに?」(具体的に説明させる)などの質問をひたすら投げかけ続けることだ。ただし、ここでのカギは、「◯◯ができていない」という説明に対して、「なぜ◯◯ができないのか?」という質問をしないこと。「では、何をやっているのか?」と聞くのが、課題の本質への気づきを促すうえで有効となる

ハンズオフとハンズオンの使い分けをする

最初に行うのは、育成される側との「合意」である。開始する前に育成者は、これから集中的な特訓を行うことを相手に“宣言”すると同時に、育成される側の同意を得る

「厳しくやるが、見捨てない」をきちんと伝える

“特訓期間”だと宣言することで、これは期間限定の特別な対応であること、あなたのポテンシャルを見込んでのことであり、あなたの成長のためのものであることを、相手にしっかり理解してもらう

課題を与えたら、考える時間を短く区切る。最初のうちは、1日3回、15分間のミーティングを設定する。朝課題を与えた場合は、午後1時頃に15分間のミーティングを設定する。3時間で考えた結果を報告させ、そこで簡単なフィードバックを行う。フィードバックをもとに再度考えてもらい、また3時間後に報告を受ける

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いろいろと勉強になることがありましたが、なかでも参考になったのが、特訓を始める前の宣言のやり方です。

・これから集中的な特訓を行うことを相手に“宣言”し、同意を得る
・宣言することで、これは期間限定の特別な対応であること、あなたのポテンシャルを見込んでのことであり、あなたの成長のためのものであることを、相手にしっかり理解してもらう

なるほど、今の若い人にはこれぐらい言わないとダメなんだろうな、と反省させられた部分です。

内容はシンプルですが、知的生産に携わる新人はもちろん、新人を教育するマネジャーにも、読んでおいていただきたい一冊です。

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『BCGの特訓』木村亮示、木山聡・著 日本経済新聞出版社

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532320267

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◆目次◆

プロローグ BCGの成長の「秘伝のたれ」
第1部 成長のための2つの方程式
第1章 スキルを集めるだけでは成長しない
第2章 どうすれば「伸び悩み」を突破できるのか
第2部 育つ人、育てられる人
第3章 成長を加速させる鉄則
第4章 成長をPDCAで「自動化」する
エピローグ

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